Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
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竹林の獣-終-
『ようこそいらっしゃいました。赤ずきんさま、ピノキオさま、そして……貴方さまがツギハギさまですわね』
着物の女は『うふふ』と笑いながら熱のおびた視線を俺へ向ける。
赤く染まる頬 桃色になり火照る胸元
『ハァハァア』と荒い息遣い 獲物を前にした飢えた獣
「ど、どうして僕たちのことを…?」
『知っていて同然ですわ。だって貴方がたは私の可愛い、可愛い、世界にたった一人しかいない妹を殺したのですから』
妹…あの塔にいた金髪の肉のことか。
「妹って…まさか、あの肉っうっぷ!」
あの肉の最期を思い出し、体内から出ようとするものを抑え込むピノキオ。
「あなたが竹美姫? アハハハッ、殺してあげる♪」
『ブヒィィィィ!!?』『メェェェェ!!?』
挨拶代わりにと、着物の女、竹美姫とか言ったか? 赤ずきんは竹美姫に襲い掛かった
―が
『うふふふふ』
―その拳はいとも簡単に受け止められた。
まさかあれを受け止めるとは驚いた。大概の奴は、避けるか、反撃するか、もないまま分裂するか、吹き飛ぶか、貫かれるか、して死ぬのにな。
「アハハハッ、あなたって強いですね♪」
『ええ。それなりには』
あの竹美姫とかいう女。相当できるようだ、なめてかかるとこっちが痛い目をみそうだ。
竹美姫は掴んだ赤ずきんの拳を放り投げるように離すと
『ですが、赤ずきんさま。ここでおいたはいけません。
ここは女も男も酒も金も、この世のありとあらゆる娯楽が楽しめる、千年魔京。
暴力だなんて、そんな乱暴な事許可できませんわ。……そうゆうプレイなら許可できますけどね…うふふ』
「…プレイですか?」
どうして全員、俺の方を見る。俺にそんな趣味はない。
「どうしてダメなんですか。ボクはあなたを殺したいのに、どうして?」
『うふふふ。やはりお子様には難しかったでしょうか? ツギハギさま、貴方さまならお分かりですわね?』
「暴力以外での殺し合いなら許容範囲ってことだろ」
「ええ。そうですわ、さすがツギハギさま。貴方さまならきっと理解していただけると思っておりましたわ!」
理解なんてしていない。あの女が言った事をそのまま言ってやったにすぎない。
『でしたらもう話は決まりですわね?』
竹美姫の紫色の瞳が紅く輝く。
『さぁどうぞ、千年魔京で一番の娯楽地、賭博場へ』
と言う竹美姫の言葉が合図だったのか、ギィィィと大きな音をたてながら女の後ろにあった巨大な扉が開いてゆく。
扉が開いていくと、風に乗って流れ出る臭い。もう飽きるほど嗅いだ臭い。
―血の臭いだ。
『うふふふふ』
「アハハハッ♪」
「ど、どうなるんでしょう…」
「さあな」
これから俺達は女、竹美姫とゲームをする。
自分たちの命をかけた文字通り、命懸けのゲーム
負ければ"死”
己の生死をかけたデスゲームの始まりだ―
―To be continued-
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