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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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529部分:第四十二話 于禁、事実を知るのことその五


第四十二話 于禁、事実を知るのことその五

「この村はやけに物々しいけれどやっぱり」
「はい、賊に狙われています」
 こう話す楽進だった。
「それでこうして守りを固めています」
「やっぱりね。そうだと思ったわ」
 それを聞いて納得した顔で頷く黄忠だった。
 そのうえでだ。劉備にそっと囁くのだった。
「劉備さん、ここは」
「はい、そうですね」
 劉備の返答は天真爛漫としたものだった。
「あの、楽進さん」
「はい。何でしょうか」
「よかったらここは」
 その山賊を退治することを申し出るのだった。するとだった。
 すぐに詳しい話をすることになった。楽進は一行を村の中に入れた。そうしてそのうえで彼女達に対して今の村の事情等を話す。そしてだった。
「まあそういうこっちゃ」
「大変なの」
 紫の髪を無造作に左右で束ねた威勢のよさそうな表情の青い目の少女と茶色の髪を編んでいる緑の目の眼鏡の少女だ。紫の髪の娘は虎縞のビキニに黒い半ズボンとブーツである。胸がやけに大きい。
 緑の目の少女はピンクの上着に草色の丈の短いスカートと白いソックスという格好だ。その二人もそれぞれ劉備達に名乗ってきた。
「あっ、うち李典っていうんや」
「于禁っていうの」
「李典殿に于禁殿か」
 関羽が二人の名前を聞いて頷く。彼等は今村のある家の中で車座になって話をしている。
「それで今はか」
「そや、曹操様のとこに仕官に行く時にな」
「この村に通り掛かったの」
「そんでや」
「この人達も一緒だったの」
 ここでだ。三人の屈強な男達が出て来た。
 白い道着の褐色の肌の髭の男だ。顎鬚まである。
 そして人間離れしたいかつい顔の大男に最後は赤いシャツの顔立ちはいいが何処かひょうきんな面持ちのヌンチャクを持った男だ。彼等は。
「マルコ=ロドリゲス!」
「柳生磐馬」
「ホンフゥっちゃ」
 それぞれ名乗ってきたのだった。
「うち等益州の方旅してやんやけど」
「この人達とばったり会ったの」
「話してみるといい方々で」
 楽進もこう話す。
「意気投合して旅をしていたのです」
「うち等は曹操様のとこに仕官するつもりやねんけどな」
「この人達もお誘いしたの」
「それはいいことだな」
 関羽は三人のその言葉に笑顔で答えた。
「あの方なら貴殿等を温かく迎えてくれるだろう」
「袁紹殿や孫策殿のところも考えたのですが」
「袁紹さん言うたらあんまりにも独特なお人やからな」
「おっぱいで鰻を掴むのは嫌なの」
 それが大きかったのだった。
「幾ら何でもそれはないやろ」
「それで止めたの」
「まあ正解だな」
 馬超が三人のその言葉に頷く。
「あの人も悪い人じゃないんだけれどな」
「あんまりにも趣味が悪いのだ」
 張飛もそこを指摘する。
「正直あの人の趣味に会う奴じゃないとな」
「お勧めできないのだ」
「それで止めました」
 はっきりと答える楽進だった。
「それで孫策殿ですが」
「あの人なら問題ないんじゃないの?」
「そうだな」
 馬岱と趙雲が言う。
 
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