遊戯王ARCーV 宝石商一家の長男が征くデュエルロード
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プロローグ 始めが肝心ってそれ一番言われてるから
前書き
本作は過去に消してしまった作品の再投稿です。
少し残ってる投稿前の下書きを見ながら書き直しているため、過去と同じく不定期投稿になります。
前作を読んでくださっていた方、何の報告もなく作品を消してしまい申し訳ありませんでした。いくつか設定を変えながらも相変わらずの拙い文章ですが、また応援してくだされば幸いです。
「ねぇ、兄さん」
「ん?何かな」
「遊勝塾って知ってる?」
「え?」
何も予定がなくデッキを弄っていた昼下がり。妹の口から出たデュエル塾の名前に思わず顔を上げた。
「いや、だから遊勝塾っていうデュエル塾を知ってる?って聞いたのよ」
「あぁ、知ってるよ。そこの子達とは少し縁があってね。で、その遊勝塾がどうかしたのかい?」
少し縁がある、というのは遠慮してるわけじゃない。この間些細な事件で遊勝塾の子と知り合い、「機会があれば塾に遊びに来てください!」と誘われた程度の関係だ。
「私、その遊勝塾とLDSの対戦に呼ばれたの」
「??わからないな。何で遊勝塾とLDSが対戦なんて?言っちゃ悪いけど遊勝塾は榊遊勝の塾とは言え、LDSと張り合う程の大規模なモノじゃないだろう?」
「最近ウチの生徒がデュエルで襲われて、襲われた奴曰くその犯人が榊遊矢らしいって。理事長はその件の追求、あわよくばそれを口実に遊勝塾を買収しようって考えてるらしいわ」
「………あぁ、成る程」
「?今なんて言ったの?」
「いや、何でもない。で、何でそれを俺に?」
「別に?ただ聞いてみただけ。その知り合いに忠告でもしてあげたら?」
「考えておくよ」
「それがいいわ。じゃ、私は他の二人と当日の話し合いしてくるから」
「わかった。行っておいで、真澄」
そう言って俺は妹ーーー光津真澄を送り出した。
「……で?いるんだろ?」
誰もいなくなった家で一人、虚空に呼びかける。
『なるほど、全部思い出したって事かな?』
かえってきた声は中性的な声。しかし家の中にいるのは俺だけ。
ーーー正確には、「普通の人から見たらこの家にいるのは俺だけ」、といったところだろうか。
「あぁ、今まで忘れてたのが信じられねえくらいはっきりとな。それにしても何でだ?」
『何で、とは?』
「何でこんなタイミングで記憶が戻るのかって事。原作もう始まってんじゃねーか。しかも敵側のキャラクターの兄って」
『僕に言われてもねぇ…』
「まあ主人公に伝手があるし問題は無い…のか?とはいえ時間が無い。行くぞ」
『急だね。行くってどこにさ』
「遊勝塾。今回の一件で遊勝塾側に味方する。アニメで見た時から気に食わなかったんだよあのババアの言い分」
『ついに原作介入ってわけだ』
「あぁ。自分勝手なことは承知で好きにやるさ。ーーー着いてきてもらうぞ、[シャドーミスト]」
『はいはい、マスターの仰せのままに。……記憶が戻ったから仕方ないけど口調変わりすぎだろ君』
今の謎のナニカ、もとい[EーHERO シャドーミスト]との会話から察せると思うが、俺は転生者だ。
今の名前は光津真也、16歳。
親は宝石商。苗字と妹の名前から分かる通り、遊戯王アークファイブのキャラクター、光津真澄の兄だ。
原作においては存在したかどうかも分からないキャラクターに転生したわけだな。まあ主人公にでもなってしまえば大変だからむしろありがたいな。
で、そんな俺は前世で病死した後、気付いたら四方真っ白な空間で変な老人と対面してた。神を名乗るその老人から好きな世界に転生させてもらえると聞いた。理由も、その老人が本当に神なのかも聞き忘れた。
まあ懸念も覚えないくらい大はしゃぎで死亡直前に見ていて続きが気になっていた遊戯王アークファイブの世界へ転生させてくれるよう頼んだ。16年間記憶が無かったのは神様のサービス?なのだろうか…?あ、シャドーミストの精霊が付いてるのは神様が付けてくれたナビゲートで、別に俺が精霊が見える能力を持ってるわけじゃないらしい。
『と話があっちこっちいってる回想の間に支度は出来たみたいだね』
「メタ発言やめーや」
支度は出来た。
さて、いざ原作介入と行こうか!
「お楽しみは、これからだ」
『これまでのキャラでその顔はミスマッチすぎてドン引きだよ』
「うっせ」
締まらないスタートだった。
後書き
こんな感じでまたマイペースに書いていきたいと思います。
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