FAIRYTAIL 心を失くした少女
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第2話 妖精の尻尾
前書き
こんにちわこんばんわ! アルト♪です!
誤字などには気をつけているのですが……ありましたら報告お願いします
では、第2話、始まりです。
フィオーレ王国東方、マグノリアの街。
人口6万人程の古くから魔法も盛んな商業都市。
その街の中心にそびえ建つ教会カルディア大聖堂の先にこの街唯一の魔導士ギルド、妖精の尻尾が見えてくる。
「わぁ……おっきいね……」
ギルドの大きさに見上げ、感嘆の声を上げるルーシィ。
「だろ!? ここが、妖精の尻尾だぜ」
「ようこそ、妖精の尻尾へ!!」
ハッピーがギルドの扉を開け、中へとルーシィを歓迎する。
中へ入るとルーシィの想像を超える人の多さとその活気に目を輝かせた。
「わぁ……すごい! (あたし……本当に来たんだ! 妖精の尻尾に……)」
「……嬉しい?」
目を輝かせるルーシィの様子を見つめ、首を傾げながらそう質問を出すシロ。
ルーシィはコクコクッと頷き肯定する。
「うん!! すっごく!!」
「そう……」
「ただいまーーー!!!」
「ただーーー!!!」
扉の前で止まるルーシィを抜き、ズカズカと歩き進むナツとハッピー。
その大きな声にギルドの仲間達はナツたちの帰還に気づく。
「おー! 帰ったかナツ!」
「おーお帰り、どーだったよ? 火竜には会え……「てんめぇっ!!!!」
ドゴォッ!!! ぐぎゃあ!?」
「なんでぇ!?」
帰って早々、一人の男に殴りかかったナツに驚愕するルーシィ。
「てめぇ、火竜の話嘘だったじゃねぇーか!!」
「知るかよそんなこと!! 俺はただ小耳に聞いたことを教えただけだろ!?」
「うるせぇ!!」
ナツの一声がきっかけに周りを巻き込み、喧嘩を始めたメンバーを見つめ唖然とするルーシィ。
そこに……
「あら……ナツ、ハッピー、シロおかえりなさい」
ルーシィの隣から声をかけてきたのは……
白銀の髪を靡かせる女性、魔導士雑誌のトップグラビアアイドルでもあるこのギルドの看板娘“ミラジェーン” だ。
「あい! ただいま!!」
「……ただいま、ミラ……お腹空いた」
「はいはい、今料理持ってくるわね」
シロの相変わらずな一声に苦笑を浮かべながらも頷くミラ。
「キャー!! 本物のミラジェーンさんだぁ!」
「あら? 新人さん?」
「はい! あたしルーシィです! よろしくお願いします!」
ミラに声をかけられ、綺麗にお辞儀をするルーシィ。そんなルーシィを見てクスリと微笑む。
「よろしくね」
ドガッ!!バキッ!!
「うおりゃぁあああっ!!!」
『ぎゃぁあああっ!!!』
ルーシィたちが会話をしている間にもギルド内の乱闘が悪化し、終いには椅子やテーブルが宙を舞い始めた。
「あらあら……ナツが帰ってきたらさっそくギルドが壊れそうね」
「もう壊れてます……!」
ミラの呑気な言葉に頭を抱え飛んでくるものから避けながらツッコミを入れるルーシィ。
その間にも乱闘の波は広がり……
「ナツが帰ってきたってぇ!? てめぇ、この間の決着つけるぞ! コラァっ!!」
青髪タレ目の男 “グレイ” が声を荒らげる。
が……
「グレイ……服」
「はぅあっ! いつの間にっ!!」
何故かパンツ一丁のグレイが通った横で酒を飲んでいた女 “カナ” が注意すると気づいていなかったのか自身の姿に驚くグレイ。
「まったく……これだから品のないうちの男は……はぁ、嫌だわ」
そう不満を零しながら大樽で酒を飲み続けるカナ……その様子を見ていたルーシィは唖然と見つめる。
「くだらん……」
するとまた別の方向から声がし、そちらをふいっと振り返るルーシィ。
そこには腕を組み立つ男 “エルフマン” がいた。
「昼間っからピーピーギャーギャーと子供じゃぁあるまいし……漢なら拳で語れぇ!!」
(えぇー!! 結局喧嘩なのねっ!?)
