Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
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二章<被虐>
竹林の獣(1)
[西にある国
ホールケーキアイランド
西の領地
お菓子な森にあるお菓子な塔
お菓子な国 ホールケーキアイランドの領主であり女王だった
ラプンツェル"殺した”ツギハギ少年御一行が次に向かうは
東の領地にある娯楽の園]
「~~~~~♪」
鼻歌まじりにスキップをする赤い頭巾を被った"赤ずきん”
「次は竹藪…ですか? うう、光が差し込まないから暗いです」
杖を握りしめブルブルオドオド震えている元は木の人形"ピノキオ”
「………」
人の形を模したツギハギだらけの肉の"俺”
高く 高く育ちすぎた竹は 太陽を隠し 日差しを遮断する。
少し寒いくらいの涼しさはいい でも薄暗く見えづらいのは駄目だ。
「ここにお前が"殺したい”相手がいるんだな」
「た~ぶ~ん~ね~、アハハハッ♪」
目的が一つ叶ってご機嫌な赤ずきん。
あいつは明確的な殺しはしない するのはいつも結果論。
一緒に遊んで 結果 相手が死んだ
奴が殺すのは 己の目的の為 "完全品”になる為
ピノキオは奴の目的を達成する為に創りだされた存在
―俺は なんだ?
『ヤ、ヤメテヨー!!』
「なんだ」
子供の"鳴き声”か?
『ブヒブヒブヒィー!』
『ブーブー』
『ブヒィ!』
「……行くぞ」
「ええっ助けてあげないんですか!?」
ピノキオに連れられて 仕方なくやって来れば 三匹の豚が一匹の山羊を虐めているところだ。
案の定 面倒事だった。
「知らん、面倒事はごめんだ」
あまりこの世界 ここの住人達とは関わり合いたくない。
―俺は 俺の 仕事をするだけだ
『タ、タスケテ!』
「……あの山羊、今…喋べった?」
いや 山羊が 動物が人間の言葉を話すわけがない
『ブヒブヒブヒィー』
現にあの豚共は喋っていない 鳴いているだけだ
「気のせい……『…ァ、オニイサンたち?』」
じゃなかった。目が合った、山羊と。
助けを求める山羊は潤んだ瞳で俺達のことを見つめている。鬱陶しい。
「あの子ブタさん達はアソビ相手ですか?」
拳を握りしめ、赤ずきんは山羊に訊く。
『ブヒィ?』
『ブーブーブゥ』
『ブヒャー』
豚共が鳴いている 興奮気味だ 怒っているのか 泣いているのか 笑っているのか 全く分からん
『タ、タスケテくれる…?』
助けを求める方もさすがに不安になったらしい
「ブーブーじゃ、なにが言いたいのかわかりませんよーアハハハッ♪」
『ブギュゥゥゥウウ!!』
『『ブヒィィィィ!!?』』
三匹の豚共のリーダー格 真ん中にいた豚を蹴り飛ばした
残された二匹の豚共は 一瞬の事すぎてなにが起きたのか状況を理解できてないようだ。
辺りをきょろきょろ見まわし、いなくなった一匹とまるで魔王のように微笑む赤ずきんを見て
『『ブゥヒィィィィ!!』』
逃げるように走り去って行った。
『イタタタ…』
「大丈夫ですか、立てますか?」
ピノキオが虐められていた山羊を助け起こした。
「お前、山羊なのに人間の言葉が話せるんだな」
『メェー、べんきょうシマシタからネ。タスケテくださってアリガトウございますメェー』
カタコトで聞き取りにくい。普通に話せ。
『それにしても、生きた人間のお客様とはめずらしいですメェ-』
「生憎だが俺達は死人だ。お客ってなんのだ」
『知らずに来たんですかメェー?
ぼくはアソコにある竹美姫さまが治める大賭博場【千年魔京】の従業員なんですメェー』
賭博場……ようはカジノか。 そしてこの山羊はカジノの従業員…ディーラーかなにかか。
「赤ずきん、その竹なんとかがお前の狙いか?」
「姫って呼ばれてるなら、そうなんじゃない? お兄ちゃん♪ アハッ」
「そうか」
『オニイサンたちも千年魔京になにか用ですメェー?』
「ああ、今さっき用が出来た」
『でもそれは無理ですメェー』
「なんでだ」
『千年魔京は選ばれしセレブしか入れない、超高級店なんだメェー。
一見さんなら百億テラくらいはいるんだメェー』
この世界の金の単価は知らない、が相当な金額だということは分かった。
「ど、どうしましょう…僕たちお金持ってませんよ?
一文無しですよ?」
言われなくても知っている。さて、どうしたものか
『そんな、オニイサンたちに耳より情報ですメェー。
虐めっ子のブタ三兄弟からタスケテくれたお礼にメェー、特別サービス!
十パーセントオフに「タダにしろよ」
分かりましたメェー、じゃあ三十パーセントオフに「タダにしろよ」
分かりましたメェー、ローションつけま「なんの役にたつんだよ、ソレ」
ぐふっ』
話しの分からない山羊だ。あまり肉弾戦などは好きではないんだが、仕方なく
仕方なく 殴ってしまった。いや本当に 仕方なく 殴ってしまったんだ。
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