マイ「艦これ」「みほ2ん」
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第66話<因縁の戦い>
前書き
夜空に花火が上がり、いよいよクライマックス。ベンチで見ている艦娘たちにも、熱い攻防戦が……。
「これは紛れもない、スクープでしょ?」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第66話 <因縁の戦い>(改2)
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ひときわ大きな花火がドドンと鳴った次の瞬間だった。
「きゃあ!」
山城さんが頭を抱えて縮み込んだ。なお隣の日向は平然としている。
そのうち大きな花火が連続すると山城さんは、やおら立ち上がって何を思ったのか私のところへ突進してきた。
(おいっ、頭の艦橋はどうするんだ?)
……と思う間もなく彼女は私の身体に思いっきり、しがみついてきた。
山城さんは艦娘だから戦場では大きな音には慣れているだろうに。
(ひょっとして、わざとなのか本気なのか……)
一瞬そう思った。
反対側の日向も同じようにしがみ付いてきそうな気配だったが……大丈夫か。
だが、そんな彼女も花火の轟音には何度かビクッとしたように身体を寄せてきた。
これも意外だった。つまり艦娘といえども聞き慣れていない花火のような不慣れな音には弱い……のか?
もし、そうなら艦娘の新たな弱点? を発見をした思いだ。
すると近くに居た金剛も花火には驚いたようだった。
「Woo、何? アレってまさか敵の新兵器デスか?」
直ぐに比叡がフォローする。
「……違います、お姉さま。確か花火っていうものですよ」
ピンクの浴衣の彼女は余裕顔で答える。意外に比叡が情報を持っていたのか。姉が居ると急にシッカリ者になるんだな。
「あらぁ、花火も良いわねえ」
当然、龍田さんも知っていたか。
「ロマンチック……」
祈るような格好をしたコレは赤城さん。
「あれは兵器に応用出来んのか?」
何を言い出すんだ利根め……ったく無粋なやつだ。
「凄いですね」
「……」
二人の駆逐艦も感動している。
その後ろの祥高さんや北上、青葉さんまで黙って見上げていた。会場全体がしばし花火見物になりそうだ。
気がつけば今夜の盆踊りに出撃した艦娘は全員が私たちのベンチの周りに集まっていた。
浴衣を着ていても長身で美人揃いだから、この田舎町で艦娘たちは目立つ。それは水木しげるロードのような観光スポットであっても例外ではない。
花火の最中でも周りを観察すると微妙に群集が、こちらをチラ見してるのが分かる。
(あ、私の旧友も向こうからチラチラと視線を向けているな)
「……ん?」
誰かが会釈したなと思ったら米子の陸軍の将校だった。私服だから一瞬、分からなかった。家族連れだから境港に官舎か自宅でもあるのかな?
艦娘たちは相変わらず花火に夢中で群集の視線は、まったく気にしていない。
だが……私は自分の身体にまとわり付いている艦娘に声をかけた。
「山城さん、いい加減に、その手を離してくれないかなあ」
結構、強い力で握るから痛い。振り払うわけにも行かないし。
それに対抗しているのか知らないけど無言のまま反対側の日向も急に私の腕を掴んで来た。
(おい日向、お前のそれは確信犯的な対抗意識か?)
「あれ?」
私の声賭けを無視していた山城さん、さっきよりも力が入ってきたぞ。
(腕が……痛いって!)
花火の音や振動が次第に大きくなり大会が盛り上がる。それに合わせるようにして二人の艦娘の握力が次第に加速している。
(この期に及んで、いったいどうした? 二人とも!)
次第に油汗が出てきた。おまけに二人とも人目をはばからずに堂々と腕を掴んでいる。
もはや周りからの自然も単なるチラ見から次第に好奇の目に変わりつつある……見ると私の旧友もニタニタしている。
さすがに祥高さんも異変に気づいたのか呆れたような視線を向けてきた。
(いや、見てるだけじゃなくて、助けて下さいよ)
「バシっ」
フラッシュが光った。
「眩し! ……って、何撮っているんだぁ、青葉さん!」
さすがに叫んだ。
「えぇ? だって司令、これは紛れもないスクープでしょ?」
「違うって! ……それにフラッシュなんか焚いたら、もう余計に目立つじゃないか!」
彼女はニタニタするだけ。
「テイトクゥ、熱いネ!」
赤い浴衣の金剛も茶化す。
「これは、ち、違うぞ」
こんな事態になっているのに盛り上がる花火大会に乗じてか日向も山城さんも全然、手を離してくれない。
まさか酔ってるわけじゃないだろうに……いや雰囲気に酔ったともいえるか。
(あーあ)
もう諦めた。秘書艦が何も言わないんだから仕方ないか。
「航空戦艦、因縁の戦いじゃのぉ」
(何を、悟ったような解説を入れてんだよ、利根!)
「あら、まあ」
「司令も、ほどほどにね」
「……」
龍田さんと北上、そして祥高さんは呆れている。一部、笑っているが……仕方ない、これも任務と思うか。
「司令……大変ですね」
五月雨が呟いている。
(すまんな、五月雨。刺激が強すぎて)
寛代はニタニタしている。青葉の同類か?
だが私はふと五月雨の横に居る小さい子が目に付いた。小学生くらいなんだが妙に肌の色が白い……でも浴衣着ているし。近所の子供かな?
「五月雨、その子は?」
腕の痛みに耐えながら私は聞いた。
「さっき仲良くなりました」
五月雨は、その女の子を見ながらニコニコして答える。なんだか五月雨って保育士みたいだよな。
「ふーん」
その女の子は私と視線が合うとペコリとお辞儀をした。へえ行儀の良い子だな。
そして花火大会は最後の大仕掛けになる。まさに最高潮。ベンチも群集も盛り上る。私の腕も、ギチギチに痛む。
(頼むから二人とも私の腕は潰さないでくれよ!)
「航空戦艦の因縁か……」
私は苦笑した。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。
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