「「邪魔だっ!!」」
ドゴムッ!!
「ぐはっ!?」
(しかもあっさり玉砕っ!?)
乱闘に参加して早々ナツとグレイに殴り飛ばされたエルフマンを見て呆然とするルーシィ。
すると、また一人違う場所から声が聞こえる。
「ん? なんだか騒々しいな」
その男を振り返るとルーシィは途端に目を輝かせる。
「あっ…… “彼氏にしたい魔導士” 上位ランカーの “ロキ” !!」
が……
スコーンッ!!
飛んできた酒ビンがロキの額に衝突すると……
「混ざってくるねぇ♡」
「「「がんばってぇ〜♡」」」
囲んでいた女性達にそう告げ、乱闘に参加するロキ。
(はい消えたっ!!)
ロキの真の姿を見てショックを受け、ガクリとしゃがみ込むルーシィ。
「な、何よこれ……まともな人が一人もいないじゃない……」
「ルーシィ……」
しゃがみ込むルーシィに声をかけ、目線を合わせるように腰を落とすミラ。
その声にそっと顔を上げるルーシィ。
「確かにめちゃくちゃだけど……楽しいところよ?」
「ミラさん……」
ミラの言葉に少し安心するルーシィ。
だが……
そこへ、ヒュッとミラの方へ酒ビンが飛んでくると、ミラの頭に当たってしまう。
「きゃぁー!! ミラジェーンさぁん!?」
「ね……? 楽しいところでしょ?」
そう言いながらも頭から血をピューと流すミラにガクガクと震えるルーシィ。
(こ、怖いです!!)
頭から血を流しながらも笑みを浮かべているミラに困惑するルーシィ。
「……お腹……空いた」
ミラのプチ流血騒動の間にも乱闘はさらに過激化し……ついには……
「あんたら……いい加減にしなさいよ!」
「アッタマきたッ!!」
「ぬぉおおおおおっ!!!」
「困った奴らだ……」
「かかってこいやぁ!!」
乱闘メンバーの一部、カナ、グレイ、エルフマン、ロキそしてナツの5人が魔法を展開し始めた。そして、それに誘われ他のメンバーも……
「あらぁ……これは、ちょっとまずいわね」
「ちょ、ちょっと……やりすぎよぉっ」
呑気に見つめていたミラの表情にも一瞬の焦りが浮かぶ。
が……
「やめんかバカタレどもぉおおっ!!!」
突如、ギルドの天井に届こうかというぐらいの背丈がある巨人の怒号がギルド中に響いた。
そして、その怒号が響くと喧嘩をしていた全員が動きをピタリと止めた。
(ひぃいいいっ!? でかぁああっ!!!)
