恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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552部分:第四十三話 劉備、妹達を得るのことその十三
第四十三話 劉備、妹達を得るのことその十三
「私も驚いてますけれど」
「そうなの?」
劉備の今の言葉に驚いたのは馬岱だった。
「あの、そうは見えないですけれど」
「ううん、驚いてるわよ」
「そうかなあ」
劉備の今の言葉に難しい顔にもなる馬岱だった。
「劉備さんって結構」
「まあそこから先は言うな」
趙雲がそれを止める。
「むしろそういうところがいいのだからな」
「それは確かに」
「鋭い者ばかりでは面白くない」
趙雲はこうも言う。
「劉備殿の様な方もな」
「いてくれてなのね」
「むしろ。こうした方だからこそ」
劉備を見てだ。そして言うのだった。
「傍にいたくなるな」
「そうなんだよなあ。不思議にな」
馬超も話す。
「劉備殿の傍にいると落ち着くんだよな」
「そうですよね。何か劉備さんの為にって」
「自然に思えてきます」
孔明と鳳統も話す。
「曹操さんや孫策さんとはまた違って」
「そうした癒しを感じます」
「じゃあ今からね」
黄忠は優しい笑顔で皆に話した。
「姉妹の契りを結ぶのね」
「そうだな」
「それではなのだ」
まずは関羽と張飛が応えた。
「私達三人の新たな門出だ」
「何処かで宴をするのだ」
「それじゃあですけれど」
劉備がだ。丁度前を指差した。そこには。
「あそこにお店がありますし」
「むっ、凄まじいまでに都合がいいな」
「気付いたらあったのだ」
「ええと、トシちゃん感激って書いてますね」
看板を見ての言葉だった。黒い眼鏡の男と中年の男の顔まで描かれている。
「あそこにしますか?」
「いや、止めておいた方がいいわ」
神楽がそれを止めた。
「あのお店はね」
「駄目なんですか?」
「凄まじく不吉な気配がするわ」
険しい顔での言葉だった。
「だから。あそこは」
「そういえば何かあのお店って」
「そうよね」
孔明と法統は怯えた感じでその店を見ていた。
「前に通っただけで」
「そのまま妖術で連れ込まれそうな」
「前を通るだけでも危険ですね」
月も言った。
「あそこは止めておきましょう」
「そうだな。道を少し変えよう」
「そうするのだ」
関羽と張飛も頷いてだった。その店に行くことは止めたのだった。
道も変える。そこは。
「ここからの方が近いですね」
「そうなります」
孔明と鳳統が地図を拡げて歩きながらそれを見ていた。そのうえで他の面々に対して話をするのだった。
「南蛮にはこちらがです」
「近道ですから」
「じゃあそこでいいわね」
馬岱も笑顔で二人の言葉に応える。
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