転生とらぶる
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ペルソナ3
1795話
『あん? 昨日の今日でまたか? 一体何があったんだよ?』
携帯電話の向こう側で、荒垣は不満そうにそう告げる。
まぁ、実際昨日荒垣に会って、色々と話を聞かせて貰ったしな。
それが、昨日の今日でまたとなれば、荒垣が不満に思っても仕方がない。
「こっちにも色々とあるんだよ。それで、今日の午後……そうだな、3時くらいに会えないか? 出来ればどこかあまり人目につかない場所がいい」
昨日は荒垣の迫力で、周囲にいた者達が自然と帰ったが、今回も同じ事になるとは限らない。
だからこそ、出来れば人目のある場所で話したくはなかった。
まさか、人目のある場所でペルソナとかタルタロスとかシャドウとか影時間とか死神とか……そんな事を話す訳にもいかないだろう。
いや、寧ろそうやって話せば、ゲームとかの話だと思ってくれるか?
そうなってくれれば、こっちとしても助かるんだが……その辺り、正直どうなんだろうな。
ともあれ、余計な心配をしない為にも、やっぱり人の目のない場所で……ああ、そうか。
「俺の部屋でいいか?」
『ったく、勝手に話を進めるんじゃねえよ。……しゃーねーな。今回だけだぞ』
「ああ、悪いな」
何だかんだと、荒垣は面倒見がいいよな。
おかん属性とか、そういう感じで。
『……おい?』
「うん? どうした?」
『いや、何でもない。何だか今急に……まぁ、いい。とにかく話は分かった。今日の午後3時くらいにお前の部屋に行けばいいんだな?』
「ああ、そうしてくれ」
それから少し言葉を交わし、電話を切る。
……さて、取りあえず荒垣を呼ぶ事は成功した。
これからどうなるのかは、それこそゆかり次第と言ってもいいだろう。
ただ、荒垣の性格を考えると……ちょっと難しそうな気もするんだよな。
もしそうなったら、ゆかりが自力でペルソナを使いこなせるようになっていくか、それとも桐条か真田に協力を要請するか……
さて、一体その辺りはどうなる事やら。
ともあれ、話が終わったところで俺は特にやるべき事はない。
いや、一応ゆかりに荒垣との件を連絡しておいた方がいいか。
まだ授業中だから、電話じゃなくてメールでいいか。
今日の午後3時から俺の部屋で荒垣と会う事になった……と。
メールを送り終わると、俺がやるべき事はもうなくなる。
取りあえず空間倉庫の中から何冊かの漫画を取り出すと、それを読み出す。
布団は結構高い奴を買ったので、この狭い部屋であっても十分快適にすごす事が出来る。
そのまま漫画に集中していると……やがて、携帯電話が着信の音を鳴らす。
誰からだ? と思うも、俺に電話をしてくる相手はそう多くはない。
実際、携帯に表示されているのはゆかりの名前だった。
「もしもし?」
『アクセル? メールを見たんだけど……あれって本当?』
「ああ。俺の部屋で話をする事にした。で、どうする? 俺が迎えに行けばいいか?」
『そう、ね。出来ればそうして貰えると助かるわ。私はアクセルのアパートに自分で行った事がないし』
「……そう言えばそうだったな」
今までゆかりが俺の部屋に来る時は、俺が転移魔法を使ってやって来ていた。
そう考えれば、大事な事を話しあう今日に限って、普通にやってくるというのは遅刻する可能性もあるので色々と不味いだろう。
「分かった。じゃあ、授業が終わったら電話をくれ。昼飯は俺の部屋で食うか?」
今日は土曜日だけに、授業そのものは午前中に終わる。
それで余裕を持って午後3時としたのだが……
『ええ、そうね。じゃあ昼になったら迎えにきてくれる? 昼食を買って、アクセルの部屋で食べましょう』
「……へぇ、迎えに来るのをあっさりと受け入れるとは思わなかったな。今までは思い切り嫌がってたのに」
『アクセルにそういう事をすれば、喜ばせるだけだと学習したのよ。それに……もう何を言っても無駄だし』
疲れた様子で告げるゆかりだったが、すぐに口調を元に戻す。
『じゃあ、とにかく昼くらいに来てね』
「分かった」
休み時間の短い間だからだろう。ゆかりはその言葉と共に電話を切る。
さて、これから昼までは後2時間くらい。
いや、12時になったからすぐに授業が終わる訳ではない以上、ある程度の余裕はあるか。
