恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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690部分:第五十四話 三姉妹、変装するのことその八
第五十四話 三姉妹、変装するのことその八
「あの方は。残念だが」
「そういえば何か幽州の牧に袁紹さんがなるらしいですね」
馬岱はふとこのことを皆に話した。
「そんなこと話してる人いますよね」
「ああ、烏丸とか匈奴とかの征伐の功績でだな」
馬超はその根拠はそれだと見ていた。そしてその通りだった。
「確かに充分な功績だけれどな」
「けれど。そうなったら公孫賛はどうなるのだ?」
張飛はいぶかしむ顔で言った。
「鈴々も忘れていたのだ」
「絶対に忘れられてますね」
「朝廷にも」
孔明と鳳統はそう見た。
「多分。朝廷も袁紹さんも幽州に牧はいないと考えておられます」
「ですからそこに袁紹さんを」
「気の毒な話だな」
ここまで聞いてだ。関羽は憂いのある顔を見せた。
「公孫賛殿にとっては」
「桃々ちゃんって何か」
また真名を間違えている劉備だった。
「悪い娘じゃないけれど」
「存在感がないわね」
神楽もこのことは熟知していた。
「それもかなり」
「そういう人っているわね」
「そうですね」
それはミナと月も言う。
「中にはそうした人も」
「やっぱり」
「そうした人は何をどうやっても目立てないのよ」
神楽が今話すことは厳しい現実だった。
「どう努力してもね」
「希望はないのか」
「残念だけれど」
首を横に振って関羽にも述べる。
「そうした場合は」
「本当に気の毒だな」
また言う関羽だった。話をここまで聞いてだ。
「悪い方ではないし無能でもないのだが」
「だから器用貧乏なのだ」
趙雲が指摘するのはそこだった。
「曹操殿の様に何でもできる訳でも袁紹殿の様にやたらとムラがある訳でもないな」
「それか」
「かといって孫策殿の様に武勇に秀でている訳でも袁術殿の様に芸がある訳でもない」
「噂ではふがふがと言う癖があるそうだけれどね」
黄忠は公孫賛のこんな噂を話した。
「あとは包丁を使うのが得意だったかしら」
「弟を溺愛しているともいうがのう」
厳顔も話す。
「しかしそれはあくまでのう」
「中の話だから」
「少なくとも今の本人の話ではないからのう」
「どうしようもないわね」
こんな話をしながら街を歩いていた。そしてだ。
バイスとマチュアはだ。三姉妹がいなくなったのを見てだ。こう話すのだった。
「また勝手に出ていったわね」
「そうね」
別に困ったものは見せていなかった。ただこう話すだけだった。
「さて、それならね」
「ええ、それはかえって好都合ね」
こう話してだった。二人で向かい合ってだ。
あらためてだ。こんなことを話すのだった。
「状況はいいかしら」
「どうかしらね」
こう話していくのだった。
「あの三姉妹の力は確かに凄いけれど」
「特に長姉はね」
張角のその潜在能力にはとりわけ注目しているのだった。
「けれど。性格が」
「ええ。無邪気だから」
「それも三人共ね」
「有名になって遊びたいだけだから」
それが三人が基本的に願っていることなのだった。
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