恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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642部分:第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその一
第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその一
第五十話 タムタム、子供を可愛がるのこと
劉備達は南蛮に着いた。そしてである。
その中を進みながらだ。馬岱が困った顔で言うのだった。
「暑いね」
「南蛮だからね」
黄忠が彼女の言葉に応える。
「それはやっぱりね」
「当たり前なんですか」
「そうよ。南にあるから」
それでだというのである。
「それは我慢しないとね」
「うう、私北で育ってきましたから」
見れば馬岱はぐっしょりと汗をかいている。本当に辛そうである。
「暑いのはどうも」
「北といえば私もだが」
「鈴々もなのだ」
それは関羽と張飛もであった。
「しかし特にな」
「何とも思わないのだ」
「私もだ」
それは趙雲もだった。
「幽州生まれだが。特にな」
「そうだな。特に苦しくはない」
「どうして蒲公英だけそうなのだ」
「しかもだ」
趙雲はここで馬超を見て言う。
「同じ場所で生まれ育っている翠は何ともないようだが」
「あたしは暑くても寒くても平気なんだよ」
「そうなのか」
「っていうか涼州の砂漠ってな」
そこはどうかと。馬超は一同に話す。
「昼は暑くて夜は寒いんだよ」
「はい、砂漠はそうした場所ですね」
「温度差がかなり激しいです」
孔明と鳳統が砂漠について説明をはじめた。
「水がなくて砂ばかりで」
「太陽がなくなるとです」
「気温が急に下がります」
「逆にお昼は太陽のせいで気温が高くなります」
「そう、その通りよ」
神楽が軍師二人のことばに太鼓判を出した。
「砂漠はそうした場所なのよね」
「そういう場所でずっとやってきたからな」
また話す馬超だった。
「別にこれ位はな」
「平気か」
「そうさ。それとな」
馬超はここでさらに話す。
「蒲公英って実は暑がりなんだよ」
「暑がり!?」
「そうだったのだ」
「そうなんだよな。こいつ昔っからな」
「姉様、そんなこと話さないでよ」
馬岱は従姉の言葉に困った顔で返す。
「暑がりとかそういうのって」
「けれど実際にそうだろ」
「それはそうだけれど」
「隠したって仕方ないだろ。御前昔から寒いのは平気でもな」
「暑いのはね」
実際にそうだと話す馬岱だった。
「何ていうか。じりじりとやられる感じで」
「すぐに慣れるぞ」
その馬岱に話すのだ。厳顔だった。
「三日もすればな」
「慣れますか?」
「うむ、慣れる」
そうだとも話す厳顔だった。
「だから安心せよ」
「だといいですけれど」
「とにかくじゃ。行くぞ」
また言う厳顔だった。
「猛獲の宮殿はまだ先じゃ」
「南蛮王の人ですよね」
劉備が言う。
「その猛獲さんが」
「その通りじゃ」
「一体どういう人なんでしょうか」
ここで劉備はその首をやや右に傾げさせた。
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