恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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524部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその十六
第四十一話 周喩、病が治るのことその十六
不意にだ。彼女がこう言ってきたのである。
「何かあったのか?」
「悪い奴でも出て来たのだ?」
「危機を感じている村があります」
こう関羽と張飛に対して話すのであった。
「この近くにです」
「感じ取られたんですか」
「はい」
その通りだとだ。月は今度は劉備の問いに答えたのだった。
「ここから東に一日です」
「一日なんですか」
「はい。一日です」
また劉備に答える月だった。
「どうされますか」
「放ってはおけませんね」
孔明がすぐに答えた。
「それは」
「うん、じゃあ」
鳳統も孔明のその言葉に頷く。そうしてだった。彼女も言うのだった。
「行こう、その村に」
「はい、それじゃあ」
「今から」
こうしてだった。彼女達はその東に向かうのだった。そこでだった。
馬岱がだ。その道中で仲間達に話した。
「ねえ」
「んっ、どうした?」
「何かあったのかよ」
「うん、私達って何かあったらいつも誰かに会ってるじゃない」
こう趙雲と馬超に話すのである。
「だからその村でもやっぱり」
「そうだな。有り得るな」
「その村でもってな」
二人もだ。馬岱のその言葉に頷くのだった。黄忠も劉備に話す。
「若し新たな出会いがあったら」
「はい、その時はですね」
「一体誰になるのかしら」
「楽しみですよね」
そうなったらだとだ。もう期待しているのだった。
そしてだ。神楽がこう話した。
「それにしてもこの国って」
「そうね」
ミナが彼女に応える。
「色々な出会いがあるわね」
「私達もそうだしね」
「そうよね。草薙君のこともあるし」
「私も」
少しずつだ。彼女達も運命を感じだしていたのだった。
だが劉備はだ。明るい顔でこう言うのだった。
「このまま旅が終わるのは寂しいかな」
「寂しいか」
「そうなのだ」
「はい、寂しいですよね」
関羽と張飛にも話す。
「色々ありましたけれどそれでも」
「そうだな。私もそう思う」
「考えてみればそうなのだ」
二人もだ。こう言うのだった。
「長い旅だったが」
「そう思えるのだ、今は」
「帰りもありますけれど」
劉備はまた話した。
「それでもですね」
「また何かあるかも知れないのだ」
ふとだ。張飛はこう話したのだった。
「その村で」
「何かか?」
「多分村は悪い奴等に狙われているのだ」
張飛は関羽にその予測を話した。
「そこで鈴々達が悪い奴等をばったばったとなのだ」
「まあそうだろうな」
関羽もその考えに頷く。
「本当に賊というものは減らないな」
「減って欲しいけれどね」
神楽は少し溜息混じりに述べた。
「私達の世界もね。悪党は多いし」
「私の時代もよ」
「同じです」
ミナと月もだというのだった。そしてだった。
一行は旅立つその中でだ。進んだ。そしてだった。また新たな出会いに向かうのだった。だが誰と出会うのかはだ。まだわからないことだった。
第四十一話 完
2010・10・22
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