「あら? いらしたんですか? マスター」
「マスター!?」
巨人のとても大きな大きな姿に開いた口が塞がらない状態のルーシィはミラのその一言に目を向く。
マスターの登場で乱闘は収まり、各々自身の用事や仕事に戻り始めるメンバー。
だが……
「だーはっはっはっ!! 皆してビビりやがって! この勝負! 俺のか……ピッ!?」
ただ一人声を荒らげていたナツをマスターの拳がまるで虫のごとく潰した。
ナツを沈めるとミラのいる方へ歩み寄ってくるマスター。
そして、ミラの隣にいるシロとルーシィに気がつく。
「んぉ、おかえりシロ」
「うん、ただいま……お腹空いた」
「相変わらずじゃのぉ……む? お主は、新入りかね?」
マスターはルーシィに問いかけるがルーシィはあまりの迫力に口をパクパクとし、声が出ない様子。
だが……
「ふんぬぅぅぅぅ……」
巨人の姿だったマスターの身体が徐々に小さくなっていき……
「よろしくねっ!」
ついにはルーシィの膝下ほどの身長になった。
「えぇええ!? ちっさ!」
彼こそ、ここ妖精の尻尾のマスター、“マカロフ” だ。
「とうっ!」
マカロフはその場で跳躍すると回転しながらギルドの二階の手すりに飛び乗ろうとする。
だが、その途中頭を手すりに打ってしまい地味に痛そうに見える……が、マカロフは何事もなかったかの様に振る舞い、懐から紙の束を取り出した。
「ま〜たやってくれたのぉ貴様ら……見よ、評議会から送られたこの文書の量を」
そう言い、顔を顰めながらマカロフは文書の内容を読み上げ始める。
「まず……グレイ! 「あ?」密輸組織を検挙したのはいいが、その後素っ裸で街をふらつき、挙句の果てには干してある下着を盗んで逃走……」
「いや……裸じゃまずいだろ」
「まずは裸になるなよ」
マカロフはため息をつくと更に続ける。
「エルフマン! 貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行!」
「男は学歴よって言うからつい……」
「カナ・アルベローナ、経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個、しかも請求先が評議会」
「バレたか……」
「ロキ、評議員レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所から賠償請求がきておる」
ここまででもその被害や苦情の多さにはルーシィも呆れていたが……マカロフは大きなため息をついて、決心したように最後の紙を読む。
「そしてナツ……、デボン盗賊一家を壊滅させるも民家を4件も壊滅
チューリィ村の歴史ある時計台を半壊
フリージアの教会の一部を火事に、ルピナス城一部損壊……ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止、更にはハルジオンの港半壊」
ナツへの文書の数にルーシィは口元を引き攣らせる。
(雑誌に載ってたのってほとんどナツだったんだ……)
「そしてシロっ!!」
最後にマカロフはお腹を抑え、俯いているシロに声を上げた。
「う?」
「お主は……お主は……
まぁた食物庫に侵入し食物を漁ったのぉ……倉庫がほぼ空っぽじゃ、空っぽ!」
「……だって、お腹空いたから」
「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ……」
次々と名前を呼び、あまりの怒りのせいか、マカロフの肩が震えている。
「貴様等ァ……ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……」
ギルドメンバー全員が気まずそうにしている。
しかしーーー
「だが……評議員などクソ食らえじゃ!」
そう言い、マカロフは書類を燃やし投げ捨てる。
ちなみに、投げ捨てた物はナツが空中でうまくキャッチし、食べる。
マカロフはギルド中を見渡し、語りかける。
メンバーを見つめる、その姿はギルドのマスターとしての威厳が溢れるものだった。
「よいか、理を超える力はすべて理の中より生まれる……魔法は奇跡の力なんかではない
我々の内にある “気” の流れと自然界に流れる “気” の波長が合わさり初めて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う……
いや、己が魂全てを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。
上から覗いている目ン玉気にしてたら魔導は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」
そう言い終わるとニッと笑みを浮かべ、声高らかに叫んだ。
「自分の信じた道を進めェい!!!
それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!!!!」
『おぉおおおおおおっ!!!!!』
さっきまでケンカしていたのがウソの様に歓声をあげ、肩を組み合い、笑い合っていた。
(これが妖精の尻尾……!)
