レーヴァティン
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第十七話 学術都市その十一
「城の中ちゃんと区画整理してるんだな」
「それでだな」
「日本の町だとな」
久志は自国の町の話もした。
「結構入り組むからな」
「何処の町もな」
「大阪でも神戸でもな」
「形も歪だったりしてな」
「ややこしくなるよな」
「迷路みたいな」
「これってな」
それが何故かとだ、久志は自分から言った。
「壁の中にあるからな」
「街がな」
「だからそうなるんだよな」
「ちゃんと区画してな」
事前に街の建設計画を考えてその通りに街を整えていくからだ。
「こうして奇麗になるよな」
「少なくとも壁の中はな」
「外は知らないけれどな」
「そうなっていくな」
「若しいい加減だと」
その都市計画がだ。
「道も入り組んでな」
「もうゴチャゴチャしてな」
「街や建物もな」
道だけでなくというのだ。
「カオスになるな」
「そう思うとこの街しっかりしてるな」
その都市計画がというのだ。
「行政にしても」
「そうだな、ただ壁で城を囲んでると」
「壁が仕切りになってな」
「そこから拡げられないな」
「その場合は簡単です」
順一はすぐに二人に話した。
「その壁を壊すかそのままにして外にもう一重壁を築くのです」
「ああ、そうすればいいか」
「壁を外に置けばいいか」
「そうすれば確かにいいな」
「街拡大出来るな」
「はい、城塞都市はそうして拡大していきます」
壁を外に築いていき、というのだ。
「あくまで壁が基準なので」
「壁の中が街か」
「欧州はそうだからか」
「はい、これは中国も中東もアメリカもです」
「大陸の方は同じか」
「城塞都市の国は」
「そういうことです」
こう二人に話した。
「この街も大きくなれば」
「今以上にか」
「その時はか」
「はい、外にもう一重出来ます」
その城壁がというのだ。
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