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ドリトル先生と悩める画家

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第十二幕その一

                 第十二幕  青い空と黄金色の太陽
 先生はこの日太田さんに大学の美術部の部室に案内してもらいました、行く途中に動物の皆はお空やキャンバスを見つつ言いました。
「もう雪もすっかり溶けたね」
「そうよね」
「お天気も晴れていてね」
「気温は低いけれど」
 それでもというのです。
「今日は快適よ」
「この感じだと暫くこの天気が続くね」
「うん、お天気や空気の感じだと」
「そうだね」
 動物の皆は彼等が感じ取ることをお話していきます。
「二月が終わったら三月で」
「三月のはじめはまだ寒いにしても」
「そろそろ春が見えてくるわね」
「このお天気が暫く続いた後で」
「そうなるわね」
「そうだね、太田君にとっては救いの晴れだね」
 先生も青く澄んだお空を見上げて笑顔で言いました。
「このお天気は」
「雨じゃなくてだね」
「晴れなのね、太田さんの場合は」
「そうなのね」
「そうなるね」
 部室に行く途中の道を歩きながらお話をするのでした。
「まさに。じゃあ今からね」
「太田さんの絵をね」
「観るのね」
「スランプを脱出した絵はどんなものか」
「これから」
「そうだよ、果たしてどんな感じかな」
 先生は少し微笑んで言いました、左右の木々にはもう木の葉はなくて空気は澄んでいて草は霜が溶けています。アルファルトやコンクリートも見ているだけで冷たそうです。
「太田君の今の絵は」
「あの人の絵は独特だね」 
 チーチーが言いました。
「絵の具を沢山使って色使いもはっきりしてて」
「描き方も戦っている感じだし」
 ポリネシアは先生の横を飛んでいます。
「キャンバスとね」
「描くの速いね」
 それこそとです、ダブダブも言います。
「筆の動きも」
「まるで短距離ランナーだね」
 ジップが見たところです、太田さんの描き方はそう見えるのです。
「それかチーターさんか」
「動きが止まらないのはそうね」
「実際によね」
 チープサイドの家族もお話します。
「太田さんの筆は一旦動くと」
「もう中々止まらないわ」
「まさに格闘」
「あの人の描き方と絵のj感じは」 
 オシツオサレツは先生の横で前後の頭で言いました。
「並のスポーツじゃないね」
「カロリー消費も凄そうだよ」
「本当にスランプだったのかしら」
 ガブガブは太田さんのこれまでの描き方、それに積極的に動き回っていたのを思い出して考えるのでした。
「あの人は」
「ご本人が言うにはそうなんだろうね」
 老馬は太田さんご自身の発言から述べました。
「やっぱり」
「ううん、じゃあスランプを脱出した絵はどんなのか」
 最後にトートーが老馬の背中から言いました。 
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