ルーシィはその光景を見つめ、嬉しさと感動で笑みを浮かべた。
ーーーーー
「はい、ここでいいのね?」
「はい! お願いします!」
メンバーたちのお祭り騒ぎが少し落ち着いてきた頃、ルーシィはミラにギルドメンバーの証、ギルドマークを右手の甲に押してもらい、嬉しそうにマークを見つめる。
「わぁ! ナツー! 見て見てー、妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃったー!」
「ふぅん、良かったなルイージ」
「ルーシィよっ!!!」
ナツとルーシィがコントのような会話を続ける中……
「へぇー、じゃあ火竜ってナツのことだったんだな」
「モグモグ……うん、そうみたい」
「ナツがサラマンダーならオイラはネコマンダーがいいな」
「なんだよマンダーって……?」
「ムグムグ……わからない」
メンバーたちに囲まれハッピーは魚を頬張り、シロもやっとお預けされていた食事にあるついていた。
が……
「てか、シロ? お前それ何杯目だよ?」
「モキュモキュ……10?」
「違うよ、20杯目だよシロ」
「モキュ……おかわり」
「「いや食いすぎだろ!?」」
テーブルに積み上がった料理の消えた皿を見つめまだ食べようとするシロにメンバーは一斉にツッコミを入れる。
「う?」
だが既にシロの前には計21杯目の料理が置かれており……
「うあー!! また暫くギルドで出る飯が簡素になるぞー!!」
「てかちょっとは加減しろよ!?」
「まぁまぁ、いいじゃない……それに、見てて可愛いでしょう?」
声を上げるメンバーを抑えながらそう言うミラの言葉にうっと言葉を詰め、食べるのを止めないシロを見やう。
「ムグムグ……にゅ?」
食べながらメンバーを見上げるシロ。
「「ぶはっ!!」」
所謂、上目遣いをかましたシロのその行動に数人の男が鼻血を出し倒れる。
「えぇぇぇ……なんでぇ」
その光景に呆れるハッピーと……
「……なに?」
訳の分からないシロ。
首を傾げ、倒れ伏すメンバーをちょいちょいとつつくシロ。
「シロ、もうお腹は満足したの?」
「にゅ……もうちょっと……いい?」
ミラの問いかけに顔を上げ、聞き返すシロ。
その言葉に嫌な表情一つせず、にっこりと微笑むミラ。
「えぇ、いいわよちょっと待っててね?」
そういい、カウンターへと消えていくミラ。
ミラがカウンターへと消え、ミラが戻ってくるのを待っているシロ。そこへ……
「なーなー! シロ!! 仕事行こーぜ! もう金なくてよー」
と、ナツが声をかけてきた。
が、シロはミラの料理を待っているところで……
「……後でいい? まだ……ミラの料理食べてない」
「えぇー……しゃーねっ! じゃあ仕事見てくっからそれまでに食べ終えとけよー!」
「シロー、オイラも見てくるねー」
「うん」
少し不満げだったがすぐに笑みを浮かべ、シロにそう告げると仕事を選びに、クエストボードの前へと駆けていくナツとハッピー。
「仕事だ仕事ー! どれにすっかなー」
「んー……あ、ナツーこれなんかいいんじゃなーい?」
少し依頼の内容を見比べていたナツとハッピーは、ハッピーがいい内容の仕事を見つけ、それをナツに手渡した。
「んーっと……へー! 16万Jか! よし、これにするか!」
「あいっ!」
「よし!シロー……」
行く仕事が決まり、シロに声をかけようとナツが声を上げた時……
「父ちゃん、まだ帰ってこないの?」
「!!」
泣きそうな声がナツの耳に届いた。
声の元を振り返ると……それは、今仕事で出ている男の息子 “ロメオ” だった。
ロメオは仕事に行ったきり帰ってこない父、 “マカオ” の事をマカロフに問いかけていた。
「くどいぞ、ロメオ……魔導士の息子なら、親を信じて家で待っておれ」
「だって、だって……三日で帰るって言ってたのに……もう一週間も帰ってこないんだよ!?」
「んー? 確かあ奴はハコベ山の仕事に行っておったなぁ……」
「そんなに遠くないじゃないか! 探しに行ってくれよ!!」
泣きそうな声でマカロフに懇願するロメオだが……
「貴様の親は魔導士じゃろ! 自分のケツも拭けねぇ魔導士はこのギルドに居らんのじゃ! 大人しく帰ってミルクでも飲んでおれぃ!!」
マカロフは冷たくそう突き放した。
その言葉にぷるぷると震えるロメオ……そして
「っ……バカーー!! チクショー!!!!」
マカロフを殴り飛ばし、泣きながら飛び出してしまった。
ロメオの様子を見て表情をしかめるナツ。
ドゴッ!!!
