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レーヴァティン

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第十七話 学術都市その五

「俺は五十五だったぞ、偏差値」
「そんなに変わらないだろ」
「そのそんなに、で変わるだろ」
「ああ、受ける大学の学部とかがか」
「そうだよ、俺と御前も学部違うだろ」
「そういえばそうだな」
 久志も聞いて納得した。
「その二、いや一がな」
「結構以上に大事なんだよ」
「五違うとな」
「かなりだろ」
「そうだな」
 それが学校の偏差値というものだ、厳密な数字としてランクが詳細に決められてしまうのだ。
「それはな」
「ああ、だからな」
「たった二じゃなくてか」
「二もなんだよ」
 偏差値の差はそうなるというのだ。
「そこいいな」
「わかったぜ、何か勉強の話にもなったな」
「学術都市に向かうからか」
「そのせいかもな」 
 こうした話もしつつだ、参院は遂にだった。
 石の城壁に囲まれた街の前に来た、久志はその城壁を見てこんなことを言った。
「これは一緒だな」
「城壁は、ですね」
「この島のどの街も城壁で囲んでるな」
「欧州の趣ですから」
「壁で囲んでるか」
「そうです、それで街を守り」 
 さらにだった。
「区分をして治めやすくもして」
「あと戦争になればか」
「守ると共に」
「市民から戦力を募りやすくしてるんだな」
「そういうことです」
「色々な理由があってのことか」
「その通りです」
「成程な」
 城塞都市のこともだ、久志は完全にわかった。
「政治なんだな、城塞都市も」
「籠ですね」
「人間を集めたそれか」
「そう考えてもいいです」
「そう思うと窮屈だな、城塞都市って」
 城下町と比べると、というのだ。
「欧州も中国もアラビアもアメリカもだけれどな」
「ウォール街ですね」
「壁だからな」
 つまり城塞都市だったのだ、アメリカも初期はそうして街を壁で囲んで守っていたのだ。欧州からの移民がはじまりなのでえ当然と言えばr当然だが。
「そうだよな」
「はい、まさに」
「世界的にはそっちが主流なんだな」
 城下町よりも城塞都市がとだ、久志はまた言った。
「日本独特か」
「戦になれば逃げますね」
「安全な場所までな」
 町人達はそうしていた、攻める方も邪魔なのであえて逃がすに任せて戦見物をさせていた。
「後は関係なしだ」
「しかし他の地域や国々では違い」
「市民も戦争に参加するか」
「必要とあらば、それも考えてです」
「壁で囲んでるんだな」
「そうなのです」
「じゃあ下手したら市民も兵隊さんもまとめて」
「戦死します」
 当然の結果として、という言葉だった。 
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