恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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500部分:第四十話 曹操、華陀に会うのことその五
第四十話 曹操、華陀に会うのことその五
「本当にね」
「この国で一番の医者は」
夏侯惇の言葉だ。
「その医者を呼んではどうでしょうか」
「一番ね」
「はい、もうこうなったらそれしかありません」
これが彼女の考えだった。
「それでどうでしょうか」
「ううん、じゃあ誰がいいかしら」
「誰か、ですか」
「そうよ。誰がいいかしら」
彼女は言うことは今度はこれだった。
「誰がいいの?その一番の医者は」
「ええと、それは」
「姉者、それならだ」
夏侯淵は曹操の問いに困った顔になった姉に告げた。
「華陀殿はどうだ?」
「華陀!?あの者か」
「うむ、あの者なら華琳様のお悩みを解決できるのではないのか」
「そうだな。あの御仁しかいないか」
夏侯惇も姉の話しに考える顔になった。
「ここは」
「そうだな。では華陀殿を呼ぶとしよう」
「それで今何処にいるの?」
曹操は彼の居場所を尋ねた。
「人をやって探すのならそれでね」
「はい、では」
「その様に」
二人は曹操の言葉に頷いてだった。すぐに各地に人をやって探そうとした。しかしここでだ。許緒が来て曹操に言ってきた。
「華琳様、お客様です」
「お客様!?」
「はい、何でもお医者さんだとか」
それだと話す許緒だった。
「お名前はですね」
「ええ、名前は?」
「華陀さんといいます」
その彼だというのだ。
「どうされますか?それで」
「好都合ですね」
「そうですね」
夏侯惇と夏侯淵がここで曹操に耳打ちする。
「まさか向こうから来てくれるとは」
「それでは」
「ええ、そうね」
曹操も二人に対して納得した顔で返す。
「それじゃあね」
「会われますね」
「ここは」
「当然よ。それじゃあね」
二人の言葉に頷いてだ。あらためて許緒に顔を向けて言うのだった。
「季衣」
「はい」
「すぐにその華陀を連れて来て」
こう彼女に告げた。
「御願いするわ」
「わかりました、それじゃあ」
「ええ、そういうことでね」
そしてだ。次はだった。
左右の二人に顔を向けて彼女達にも告げた。
「貴女達もね」
「わかりました」
「では外で」
「何かあればね」
その時はと言うとだ。目が鋭くなるのだった。
「御願いね」
「お任せ下さい」
「すぐに駆け付けます」
主の危機には駆け付ける、それは絶対にだというのだ。二人の曹操への忠誠心、愛にもなっているそれはだ。まさに絶対であった。
そしてであった。その華陀が連れられてきた。曹操は彼と二人になって話すのだった。
「貴方が華陀なのね」
「その通りだ」
華陀は明るい笑みで曹操に答えた。
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