【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
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0138話『掘りという名の狂宴 Ver.ルイ』
前書き
更新します。
「……さて、集まってもらって早速だがこのメンバーでルイージ・トレッリの掘りをしてもらいたい」
私は開口一番にみんなにそう話す。
みんなというのは第一艦隊は旗艦は大鷹、そして日向、朝霜、朝潮、照月、江風の六人。
そして第二艦隊は旗艦を阿武隈、そして大潮、霞、ヴェールヌイ、利根に筑摩の六人。
この十二人で輸送連合を組んでもらう。
「……提督よ。別に構わないのだが航空戦艦は私だけでいいのか……? もう一隻いれば安定すると思うが……」
「日向か。それも考えたけど道中と港湾夏姫‐壊の事も考えて航空優勢を取れる大鷹を入れさせてもらった。大鷹、君の真価が発揮するぞ」
「は、はい! 一生懸命頑張りますね!」
大鷹はおどおどとしていたけど、それでももう立派な改二の仲間入りをしているので十分役立ってくれるだろう。
「それにしても、ガチガチな装備にしたな。まぁ仕方がないと思うけどな」
「そうですね江風さん。今回はPT小鬼群が猛威を振るっていますからこその編成装備だと思います」
江風と朝潮がそう話す。
その通り、持てる者は大体が機銃を装備している。
そうでもしないと道中のPT小鬼群の雷撃で大破者が続出してしまうからな。
「大潮、長門さんの艦隊を一緒にしましたけど…正直当たらない事が多かったイメージですね。さすがにテンションもさげさげです……」
「私も……少し嫌だったかな」
大潮とヴェールヌイがそう言って苦手意識を表に出している。
うーん……しかしこうしないといけないしな。
「すまないとは思っている。だけど頑張ってくれ。新たな仲間を救出するために……。
イタリア艦のみんなからはぜひとも救出してほしいと懇願されているからな」
思い出すのは必死に手を合わせてお願いしてくるイタリア達。
それで引くに引けなくなってしまった訳だ。
「リベッチオちゃんも早く来てほしいと言ってたからねー。照月、頑張らないと!」
「提督よ。吾輩達に任せておけ。必ず救出してくるからな!」
「はい。利根姉さんとともに筑摩も頑張りますね」
「わかった。……みんな、出撃してくれ。まだ資材はあるから頑張っていこう!」
「「「了解」」」
それでみんなは出撃していった。
だけどそこから色々と地獄を見る事になっていた。
『提督! 利根さんがPT小鬼群の雷撃を受けて大破しました!』
「利根の装甲を撃ちぬいたのか!? わかった、大潮を護衛に付けて退避させてくれ」
『わかりました!』
それで大鷹は大潮に頼んで利根を退避させていた。
『すまんのじゃ……』
利根がそう言って謝ってくる。
「構わないよ。運が悪かったと思っておこう。しかし……」
やはりPT小鬼群が本当に厄介だな。
攻撃が当たらないのはどうしたものか。
しかしやってもらわないといけないからな。
頑張ってもらおうか。
それでなんとかメンバーを欠いていたけど港湾夏姫は倒すことはできたけどドロップが渋いな。
主に20周回目までは夕雲型駆逐艦が多くドロップするイメージだった。
そんな感じで進めていく。
だけど途中で何度も航空基地隊や艦隊のみんなが疲労がつく事が多々あり休憩もしないといけない事が続いた。
さすがに今回は手厳しいものがありますね。
提督も表面的には表情はまだ大丈夫そうですが、苛立ちが溜まっているのでしょうね。
報告を済ませた後に執務室を出ていくと中からでかいため息が聞こえてくる。
それで榛名さんの声も聞こえてきますのでおそらくですが慰めているのでしょうね。
榛名さんはこういう時に提督の精神的支柱な存在ですよね。
同じ体に宿っているのですから当然ですけどね。
さて、それでは大鷹……まだまだ頑張らせていただきます。
「第二艦隊のみなさん! 道中のPT小鬼群は無理に倒さなくて構いません! ですが避ける事に関しては本気で挑んでください!」
「「「了解」」」
主な大破での退避が多いのはやはりPT小鬼群による雷撃ですからね。
むしろ戦艦の編成の時は不思議と皆さんは避けてくれるのですよね。本当に不思議です……。
それから40周回目を過ぎた頃でしょうか……?
