恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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520部分:第四十一話 周喩、病が治るのことその十二
第四十一話 周喩、病が治るのことその十二
「その通りだ」
「また一つ善行を行ったのね」
「やったわね、本当に」
「ああ、それでだ」
華陀は二人に対してまた言う。
「次の行く先は」
「待って、その前に」
「また来てくれたわ」
二人はこう言ってきたのだった。
「新たな仲間がね」
「来てくれたのよ」
「そうなのか、また来てくれたんだな」
華陀は二人の言葉に笑顔になった。
「俺達のところに」
「そうよ、三人ね」
「来てくれたのよ」
「三人もか」
華陀は三人もト聞いてさらに明るい顔になった。
「それは何よりだ」
「勿論会うわよね」
「そうするわよね」
「ああ、当然だ」
また答える華陀だった。
「それで彼等は今何処にいるんだ」
「いらっしゃい」
「こっちよ」
二人が自分達の後ろに声をかけるとだ。そこからだった。
三人来た。まずはだ。
瞳のない鋭い顔をした大柄な力士だった。腰に女ものの服を巻き浅黒い肌に得体の知れない雰囲気を漂わせている。背中には刺青がある。
金髪に青い目と女の如き流麗な顔に白い服のすらりとした身体の青年、それと黒いマントに赤いズボンの仮面の大男、この三人だった。
その三人がだ。それぞれ名乗ってきた。
「無限示」
「カイン=R=ハインライン」
「グラントだ」
「そうか、あんた達はどうやら」
華陀はその彼等の目を見てだ。すぐにあることに気付いた。
それでだ。こう言うのだった。
「それぞれ過去があるな」
「過去か」
「それか目指すものがあるな」
華陀は今はカインを見ていた。
「特にあんたは」
「少なくともだ」
そのカインがだ。彼の言葉に応えてきた。
「私は人が真の意味で堕落しない街を作りたい」
「それがあんたの目指すものか」
「そうだ。だが」
「だが?」
「この世界では少し違うようだな」
こう言うカインだった。
「その様だな」
「違うって何がだ?」
「ちょっとね」
「彼は色々と考えてるのよ」
貂蝉と卑弥呼がこう二人に話してきた。
「人が戦いを通じて己を高め合う世界っていうかね」
「そういう世界を目指しているのよ」
「戦いはともかくだ」
華陀はその点については顔を顰めさせた。彼は戦は好きではないのだ。
「しかし己を高め合うのはだ」
「いいことよね」
「そうよね」
「ああ、そうだ」
貂蝉と卑弥呼にもはっきりと答える。
「そのこと自体はな」
「それでさっきお話してね」
「私達の仲間になることになったのよ」
「敗れたのだから仕方がない」
カインはいささか無念そうであったがこう言うのだった。
「この私がな。敗れるとはな」
「あら、強かったわよ」
だがその彼にだ。貂蝉はこう言うのだった。
「私久々にときめいちゃったから」
「私もよ」
卑弥呼も言うのだった。二人共照れた顔でもじもじとして話す。
「グラントさん強くて。痺れたわ」
「強かった」
グラントもそれは否定しなかった。
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