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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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584部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十六


第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十六

「姉者、今まで料理をしたことはあるか?」
「いや、ないが」
「そうだ。だからだ」
「華琳様のお料理は食べたことがある」
 話がかなりずれてしまってきていた。
「それでは駄目か」
「それとこれとは話が別ではないのか?」
 夏侯淵はいぶかしむ目で姉に返した。
「食べるのと料理はだ」
「全然違うぞ」
 崇雷も言う。
「全くな」
「そうなのか?同じではないのか?」
「いや、違うからな」
「姉者、それはわかってくれ」
「全くです」
 三人で攻撃を浴びせるのだった。
「まあとにかくだ」
「姉者、一緒に作ろう」
「待ってますので」
 こうしてだった。とりあえず三人で料理をすることになった。そしてであった。
 崇秀はだ。豚骨ラーメンを食べ終えた許緒に対して問うのであった。彼女の隣に座ってだ。
「まだ食べられますね」
「うん、いけるよ」
 笑顔で応える許緒だった。
「充分ね」
「そうですか。では私もです」
「一緒に待つのね」
「そうさせてもらいます」
「春蘭様のお料理かあ」
「召し上がられたことはありませんね」
「ないよ。さっき春蘭様も仰ってたけれど」
 こう正直に話す彼女だった。
「全然ね。ないよ」
「はじめてのお料理ですか」
「壮絶らしいけれど」
「ですから。夏侯惇さんのお料理はです」
 どうかというとなのだった。
「召し上がらないということで」
「そうするんだね」
「まだ死にたくはないですね」
 毒舌はここでも健在だった。
「そういうことです」
「それでなのね」
「はい、それでは今から」
「待とうね」
「兄さん達のお料理は期待できますね」
「そうそう、そっちはね」
「残念なことはです」
 ここでこんなことも言う崇秀だった。
「典韋さんがおられないことです」
「流琉ちゃん今陳留に行かれてますからね」
「だから仕方ないんだよね」
「はい、お仕事ですから仕方ありませんが」
「ううん、それでもね」
「はい、それでも残念なものは残念です」
 とにかくそうだというのであった。
「あの人のお料理も美味しいですから」
「元々料理人だしね」
「勿論曹操さんのお料理もいいですが」
 彼女のもだというのだ。
「それでも典韋さんもです」
「今度食べようね」
「そうしよう」
 こう話してだった。彼等は今は料理を待つのだった。そしてであった。
 厨房ではだ。死闘が展開されていた。
「・・・・・・おい」
「何だ?」
「包丁を逆手に持つか」
「駄目なのか?それは」
「問題外だろうが」
 こう夏侯惇に言う崇雷だった。
 
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