それまでは、取りあえず適当にまた漫画を……そんな風に考え、漫画を読む事に集中していると、2時間という時間はあっという間にすぎさっていく。
魔法使いの子供が何故か中学校の教師になるという……何だか、とんでもなく見覚えがあるシチュエーションながら、内容は全く違う――それこそネギと小太郎くらい――というのを読んでいたのだが、再び着信の音で我に返る。
地底から侵略してきたタコ型の地底型火星人とかいう相手と戦っていた続きを気にしながらも、携帯に手を伸ばす。
すると、そこに表示されていたのは予想通りにゆかりだった。
ついでに時間を確認すると、12時24分。
うん、思ったよりも漫画に夢中になっていたらしい。
「もしもし?」
『アクセル? 今、月光館学園から少し離れた場所……ほら、以前アクセルと一緒に影のゲートで転移して貰った場所にいるんだけど、そこまで迎えに来てくれる?』
「……あ」
その言葉に、既にゆかりが学校の校舎から出ているのを悟る。
しまったな、これまでのように学校の校門前で待ってるつもりだったのに。
そうも思ったが、取りあえずその辺りは仕方がないと判断し、口を開く。
「分かった、じゃあすぐに行く」
そう告げ、短く言葉を交わして携帯を切る。
出掛ける準備を整え、玄関で影のゲートに身体を沈めていき……携帯を切ってから、1分もしないうちに俺の姿はゆかりの前にあった。
「すぐに行くって言ってたけど……本当にすぐよね」
どこか呆れたような様子で呟くゆかりだったが、俺はそれに笑みを浮かべてから口を開く。
「さて、それじゃあ昼食を買ってから帰るか。……何を食う? 牛丼?」
先程まで読んでいた漫画の中で、ヒロイン……主人公の教え子――年上だが――が学校の近くある牛丼チェーン店の牛丼が好きだという事を思い出しながら、そう告げる。
……何だか、つくづくネギま世界に似てるよな。
円も牛丼が好きだったな……と思いながら告げたのだが、何故かゆかりからは呆れの視線を向けられる。
「あのね、女の子と一緒に食べるのに、何で牛丼?」
「何となく食いたくなってな。……それとも、他に何か食いたいのがあるのか? コンビニ弁当とかでもいいけど」
栄養とかそういうのは、コンビニ弁当も牛丼も対して変わらないだろう。
それこそ、カップラーメンとかでもいい。
……本格的に調理をするには、台所がかなり小さいから無理だが。
「そうね。まぁ、アクセルがいいならそれでもいいわよ。……出来ればもう少し女の子向けらしい食べ物とかがよかったけど」
「お好み焼きとかか?」
「……そこは、せめてピザにしない? ほら、とにかくアクセルに何を言っても無駄なのは分かったから、牛丼でいいから行きましょ。荒垣さん、だっけ? その人が来るまでに食事は済ませておいた方がいいでしょ?」
「約束の時間は午後3時くらいだから、特に問題はないと思うけどな。……まぁ、ゆかりがそう言うなら、牛丼でも買って帰るか」
「ちょっと、何で私が牛丼を食べたいって事になってるのよ」
そんな不満そうなゆかりの声を聞きながら、俺は影のゲートに身を沈めていく。
ゆかりもまた、何度も影のゲートを使っている為か、特に動揺したりせず、身体を影に沈めていく。
そうして、結局俺はネギ玉牛丼大盛りを、ゆかりはハーブ牛丼とかいうの買って、部屋に戻るのだった。
午後3時近くになる頃、部屋の中にチャイムの音が響く。
昼食も食べ終わり、買ってきたペットボトルのお茶を飲みながらTVを見ていた俺とゆかりは、そのチャイムを聞くと視線を合わせて頷く。
ちなみにTVでは、美味いラーメン屋めぐりとかいうよくある……それでいてある程度視聴率を稼げそうな番組をやっていた。
はがくれ辺りが出ないかとも思ってたけど、残念ながら……少なくても今のところは出る様子がない。
ともあれ、今日最大の目的でもある荒垣が来たのだから、と俺は立ち上がって玄関に向かう。
……これで、実は新聞の勧誘だったりした場合、非常に面倒なのだが。
そんな風に思いながらドアを開けると、そこにいたのは予想通り荒垣だった。
「来たぞ」
「ああ、悪いな。上がってくれ」
「おう。……ほら、これ。差し入れだ」
そう言い、荒垣がコンビニのビニール袋をこっちに渡す。
中に入っているのは、ペットボトルのお茶に、幾つかのスナック菓子。
……本気で気が利くな。
それを受け取り、荒垣を部屋の中に入れる。
「……誰だ?」
