恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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635部分:第四十九話 馬岱、真名を言うのことその六
第四十九話 馬岱、真名を言うのことその六
次の谷が出て来た。今度は橋自体が消えていた。
「これはだ」
「はい、御願いします」
「是非愛紗さんに」
孔明と鳳統は声をあげた関羽に対して述べた。
「傍の丸太を切って」
「それを橋にしましょう」
「そうだな。それでは」
「ただ。それだけでは不安定ですので」
「丸い丸太一本だけですと」
軍師二人はそこまで考えていたのだった。
「ですから縦にも真っ二つにして」
「それで二本並べて」
こうも言うのだった。
「それでいきましょう」
「それでどうでしょうか」
「考えるな」
関羽も二人のことばには思わず驚嘆の声をあげた。それで言うのだった。
「そうだな。それはいいな」
「はい、それでは」
「それで」
「うむ。それではだ」
関羽は二人の言葉に頷いた。そうしてであった。
彼女はすぐに構えてだ。そのうえでまずはその得物を横に一閃させた。
その直後に跳んだ。驚くべき跳躍力だった。
「はぁっ!」
そしてそれでまた得物を一閃させ縦にも切った。丸太はそのまま落ちていき谷の上に二本並んで落ちた。それがそのまま橋になった。
「これでいいな」
「はい」
「有り難うございます」
こうしてだった。橋ができ一行は二番目の谷も越えたのだった。
そしてであった。彼等は三番目の谷に来た。今度はだ。
「これはまたな」
「そうだよな」
趙雲と馬超が声を顰めさせる。馬超の方がその色は強い。
その二人が見る橋はだ。見れば縄の橋だった。それが一本木と木につながっているだけであった。
孔明と鳳統それを見てまた言うのであった。
「ここはまた命綱です」
「今度は最初に腕力の強い人に行ってもらいたいのですけれど」
「それは何でなんだ?」
馬超が二人に対して問う。
「何で腕っぷしなんだ?」
「はい、綱渡りは手の力だけで行いますので」
「それで」
「ああ、それでか」
ここまで聞いて納得した馬超だった。そうしてだった。
彼女はだ。すぐに自分から手を挙げて言うのだった。
「それなら今度はあたしに行かせてくれ」
「馬超さんがですか」
「今度は」
「ああ。腕っぷしには自信があるからな」
左手を拳にして顔の前で振って右手はその手に添えて話す。
「だからな」
「わかりました。それじゃあ」
「ここは御願いします」
「行って来るな」
こうして今回は彼女が最初に行くのだった。そうしてであった。
この橋も渡ったのだった。また次だった。
四番目はだ。橋はなくだ。泉の上に石が何個かあった。それを見て言うのは黄忠だった。
「ここを一つずつ跳んでなのね」
「そうなのじゃ」
厳顔が答える。
「この谷はそうじゃ」
「それで落ちたら」
「終わりじゃ」
まさにそれだというのである。
「わかっておると思うがこの泉もじゃ」
「毒泉なのね」
「水が口の中に入れば死ぬ」
まさに毒故である。
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