恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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63部分:第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその六
第六話 馬超、曹操の命を狙わんとするのことその六
「馬超をどうするつもりだ?それで」
「決まっているわ。私を暗殺しようとした」
曹操は笑いながら話す。
「それなら。わかるわね」
「そこを何とかしてもらいたい」
関羽は単刀直入に述べた。
「頼む、馬超は悪い奴ではない」
「姉上」
「そうだな」
夏侯惇は妹の言葉に少し頷いた。
「馬超殿に真実を」
「お話すれば」
「二人共。静かにしていて」
だがここで曹操は二人を制止した。
「今は私が関羽と話しているのよ」
「は、はい」
「申し訳ありません」
「朝廷から麗羽の匈奴併合の様子を見るように言われてここに来たけれど」
曹操も多忙であるのだ。そしてその併合の様子については何の問題もなかった。しかしであった。
「まさか刺客に襲われるとは思わなかったわ」
「だからそれだが」
「関羽」
今度は曹操から言ってみせたのだった。
「私にあの娘を助けろというのね」
「そうだ、駄目なのか」
「条件があるわ」
妖しく笑いながら言ってみせてきた。
「それについてはね」
「条件だと?」
「そうよ。その為には」
「その為には」
「私と一晩共にしなさい」
こう言ったのだった。
「私とね」
「それをせよと」
「そうよ。見たところ貴女はまだそうした経験はないわね」
あえて関羽の肢体を上から下まで見回してみせる。そのうえでの言葉だった。
「そうね」
「それはそうだが」
「尚更いいわ。生娘なら余計にね」
「では私が貴殿のものとなればか」
「ええ、それで馬超は助けてあげるわ。それでどうかしら」
「うう・・・・・・」
そう言われてだった。関羽は余計に困惑した顔になった。曹仁と曹洪は妖しく笑う主を見てひそひそと話をはじめた。
「華琳様ってこうしたことをする方かしら」
「いえ、こんなことははじめてよ」
それぞれ顔を顰めさせて話すのだった。
「こうしたことは下衆だとこのうえなく軽蔑されているのに」
「それがどうして」
「二人もよ」
だが曹操はその二人にも言うのだった。
「今は私が関羽と話しているのよ」
「は、はい。すいません」
「それでは」
「いいわね、関羽」
また言ってみせる曹操だった。
「それでいいかしら」
「・・・・・・私が貴殿と褥を共にすれば」
関羽は苦しい顔になった。だがここで意を決して言ったのだった。
「それでいいというのなら」
「わかったわ。では先にベッドに言っていなさい」
曹操は思わせぶりな笑みと共に彼女に告げた。
「私は後から行くわ」
「わかった・・・・・・」
こうして関羽は兵士に案内されて天幕を後にした。曹操は彼女が去るとすぐに四天王に対して声をかけたのであった。
「暫くしたら行きなさい、いいわね」
「いいとは」
「一体?」
「私はここにいるわ」
動かないというのだった。
「関羽を馬超のところに連れて行きなさい。春蘭、貴女がね」
「は、はい」
命じられた夏侯惇が応える。そうしてであった。
関羽は一糸まとわぬ姿になりベッドの中に寝ていた。ベッドは四方をカーテンで仕切られている。天幕の中の曹操のベッドだ。顔は紅潮しこれから起こることに対して身体を震わせていた。覚悟は決めていてもだ。
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