ローマさんがドロップして提督にその事を報告すると、
『イタリア艦違いか……いや、来てくれただけ嬉しいんだけどね。これで二隻目のリットリオとローマの姉妹が揃った訳だし』
提督は二隻目のリットリオさんをロックもかけて大切に取っているんですよね。
いつか活躍するかもしれないし、それに解体するには勿体ないし……との事ですね。
それからまた出撃を繰り返しました。
輸送連合編成ですから資材消費は軽いですけど、それもチリも積もればなんとやらということわざがあるように着々とダメージが蓄積されていきます。
そしてついに50周回を過ぎました。
『50周回目を超えたか……ふふふ、まだまだ50周回目じゃないか。いけるいける……』
《提督!? 表情が少しいけない事になっていますよ!?》
どうやら提督の精神状態はいけないらしいです。
通信越しに聞こえてくる榛名さんの慰めの言葉にもあまり効果が見られないですしね。
これは本腰を入れてかからないといけませんね。
そして60周回目……。
70周回目……。
80周回目……。
90周回目……。
出撃回数はどんどんと積み重なっていきました。
私達も疲労困憊状態が何度もやってきてその度に中継地点の基地の一室で休んでいるのですけど、
「これはもしや100周回を越えてしまうのではないか……?」
「あー……師匠。確かにそうかもしンないっすね……江風ももう疲れたね」
「確かにだらしないわよっていう言葉ももう出せないくらい疲れているわね……」
「そうですね霞。これはヒトミさんの時を思い出しますね。司令官は発狂寸前でしたからあの時は……」
「提督は潜水艦との遭遇率は今までの実績で考えれば低い方じゃからな……」
どうやら皆さんも提督の事を以前から知っているだけあり色々と思う所があるのでしょうね。
やはりE-5海域での松輪さんのドロップの反動が来ているのでしょうか……?
とにかく、
「皆さん、疲労は取れましたか……?」
「万全とはいきませんが朝潮はいけます」
「あたいもいけるよ」
それで皆さんは声を上げていきました。
「それでは提督に連絡を入れますね」
それで私は提督へと連絡を入れました。
だけど提督は出た瞬間に、
『大鷹……ルイは出たかい?』
「いえ、まだ出ていません」
『そうか……そろそろ100周回目を超えてしまうが出るのだろうかね?』
「出る事を祈りましょう。それでは96周回目を出撃してきます!」
『わかった。健闘を祈るよ……』
そろそろ末期状態のようですね。
私も旗艦として頑張っていますけどそろそろ終わりにしたいところです。
そしてもう何度倒したか分からないくらいに港湾夏姫を沈めた時でした。
なにやらいつもよりドロップの時の光り方が違う感じがしました。
そしたらついに、
「Ciao! あたしは、そう、Luigi Torelliよ。そね、トレッリ……。んー、ルイでいいや」
望んでいた子がついに来てくれました……。
私は思わず涙腺が緩くなって涙を流しそうになったのは内緒です。
周りが喜びの声を上げているのでなんとか隠し通せました。
そして提督へと連絡を入れて内容を伝えると、
『そうか……。やっと、来てくれたか。わかった、帰投してくれ。
そして大鷹、よく頑張ったな。みんなにも感謝の言葉を伝えたいけど返ってきたら伝えるとしよう』
「ありがとうございます! 速やかに帰投しますね!」
それで提督との通信を切った後に、
「あの、ルイがなにかもしかしてやらかしちゃった……?」
「いえ。ただ提督や皆さんはあなたが救出されることを一番望んでいたんですよ。
それでは帰りましょうか。これからあなたの帰る家にもなるのですから……」
「うん!」
ルイさんはそれで頷いてくれました。
それでどっと疲れが来て眩暈がしましたけど最後まで踏ん張らないと!
とにかく頑張りました……。
帰ったら少し長いお休みを貰いましょうか……。
後書き
編成・装備さらし。
第一艦隊
大鷹改二 艦隊司令部施設、村田隊、岩本隊、彩雲
日向改 試製41㎝三連装砲(☆6)×2、零観(MAX)、一式徹甲弾
朝霜改 12.7㎝連装砲B型改二×2、QF 2ポンド8連装ポンポン砲
朝潮改二丁 10㎝連装高角砲+高射装置×2、Bofors、2㎝四連装Flak38
照月改 10㎝連装高角砲+高射装置×2、25㎜三連装機銃 集中配備、2㎝四連装Flak38
江風改二 10㎝連装高角砲+高射装置×2、25㎜三連装機銃 集中配備
第二艦隊
阿武隈改二 甲標的、15.2連装砲改(MAX)、25㎜三連装機銃 集中配備×2
大潮改二 大発動艇(八九式中戦車)(☆6)×2、WG42
霞改二乙 10㎝連装高角砲+高射装置×2、特二式内火艇(MAX)、3.7㎝ Flak M42
ヴェールヌイ 10㎝連装高角砲+高射装置×2、特二式内火艇(MAX)、25㎜三連装機銃 集中配備
利根改二 20.3㎝(3号)連装砲×2、紫雲、三式弾、3.7㎝ Flak M42
筑摩改二 SKC34 20.3㎝連装砲×2、夜偵、三式弾、3.7㎝ Flak M42
最初はこんなに盛ってなかったんですけど検証を繰り返していく内に最終的にこんなにガチャガチャな装備欄になってしまった……。
本当にPT小鬼群がうざいのなんので……。
そして長門達の出撃も含めて96周回目でルイが掘れました。
出た瞬間、ガッツポーズをしましたね。
百周を超えないで良かった……。
それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。
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