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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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692部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその一


第五十五話 華陀、徐州に入るのことその一

              第五十五話  華陀、徐州に入るのこと
 華陀はだ。相変わらず各地を旅していた。
 共にいるのはだ。やはりこの二人であった。
「ねえダーリン」
「今度は何処に行くのかしら」
「そうだな。最近どうもおかしい」
 腕を組んでだ。彼は貂蝉と卑弥呼に話した。
「あちこちでな」
「そうよねえ。どうやら」
「間違いないわね」
 ここで話す二人だった。
「あの連中がね」
「蠢いているわね」
「そうだな」
 華陀もだ。二人の話に応えて言う。
「怪しいとは思っていたがな」
「確信持っていいわね」
「もうね」
「そうだな。じゃあ今はだ」
「どうするの、それで」
「今度は何処に行くのかしら」
「あの書を手に入れる」
 こう二人に話す華陀だった。
「そしてだ」
「力を封じるのね」
「あの書の」
「そうしてそのうえでだ」
 華陀の話は続く。
「連中を何とかしないとな」
「あの書だけじゃないからね」
「オロチだっているし」
「最初は信じられなかった」
 華陀はだ。真剣な顔で二人に語っていく。
「まさかな。そんな奴等がこの世界に来ているなんてな」
「けれど本当よ」
「本当のことなのよ」
 二人は乙女の仕草で華陀に説明していく。
「この世界に来てね。そのうえでよ」
「この世界を彼等の思うままにしようとしているのよ」
「人間達を消してしまう」
「ええ。それを考えているのよ」
「彼等はね」
 そうだと話すのだった。
「彼等は文明を嫌っているの」
「大自然の神々の一柱だから」
「それでか。自然か」
 華陀は二人の話を聞いてまた述べた。
「自然は時として人と対するか」
「ううん、人も自然の一部よ」
「この世界のね」
「それじゃああれか」
 二人の話を聞いてまた述べる華陀だった。
「自然の中での対立か」
「そうなるわね」
「結局のところはね」
 二人はこう結論付けて話した。
「人間は自然と対立する存在じゃないの」
「この星ともね」
「そしてこの世界ともだな」
「私達の知ってる世界じゃ人間が世界の敵だなんて」
「そんなこと言う人間もいるけれど」
「安っぽい話なんだな」
 華陀はこれで終わらせるのだった。
「そんな主張は」
「そうよ。鳩の出来損ないも言うけれどね」
「所詮その程度の人間もどきでしかないのよ」
 二人はその鳩の様な存在はこう言って切り捨てる。
「まあ。そんなのはいいとして」
「ダーリンも熱くなってきたわね」
「ああ、燃えてきた」
 実際にそうだという彼だった。
「この世界、何としても救う」
「そうそう。そんなダーリンだから」
「私達もついていくのよ」
 ここでも乙女の仕草をする二人だった。
「問題はあの書が何処にあるかね」
「それが問題だけれど」
「怪しいのは」
 華陀はまた考える顔になった。そのうえで二人に話した。
 
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