恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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672部分:第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその十一
第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその十一
「そのうえで、です」
「行わせてもらいますから」
「ううん、そこまで言うんならね」
「頼めるか」
馬岱と魏延が二人の言葉を聞いて述べた。
「朱里ちゃん、雛里ちゃん」
「今回はあんた達がやるんだな」
「私達は素手では戦えませんけれど」
「それでも。やり方はありますから」
こう言ってであった。そのうえで孟獲の前に来た。そうしてであった。
「あのですね」
「いいでしょうか」
「何にゃ、パヤパヤのおヘソのゴマは駄目にゃ」
まだ言う彼女だった。
「何があっても」
「何があってもですか?」
「そうにゃ」
意固地な返答であった。
「何があってもそれは駄目にゃ」
「どうしてもですか?」
「それは」
しかしであった。二人はその孟獲にさらに問うのだった。
「孟獲さんって何か」
「そうよね」
そしてだった。二人はここでこんなことを話すのであった。その孟獲の前でだ。
「とても心の広い方だと聞いてたけれど」
「実はそうではなかったのね」
「何ていうか意外と」
「ケチというか」
「にゃっ!?」
自分のことを悪く言われてだ。孟獲の目の色が変わった。
「今何と言ったにゃ」
「えっ、私は別に」
「私もです」
二人はわざとだ。孟獲に顔を向けて述べた。
「別に孟獲さんがケチだなんて」
「言ってません」
「いや、今言ったにゃ」
孟獲は耳はいい。聞き逃す筈がなかった。
それでだ。二人に対してムキになって言い返した。
「美以がケチとは許せないにゃ!そんな言葉は放っておけないにゃ!」
「それじゃあどうしますか?」
「それが許せないとなりますと」
「ええい、それならにゃ」
売り言葉に買い言葉だった。孟獲はここで言い切ったのであった。
「パヤパヤのおヘソのゴマはにゃ」
「はい、それは」
「どうされますか?」
「持って行くがいいにゃ。ただし」
ただしだと。ここでまた言う。
「美以にそう思わせることにゃ」
「孟獲さんをですね」
「そうなのですね」
「手に入れたければ美以を捕まえてぎゃふんと言わせてみるにゃ」
腕を組んで胸を張っての言葉だった。
「それは言っておくにゃ」
「わかりました。それではです」
「そうさせてもらいます」
話は何時の間にか決まっていた。
「孟獲さんを捕まえればいいんですね」
「それでは」
「わかったにゃ。美以は絶対に捕まらないにゃ」
「おい、これで決まったのかよ」
「早いな」
これには馬超も趙雲もいささか驚いた。
「こいつってまさか」
「頭の出来はあれか」
そこからだ。二人も察した。
「袁紹殿のところの文醜とかな」
「鈴々と同じ程度だな」
「どうしてそこで鈴々の名前が出るのだ」
「まあ成り行き上な」
「気にするな」
その張飛にはこう返す二人だった。そしてその時にはだ。
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