ドリトル先生と悩める画家
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第十二幕その三
「絵の具が絵から浮き出ていて」
「筆の後まであって」
「派手な色使いで」
「もう凄いわね」
「こうした絵です」
太田さんは動物達の言葉を鳴き声かなと思いつつ先生にお話しました。
「僕の今の絵は」
「うん、戎祭りの出店だね」
「あの境内を描きました」
実際にというのです。
「画像も撮っていますし」
「それを観ながらだね」
「描いていますけれど」
「うん、いい感じだよ」
「スランプ脱出出来ていますよね」
「出来てるね」
実際にとです、先生は太田さんに微笑んで答えました。
「いい感じでね」
「それは何よりです、それで」
「うん、スランプのことだね」
「今回は脱出出来ましたけれど」
「これからだね」
「またお天気が悪い状況が続きますと」
そうなってしまえばというのです。
「またですね」
「そう、スランプになるだろうね」
「やっぱりスランプになると辛いですから」
それでというのです。
「もう出来るだけです」
「スランプになりたくないね」
「はい」
実際にというのでした。
「もう」
「それならね」
「何かいい解決案がありますか?」
「うん、お天気のことは人ではどうしようもないけれど」
「それでもですね」
「他の場所を明るくすればいいんだよ」
これが先生の解決案でした。
「そうすればね」
「といいますと」
「君のお部屋や着ている服、持っているものの色を変えればいいんだ」
「そうすればいいんですか」
「そう、青空や黄色それに金色もいいね」
「青空にですか」
「明るい青にね、そしてお日様の色のものにすればね」
そうすればというのです。
「いいと思うよ」
「お部屋や服を」
「そうだよ」
「成程、実は今までそうしたことは」
「考えてこなかったね」
「そうでした」
太田さんは先生にこのことをお話しました。
「とても。ですが」
「うん、これからはね」
「そうしたこともですね」
「考えていくといいよ」
「そうすればですね」
「スランプに最初からね」
太田さんがまたなるかと心配しているこれもというのです。
「ならないと思うよ」
「お天気は仕方がなくても」
「そう、お部屋や服、グッズを明るい色にするとね」
「ならないんですね」
「そうしたものはいつも目にするね」
「はい」
「それじゃあね」
先生は太田さんに温和な声で言いました。
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