八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十話 明けない夜はないその四
そしてお話の後でだ、僕はホテルに出るとだ。そこで井上さんとダオさんに会った。井上さんから僕に言ってきた。
「これからか」
「はい、飲みに行こうかなと」
「ビールか」
井上さんは僕に聞いてきた。
「それか」
「それかワインかって考えてますけれど」
「ビールはどうだ」
こう僕に聞いてきた、今度は。
「そちらは」
「ビールですか」
「どうだ」
「それじゃあ」
何か強引だと思いつつだ、僕は言った。
「ご一緒させてもらいますか」
「ではな、しかしだ」
「しかし?」
「ビールといえば何だ」
今度はこう僕に聞いてきた、何か僕に探りを入れている感じだなとも思った。そして井上さんは僕にさらに言ってきた。
「ソーセージだと思うな」
「はい、西洋ですと」
「ハウステンボスでもな」
「ここはオランダですしね」
まさに欧州の一国だ。
「そうなりますね」
「そうだな、ではだ」
「ビールとソーセージをですか」
「今から楽しみに行くのだが」
「お二人で」
「君もどうだ」
またしても僕に聞いてきた。
「どうだ」
「はい、それじゃあ」
「三人で行こう」
「さっき沙耶香と話してたのよ」
ダオさんは僕に微笑んで言ってきた。
「ビール飲みに行こうって」
「ソーセージとな」
「ハウステンボスだからね」
「それでとなったが」
「ここで義和と会ったのよ」
こう話してくれた。
「偶然というか何というかね」
「まさか会うとは思わなかった」
井上さんは真剣な顔で言った、その真剣な顔で言ったことが本音であることを示していた。
「しかしそれなら三人でだ」
「ビールをソーセージをですね」
「楽しもう、ビアホールがあったな」
「はい、ここには」
それでも有名な場所だ、やっぱりオランダだからか。
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