恋愛は難しい
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第一章
恋愛は難しい
難波里奈は顔立ちが整っていてしかも性格も愛嬌があって可愛らしい、しかしそれでもだった。
恋愛についてクラスや家で振られるとだ、いつも顔を真っ赤にさせてこう返すばかりだった。
「私そんなのまだまだ」
「早いっていうのかよ」
「そうよ」
家で聞いてきた兄に返した。
「まだ中学生よ」
「中学生でも彼氏いる娘いるだろ」
里奈の同級生でもとだ、兄は妹に返した。
「そうだろ」
「それはそうだけれど」
里奈は兄に困った顔で反論した。
「それでもね」
「御前はか」
「そんなのとても」
その困った顔でまた言い返した。
「本当に」
「そんなのだと招来困るぞ」
「結婚出来ないとか?」
「そこまで言わないけれどな」
それでもとだ、兄は妹に笑って話した。
「変な相手に騙されたりとかな」
「結婚詐欺とか」
「恋愛を知らない奴が騙されるんだよ」
そうした結婚詐欺師にというのだ。
「悪いホストとかにもな」
「私ホストなんて興味ないから」
「そう言ってる娘程はまるらしいな」
「恋愛に疎いと」
「そうだ、だからな」
兄は妹をびしっと指差して言い切った。
「御前は恋愛も勉強しろ、それで知れ」
「そうしろっていうの」
「今のままじゃ絶対に駄目だ」
何も知らないままでというのだ。
「ましてや愛なぞいらぬとか絶対に言うな」
「何処かの聖帝さんみたいに」
「あんな風に捻くれていいのか」
「あれは捻くれ過ぎでしょ」
「ピラミッドのお墓を子供達に造らせてな」
しかも自分は馳走を食い口に合わないとテーブルごと思い切り蹴り飛ばす、まさに傲慢そのものの行動だ。
「そうなりたいのか」
「まさか、というかあんな人にはなれないでしょ」
「核戦争になったらわからないでしょ」
「普通戦争になった時点で死ぬから」
「まあ大抵はそうだな」
兄もそこは否定しない、核戦争になればまずその時点で人類の殆どが死んでしまうのは確実だ。
「普通は。しかしな」
「それでもっていうの」
「恋愛は知れ」
そこは絶対にというのだ。
「いいな」
「そうしないとなのね」
「御前にもよくないからな」
兄として言った。
「だから恋愛も勉強しろ、そして知れ」
「そこまで言うのなら」
里奈も兄があまりにも強く言うので頷いた、そしてだった。
試しに恋愛小説や恋愛ものの漫画を手当たり次第に読んでいった、そうして交際相手がいる先輩や同級生の話を聞いていた、そのうえで恋愛について学んでいったが。
その中である友人にだ、こんな恋愛を妖しい笑顔で言われた。
「恋愛は男の子と女の子だけじゃないのよ」
「っていうと?」
「女の子同士、男の子同士もあるのよ」
「えっ、そうなの」
「そうよ、例えば織田信長さんとか」
あの戦国の英雄はというのだ。
「森蘭丸さんとか蒲生氏郷さんとか前田利家さんとね」
「そうした人達となの」
「同性愛をしていたのよ」
「そうだったの」
「武田信玄さんや上杉謙信さんもよ」
信長と同じく戦国の英雄である彼等もというのだ。
「そうした相手いたのよ」
「嘘でしょ」
「嘘じゃないわよ、歴史でもはっきり書かれてるし」
そうしたことがというのだ。
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