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レーヴァティン

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第十四話 森を進みその十七

「それこそ」
「もう手あたり次第に」
「それでその実はか」
「はい、そうしたものです」
「今現在の科学の、しかも自分の中だけの知識を万能と思って言っているだけ」
「だから書く本はこれ以上ないまでにつまらなく」
 それこそつまらない本を書く天才とまで言われるまでにだ。
「批判の的とされるのです」
「そんな才能いらないな」
「煽りの才能は凄いけれどな」
 智はその著者のこの方面の才能を感じ取っていた。
「それは」
「そうだよな、読んだ奴激怒させるんだからな」
「そうした煽りの才能はあるみたいだな」
「何かいらない才能ばかりあるおっさんだな」
「全くだな」
「もっと有益な才能欲しいぜ」
「そうした輩を反面教師としてです」
 順一はこうも言い切った、何処までもその著者を否定する。
「この世界でもやっていきましょう」
「自分あのおっさん本当に嫌いなんだな」
「大嫌いですが何か」
 久志にもはっきりと返す。
「いけないでしょうか」
「いや、それがはっきりわかるからな」
「嫌いとですね」
「とことんまでな」
「ああした妄信も人の夢を壊す様な作風もです」
「全部嫌いか」
「しかもその知識が間違っているのなら」
 余計にというのだ。
「尚更です」
「そういうことか」
「そうです、ではあの著者が到底理解出来ない存在にです」
「向かうか」
「そうしましょう」 
 順一は先に先にと二人を案内する、深い森の中を何日も進みその間多くのモンスター達も倒していったが。
 今倒したキャリオンクローラーが結構な量の金塊になったのを見てだ、久志は順一と智に言った。
「十五メートルはあったな」
「はい、大きかったですね」
「一匹だったけれどな」
 二人も久志に応える。
「強かったんだろうな、やっぱり」
「私達ですからあっさりと倒せましたが」
「金塊だからな」
 久志はキャリオンクローラーが倒されてなった金塊から言った。
「だからな」
「ああ、金塊だとな」
 智もそこから気付いた。
「強いモンスターだってことだな」
「強い奴程価値あるものを持ってるだろ」
「この世界だとな」
「だからな」
 久志は今は真剣な面持ちで話した。 
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