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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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685部分:第五十四話 三姉妹、変装するのことその三


第五十四話 三姉妹、変装するのことその三

「最初はしがない旅芸人だったそうだが」
「そうなのだ。今じゃ誰でも知っているのだ」
 張飛も言う。
「国の誰もがそうなのだ」
「知っているだけではないな」
 魏延も話に加わる。
「その歌と演出も有名だな」
「何かお金とか管理している人が凄いみたいね」
 馬岱が指摘するのはそこだった。
「ええと、黒と白の服の格好いい女の人達だって」
「黒と白なのね」
「はい、あまり表に出ないそうですけれど」
 馬岱は神楽に対しても答えた。
「凄い人達みたいです」
「そうなのね」
「他にも応援団が一杯ついてますし」
「それは私達の世界と同じね」
 その話になるとだ。神楽は笑ってこう言った。
「私達の世界もね」
「ああした娘達には応援団がなんですね」
「ええ、つくわ」
 神楽は劉備にもこう話した。
「人気が出るとね。実力があると余計にね」
「あの娘達歌も凄く上手ですから」
 肝心のそれもだというのだ。
「もう誰が聴いてもっていう位に」
「鬼に金棒ね」
「じゃあその舞台に」
「ええ、行きましょう」
 こんな話をしていた。一行だった。そしてその中でだ。
 タムタムはだ。こうチャムチャムに話した。
「チャム、ここは」
「お兄ちゃん、どうするの?」
「先に行く」
 そうするとだ。妹に話すのだった。
「タムタム先にその幽州に行く」
「そうするの」
「北に悪い奴いる」
 だからだというのである。
「それで行く」
「そう。それじゃあ」
「劉備達には話しておいて欲しい」
「お兄ちゃんからも話したら?」
「確かに。じゃあそうして」
「うん、行ってらっしゃい」
「また会う」
 こんな話をしてだった。タムタムは先に桃家荘に向かった。一行は徐州に入った。
 その頃だ。三姉妹の間では。こんな話をしていた。
「折角徐州に来たし」
「どうしたの、姉さん」
「何かあるの」
 張梁と張宝が張角に問う。三人は今自分達が泊まっている立派な宿の中にいる。それぞれ天幕のベッドに座って話をしているのだ。
「ここ何度か来てるけれど」
「それでも」
「街を見回りたいの」
 こう二人に言う張角だった。
「駄目かな、それ」
「別にいいけれど」
「一人で?」
「そう、一人で」
 また言う張角だった。
「駄目かな、それって」
「それじゃあ姉さんだってすぐにばれない?」
「私達もうかなり有名になってるから」 
 二人も姉の我儘な性格は知っていたので止めなかった。言っても結局のところ外に出るとわかっていたからだ。だがそれでもだった。
 二人はだ。姉にこのことを言うのだった。
「ばれたら大変よ」
「それこそ何が起こるか」
「うん、だから」
 不意にだ。張角はあるものを出してきた。それは。
「これ被ってね」
「髪の毛?」
「それなの」
「これをこうして」
 ピンク色の長い髪の鬘を頭に被った。それで言うのだった。
 
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