機動騎士ナイトガンダム
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戦争
捕虜になってからどれぐらい時間が経っただろうか。
長い拷問の後俺は苦痛に耐えられなくなり侵攻作戦前までのジオン公国の現状やMSについて洗いざらい話したお陰か今日は拷問をする男が現れていない、それどころか今日は豪華にも朝食のパンが置かれていた。ここのパンは冷めていても美味しいジオンにいた頃とは別格な美味しさであった。
それよりもシャア中尉は大丈夫なのだろうか、今回の作戦はドズル司令官の独断だと聞いている。それにもしかしたらキシリアの特別隊が動くって話だ今がどれ程時間が経ったのか分からないけれどこのままジオンによってこの国が滅びるのならば俺もきっと身の安全が保障されるはず。
朝焼けの中かび臭い牢屋で何するわけでもなく暇で暇で仕方がなかったこれならばもしかすると拷問を受けていた方が暇つぶしになったのではないかと考えてしまう。
こんな石で出来た今にも崩れそうな劣化した牢屋など誰でも簡単に抜け出す事が出来るのではないのだろうか……そんなことしてザクがどうなってるか分からないのだから逃げようにもすぐに捕まってしまう、それに軍服を取られてしまってる以上返してもらわなければならない、俺が必死になってやっとMSパイロットになったんだジオンの兵士として、男として戦わないといけないんだ、と言っても戦う事が出来ないのなら俺は戦士じゃない。
はぁ……溜息ばかりが出てくる。
夜も寝静まり眠気の無い俺は木漏れ日を眺めながら今日一日を反省したいた。
やる事が無い俺はこのまま死んでいいのだろうか……いいやだめだ俺はジオンのパイロットだ。
ドンと爆発音が聞こえると兵士が一人牢の鍵を開けては慌しく俺の腕を掴み何処かへと移動する。
格納庫かなにか大きく広い場所にでた。
「待っていたぞ」
白髭の男が立っていた。誰だろうか随分と裕福な格好をしているがまさかこの人がレビル王なのか? その隣にはなにやら姫が男に守られながら立っていた。
「私はレビル、この国の王である」
「敵の親玉が俺に何のようで」
姫を護る男は剣を抜くと俺に刃先を向ける。
「王に無礼であろう、いくら情報を売ったとしても貴様はジオンの兵士いつでも殺せるのだ」
てんぱの男はどうやら俺をよく思っていないらしいがそんな事関係ない、俺からしてみればまったくもって訳のわからない事態になっているんだからすこしぐらい説明してくれてもいいだろ。
レビル王は俺の後ろを指差すと俺はすかさず後ろを振り向く。
「古代から我々ラクロアに伝わる伝説の機械人形ナイトガンダム、これによく似たのを貴様らジオンが扱っている、古代から伝わる機械人形師がどうやらジオンに内通しているらしいが我々にも機械人形の技術ぐらい持っている、だが今現在お前の持ってきたのとこのナイトガンダムしかないのだ」
「ながったるい話は後だ、ナイトガンダムってスペリオルドラゴンと関係しているあれなのか?」
「先代からはこのナイトガンダムが封印を解く鍵と聞いている」
「俺たちジオンもスペリオルの神を信じているが……まぁいいこいつを動かせばいいんだよな?」
「不本意ではあるがそういう事だ」
ジオンを裏切るなど俺には出来ない。ましてや伝説のナイトガンダムに乗るなどと。
騎士は剣をしまうや否や俺の近くに歩いてくると一発頬をグーで殴った。
「貴様のせいでリュウ隊長が死んだんだ俺だってお前の力を借りたくないんだよ」
クソが俺はジオンの兵士だぞそうやすやすと裏切るわけが無いだろうが。
「何を浅はかな考えしているが分からないが俺がこのまま死んでもジオンのきっとキシリアの寄こす部隊によってここは終わる、万々歳なんだよ」
「このぉ」
もう一度逆を殴られた。
だが俺は踏ん張る。ここで殴り返してもいいがそんなことすれば今度こそ死ぬかもしれない。
まてそもそもこいつはナイトガンダムなんだよな、戦争を終結させたスペリオルの使い。ジオンは未だに調整不足のザクを使ってる、もしこのままガンダムが動けば戦況が大きく変わる長いものに巻かれるのも悪くないな。
「分かりました一時的ですよ」
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