実家が実家で
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第二章
文化祭の時だ、友人達は彼女にこう言ってきた。
「うちのクラスも出しものするけれど」
「カラオケ喫茶しない?」
「そっちに」
「何でカラオケかっていうとね」
「やっぱりね」
「わかるわよ、うちがカラオケボックスだからよね」
かすみは友人達に笑って返した。
「だからよね」
「そう、カラオケの機械とかもすぐ手に入るし」
「曲も出せるし」
「カラオケのこと知ってるし」
「だからね」
それでというのだ。
「かすみちゃんの協力が期待出来るから」
「それも全面的にね」
「それでなの」
「どうかしら」
「そうね、普通の喫茶店なら」
それならとだ、かすみも言った。中学の文化祭で喫茶店はいささか早いと思うが三年生なのでいいかもとも思いつつ。
「ありきたりでね」
「他のクラスもやりそうだから」
「ここはカラオケにしようって思ったの」
「そう思ってよ」
「かすみちゃんもいるしってことで」
「それでどう?」
「かすみちゃんとしては」
「いいと思うわ、じゃあ機械実家から持って来るし」
その店からとだ、かすみは賛成の意見を述べつつ友人達に言った。
「お店のこともね」
「色々とよね」
「お話してくれるのね」
「そうしてくれるのね」
「そうさせてもらうわ、じゃあね」
当のかすみが賛成してだ、おおよそ決まった。
クラスは文化祭の出しものでカラオケ喫茶をすることになった、これで正式に決まってだった。
かすみが用意をして具体的にどうするか話した、カラオケボックスのことだが喫茶店でも同じと思ってアドバイスをした。
そしてだ、文化祭の日にだ。
喫茶店を開いたがここでだった。
クラスメイト達は彼女のアドバイスを受けてだ、こう言った。
「凄いね」
「細かいところまで色々と」
「何かと教えてくれて」
「助かるよ」
「流石家がカラオケボックスだな」
「わかりやすいよ」
「まあお家のことなら」
それならと言うのだった。
「知ってるからね」
「そうだよね、じゃあね」
「お店開きましょう」
「繁盛させていこう」
「それも楽しく」
クラスメイト達は笑顔で話してだった、そのうえで。
店をはじめた、するとだった。
昼までは順調でだ、賑やかにいったが。
ふとだ、調理場で騒ぎが起こった、その騒ぎは。
「うわっ、生クリームないわよ」
「切れた?」
「そうなった?」
「生クリーム使ったお料理の注文多かったから」
「使いきった?」
「大丈夫よ」
ここでだ、かすみが調理場に来て困っているクラスメイト達に言った。
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