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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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572部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその四


第四十五話 魏延、一目惚れするのことその四

「あらためてな」
「そやな。つまみは」
「これでいい」
 干し肉を刻んだものとそれと木の実だった。
「充分だ」
「酒もこれでええな」
「こうした酒こそ美味い」
「質素なんがか」
「二人ならそれで充分ではないのか?」
 微笑んで言う華雄だった。
「宴なぞしなくともな」
「まあそやな。そやったら」
「飲みなおすぞ」
「ああ、それやったらな」
 張遼は笑顔で応えた。そうしてなのだった。
 二人はのどかな雰囲気の中で飲んでいく。それが今の彼女達だった。
 そしてだ。劉備達はだ。益州の中を進んでいた。
 ここでだ。馬岱が言うのだった。
「お腹空いたね」
「うっ、確かにそうなのだ」
 張飛が彼女の言葉に気付いたように頷く。
「もうすぐお昼なのだ」
「そろそろお弁当食べない?」
 馬岱はここでこう話した。
「もうね」
「そうですね。それじゃあ」
「もう少し行ったら」
 孔明と鳳統も話す。
「何処かに腰を下ろして」
「それでお弁当にしましょう」
「そういえば弁当もな」
 趙雲がふと気付いたようにして言ってきた。
「最近あまり食べていなかったな」
「店に入ったり狩りとかで手に入れたりだったからな」
 馬超も話す。
「弁当ってなかったよな」
「しかしだ。弁当屋というのものだ」
 関羽の言葉だ。
「あれは便利なものだな」
「そうね。お店の外でも食べられるから」
 黄忠も話す。
「適当な場所でね」
「ええ。ただ」
 ここで言ったのは神楽だった。
「ここは中国だけれど」
「それがどうかしたんですか?」
「中国じゃ冷えた御飯は食べないのじゃなかったかしら」
 こう劉備にも言うのである。
「それでも平気なのかしら」
「あれっ、何かおかしいですか?」
 劉備はいぶかしむ顔になった神楽にきょとんとした顔で返す。
「冷えた御飯を食べるのって」
「こっちの世界はいいのかしら」
「そうなんでしょうか」
 ここでミナと月も話す。
「食べ物に関する習慣が私達の世界とは違う」
「そういうことでしょうか」
「少なくとも私達は平気ですよ」
 こう話す劉備だった。
「冷えた御飯でも」
「ううん、そうしたところは違うのね」
 神楽は腕を組んで言った。
「何かご都合的ではあるけれど」
「話を聞けばな」
「そうなのだ」
 ここで関羽と張飛も話す。
「私達の世界の料理は神楽殿のいる世界の私達の時代の料理よりも」
「ずっと進んでいるみたいなのだ」
「ううむ、それもあるしな」
「冷えた御飯も美味しいのだ」
 また冷えた御飯の話にもなる。
 
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