「おいこらナツ!!! クエストボードを壊すなよ!?」
無言で持っていた仕事の紙をクエストボードに埋め込ませると他の仲間の非難も聞かず、荷物を持ち……
「シロっ! 行くぞ!!」
と、半分程食べ進めていたシロに声を掛けた。
「……まだ、食べ終わってな……」
ガシッーーー
「後でいっぱい食わせてやっから行くぞ!」
シロの言葉も聞かず、シロの首根っこを掴み、ナツはギルドを出て行く。
「むぅ……ご飯……」
シロは引っ張られる中、最後まで食事を諦めずギルドを出るまでスプーンを離さなかった……が、ギルドを出るとスプーンを落とすと
「……絶対ご飯、奢る……約束」
と、目の前を歩くナツにそう告げた。
「おう」
ギルドを出て行ったナツとハッピー、シロ。
「マスター……ナツの奴、ちょっとやべぇんじゃねぇのか?」
「ナツの奴……マカオを助けに行くつもりだぜ? そんなことしても、マカオの自尊心を傷つけるだけなのに……」
メンバーの何人かがそうマカロフに告げるが、マカロフは酒を飲みながら片目をギルドの玄関へと向けながら
「進むべき道は誰が決める事でもねぇ……ほっておけ」
と、だけ呟き何をするでもない様子であった。
ギルドを出て行ったナツの後を見つめ、首を傾げるルーシィ。
「ナツ……どうしたのかしら?」
「……うん、自分と……だぶっちゃったのかな……」
「え……?」
カウンターを挟んだ先にいるミラの呟きを聞き、ルーシィは疑問を浮かべながらミラの話に耳を傾け始める。
「ナツも、ロメオ君と同じなの……昔、お父さんが突然出て行ったきり……帰って来なかったの」
ミラはそう言うと皿を洗う手を止め、苦笑を浮かべながらルーシィを見やう。
「お父さん……て言っても、本当の親じゃないんだけどね? しかも竜」
「竜!? ナツって竜に育てられたんですか!?」
「そう……昔、森で拾われて……言葉や文化……魔法なんかを教えてもらったんですって……でも、ある日その竜は突然ナツの前から姿を消してしまったの……」
「そっか……それが、イグニール……」
ミラの語りとナツから聞いていたその名でやっと合点がいった様子のルーシィ。
「ナツはね? いつか、イグニールに会える日を楽しみにしているの……そういうところが、可愛いのよね」
「あ、ははは……」
「……私たち、妖精の尻尾の魔導士たちは……皆何かを抱えている……痛みや苦しみや……悲しみなんかを……私も……」
少し俯き、ぽつりと呟いたミラ……その言葉をよく聞き取れなかったルーシィは「え……?」と、聞き返すが……
「ううん、何でもないわ」
と、苦笑を浮かべ誤魔化した。
ーーーーー
時は進み、ハコベ山へと向かう馬車の中……ミラから話を聞いたルーシィはナツたちと共にマカオ救出へと着いて来ていた。
「でね! 今度ミラさんの家に行くことになったんだー!」
「……そう」
「てか……なんで、ルーシィが……いるん、だ?」
意気揚々に一人、話すルーシィに酔いを起こしながらそう問いかけるナツ。
「悪い? 別にいいでしょ……、あたしだって、妖精の尻尾の役に立ちたいのよ……(それに……)」
ナツの言葉にそう返すと斜め前に座る俯き表情の見えないシロを見つめるルーシィ……
……あの話を聞いたら、もっと……
知りたいって……思っちゃったのよ……
(……シロ)
「……なに?」
「ううん! 何でもないわ」
「……そう」
ルーシィがミラから聞いた話……それは……
ーーーシロには……記憶が無いの……
後書き
はい、ここまでやって肝心な場面次回? という批判はなしでお願いします……
自分もそう感じておりますので……はい
あまりオリ主の言葉が多くないような感じもするのですが……無口無表情な性格ということで……今後、言葉の数は増えていくと思います、と言うか増えます
では、次回、早めの投稿目指します!
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