オズのジュリア=ジャム
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五幕その四
「手伝ってくれるのかな」
「そうさせてもらっていいですか?」
「僕達も」
「お困りみたいですし」
「困っている人達は助けさせてもらう」
「そうするものですから」
「それじゃあ悪いけれどね」
それならというのです、そしてです。
五人も図書館の本をなおすことに参加することになりました、そして皆で図書館の中に入るとその中はといいますと。
とても広い図書館の中がです、もう滅茶苦茶になっていました。あちこちの本が床に落ちて床が見えなくなってさえいました。
その惨状を見てです、かかしは首を傾げさせて言いました。
「どうしてこうなったのかな」
「はい、実はです」
「昨日の夜この町の下でとても大きなドラゴンが歩いていたらしくて」
「それでなんです」
「町全体が揺れたんですが」
「その結果です」
「図書館も揺れて」
そうしてというのです。
「もうです」
「本が落ちまして」
「それで、です」
「こんな風になりました」
「地下のドラゴンがだね」
かかしも事情がわかって言いました。
「この辺りにそんな大きなドラゴンがいたんだ」
「はい、物凄く大きくて」
「何でも野球場位の大きさがあるとか」
「青龍様程大きくはないですが」
「相当に大きくて」
「たまたま町の下に来てです」
そうしてというのです。
「動いているだけで地鳴りがして」
「それで、なんです」
「町が大きく揺れて」
「図書館もこの有様です」
「町は平穏だったけれどね」
木樵はとても奇麗な町のことを言いました。
「奇麗でね」
「朝早くからお昼前までです」
「町の人皆で頑張って奇麗にしました」
「あちこちのお家やお店のものが落ちましたが」
「それをです」
「皆で奇麗にしたんです」
そうしたというのです。
「いや、本当に」
「大変でした」
「それで今度は図書館をって思いましたが」
「ここが特に酷くて」
「どうしようかとです」
「困り果てていまして」
「こんな有様で」
書士の人達は実際に困り果てたお顔になっています、そして。
木樵はふと気付いてです、書士の人達に聞きました。
「あの、町の他の場所は」
「図書館以外のですね」
「他のお家やお店はですね」
「そして施設は」
「そう、そうした場所はどうだったかな」
こう聞いたのでした。
ページ上へ戻る