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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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556部分:第四十四話 怪物達、北にも出るのことその三


第四十四話 怪物達、北にも出るのことその三

 自分達の方に来た町人に尋ねる。その町人もかなり我を失っている。
 その狼狽した有様でだ。二人に話してきた。
「あの、あそこにです」
「あそこ?」
「前にか」
「はい、怪物で出てるんですよ」
 こう言うのである。
「もう何が何かわからない怪物が二人も」
「怪物に人間の呼び方はあれだろ」
 夜血はそこに突っ込んだ。
「違うだろ」
「一応姿形はそう見えないこともないので」
 こう返す町人だった。
「それで」
「人間の形をした妖怪か?」
 灰人は話を聞いてこう述べた。
「つまりは」
「まあそんなところです」
「そういえばな」
「ああ、そうだな」
 ここで二人は頷き合った。そうして話すのだった。
「審配の嬢ちゃんも言ってたな」
「怪物が二人ってな」
「それか?」
「そうじゃないのか?」
 こう言い合ってだった。前に向かうのだった。
 人ごみを分けてそのうえで前に来た。するとだった。
 そこにいたのは。確かに怪物達だった。
「あら、皆恥ずかしがり屋ね」
「全くね」 
 彼等は周囲が自分達を見て逃げ惑うのを見てこんなことを言っていた。
「私達があまりにも美しいからって」
「見ないようにすることはないのに」
「そうよ。ほら、よく見て」
「減るものじゃないわよ」
 こう言ってポージングまでする。するとだった。
 彼等の周りで大爆発が起こる。恐ろしいまでの破壊力だった。
「ほら、私達の美しさに世界も感嘆しているわ」
「この爆発が何よりの証拠よ」
「あ、あれは!」
「ああ、間違いない!」
 夜血と灰人は彼等とその爆発を見て確信した。
「怪物だな!」
「どう見たってな!」
「おい、そこの怪物!」
「一体何だ貴様等は!」
 それぞれの得物を手に彼等に問う。
「何処から来た!」
「そして何だ今の爆発は!」
「あら、そんなの決まってるじゃない」
「そうよ」
 怪物達は平然としてその彼等に返す。
「私達の美しさを讃えた花火よ」
「今のはね」
「何が花火だ」
「今のはどう見ても違うだろうがよ」
 平然と言い切る怪物達に二人はムキになって言い返す。
「どうやら貴様等」
「この街を破壊するつもりらしいな」
「どうしてそう思うかしら」
「失礼しちゃうわ」
「失礼なのは手前等自身だ!」
「この化け物共が!」
 まさに誰がどう見てもなのだった。
 それで構えて戦おうとする。怪物達もそれを見てだった。
 
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