そして、部屋の中に荒垣の知らない相手……ゆかりがいるのを見て、微かに眉がしかめられる。
本人にしてみれば、普通に疑問を口にしただけなのだろう。
だが、強面の荒垣なのだから、特にこれといったつもりがなくても、どこか不機嫌そうに見えるのも事実だ。
実際、ゆかりはそんな荒垣の姿を見て少し緊張した様子だったし。
「あんまりゆかりを怖がらせるなよ。ただでさえ、荒垣は強面なんだから」
「……けっ」
俺の言葉に面白くなさそうに反応するものの、荒垣はそれ以上口にしたりせず、部屋の中に入る。
部屋の中には、テーブルが置かれている。
いや、それは考えてみれば普通の事なのだろうが、俺の部屋は狭いのだから、布団を畳んでテーブルがあるだけでも十分立派だ。
……ふと、W世界でロームフェラ財団から……正確にはデルマイユから盗んだ家具の類を使ってみようか? と思わないでもなかったが、一流の家具をこういうアパートの部屋で使うのはかなりシュールだろうと諦めた。
ともあれ、現在俺の部屋では、俺、ゆかり、荒垣の3人が座っていた。
そして、最初に口を開いたのは荒垣。
「……で、アルマー。何だって急に俺を呼んだんだ? そっちの女が何か関係してるのか?」
「ああ、そうだ」
そう頷き、荒垣に対して何と答えようかと迷い……遠回りに説明しても時間が掛かるだけだろうと判断し、口を開く。
「こっちは、岳羽ゆかり。現在、俺とゆかりが2人でタルタロスを攻略しているところだ」
「……何?」
まさか、ゆかりがタルタロスに挑戦しているとは、思わなかったのだろう。
まぁ、見た目は本当に普通――外見はともかく――の女子高生だしな。
「岳羽ゆかりです」
荒垣の視線を受け、ゆかりが頭を下げる。
「お前が、タルタロスに挑んでるのか?」
「はい」
「……それで、俺を呼んだのは何でだ?」
ゆかりを見ていた荒垣だったが、やがてそこから視線を逸らしてそう尋ねてくる。
「このゆかりだったが、昨日……今日か? ともあれ、タルタロスで死神みたいな強力なシャドウと遭遇してな。その時、荒垣が言ってたように死を体験したんだろう。それも、擬似的なものじゃなくて本物の死をな。で、それがトリガーになったのか、ペルソナっぽいのを発動した訳だ。ただ、俺とゆかりはペルソナって奴を本当に見た事がないから、それが本物のペルソナかどうか分からない。だから、その辺を荒垣に聞こうと思ってな」
「……ペルソナを使ったのか? 召喚器もなしに」
「召喚器? 何だ、それは」
「あー……簡単に言えば、ペルソナを召喚する為の補助器具だ。アルマーには言ったと思うが、基本的にペルソナというのは死がトリガーになっている。そこで召喚器……銃の形をしたものを自分に向ける事で、擬似的な死を体験してペルソナを召喚しやすくする……らしい。まぁ、受け売りだがな」
「え? じゃあ、その召喚器がなければ、普通はペルソナを召喚出来ないんですか?」
自分はその召喚器というのがないままで召喚出来た、と。
何故かジト目をこっちに向けるゆかり。
「いや、何で俺の方を見るんだよ」
「当然でしょ。普通に考えて、常識外れの事があったらアクセルに原因があると考えた方がいいんだから」
そう言われれば、否定したくても否定出来ない俺がいる。
良くも悪くも、俺はこの世界で色々と常識外れの存在なのは間違いないのだ。
それが何らかの影響を与えていると言われれば、それに納得せざるを得ないだろう。
「とにかく、ゆかりを庇うように牛の頭蓋骨に鎖で縛られた女みたいな姿をした奴が現れたんだよ。それはペルソナって認識でいいのか?」
「……聞いてる限りでは、多分間違いなくな」
「でも、私の中にイオが……ペルソナがいるのは分かるのに、それを召喚する事は出来ないんですけど」
「その辺りは、召喚器が関係してるんだろうな。……最初の一回は火事場の馬鹿力で召喚したが、それ以降の召喚は難しいといった具合に」
そう告げる荒垣の言葉に、ゆかりは何かを確認するように頷き……やがて、口を開く。
「その、荒垣さんでしたよね。もし良ければ私にペルソナの使い方を教えて貰えませんか?」
「断る」
ゆかりの言葉に、荒垣は即座にそう告げるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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