恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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602部分:第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその一
第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその一
第四十七話 顔良、仲間外れになるのこと
「えっ、曹操さんのところにですか」
「今からですか」
「そうですわ」
袁紹が顔良と文醜に告げていた。彼女の左右は今は田豊達である。後ろにはいつも通り審配がいて彼女を護衛しているのだった。
「使者として。宜しいですわね」
「今度の幽州のことでしょうか」
「それで前以て話しをですか」
「その通り。そのことでしてよ」
まさにそれだと話す袁紹だった。
「華琳には前以て」
「お話しておくんですか」
「何か律儀ですね」
「暫く私達は動けませんわ」
袁紹はここでは少し困った顔になった。
「異民族を落ち着かせることと」
「それとその幽州のことで」
「暫くそうですよね」
「中原で反乱が起こっても」
その時にもというのであった。
「動けませんわ。それを伝えておきますわ」
「ううん、そういえば孫策さんのところも」
「今動けないんでしたっけ」
顔良と文醜はここで孫策のことも話に出した。
「山越を平定して」
「それで御褒美に交州を貰ってその統治をはじめるから」
「私達が動けないとなると」
袁紹はここでは孫策もその話に入れていた。
「中原の有事は華琳だけで対処しなくてはなりませんから。前以てですわ」
「それを考えますと」
田豊がここで袁紹に話してきた。
「今は危険な状況ですね」
「確かに」
沮授も言う。
「何者かが反乱を起こすとなるとこの時にこそですね」
「それにです」
審配も袁紹に言ってきた。その顔を彼女の顔に近付けてだ。
「徐州と益州にはまだ牧がいません」
「徐州に行くのは」
袁紹はその州のことを聞いて難しい顔を見せた。
「無理ですわね」
「はい、四州とその幽州、異民族の統治だけで」
「今は手が一杯です」
田豊と沮授がここでまた話す。
「ですからそこまではとても」
「無理です」
「そうですわね。参りましたわね」
それがわかっているからこそだ。袁紹もそこまでは進出できないのだった。そしてであった。
「華琳はあそこには」
「曹操殿も今は二つの州で手が一杯のようです」
「ですから」
軍師二人が袁紹にこのことを話した。
「孫策殿はこちらと同じ状況ですし」
「徐州には誰も」
「あそこに反乱が起こればどうにもなりませんわね」
袁紹が危惧しているのはまさにこのことだった。
「頭が痛い話ですわ」
「そうですよね」
「そっちも何とかしないといけませんよね」
顔良と文醜も言った。
「じゃあそのこともですね」
「曹操さんに話しておきますか」
「そうですわね。ここは」
少し考えてからだ。袁紹は二人に述べた。
「誰か適当な人がいれば」
「その人を徐州の牧に薦める」
「そのことですね」
「そうですわ。ただし」
ここでだった。袁紹の目の光が強くなった。今度はその顔に嫌悪の色を見せる。
「間違っても宦官達やその息のかかった者は」
「絶対に薦められませんね」
「牧には」
「それは絶対ですわ。最悪でも中立ですわ」
実は袁紹は宦官達と対立する立場にいる。これは曹操も同じだ。
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