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ドリトル先生と悩める画家

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第十一幕その九

「やっぱりね」
「そうだよね」
「日本じゃないですね」
 この国の皇室の方々はとです、トミーも言いました。
「イギリスもそうですし」
「絶対にないね」
「そうよね」
 チープサイドの家族はベビーカステラをついばみつつお話しています。
「特に日本の皇室なんて」
「有り得ないわよ」
「この国の皇室って生活厳し過ぎない?」
 ガブガブはクレープ、チョコレートとバナナのそれを食べてその味を楽しみながら言いました。
「あれも駄目、これも駄目な感じで」
「イギリス王家よりもずっと質素みたいだし」
 チーチーはいか焼き、生地のそれを食べています。大阪名物ですが神戸にあるこの神社の出店にも出ているのです。
「規律も厳しくて」
「服装もいつもぴしっとしてて」
 トートーは甘栗を楽しんでいます、天津甘栗の皮を破ってその中をついばんでいます。
「砕けたところがないね」
「こんなところに来られるとかね」
 ダブダブはたこ焼きをはふはふと食べています。
「有り得ないよね」
「そんな砕けたお家じゃないわね」 
 はっきりとでえす、ポリネシアは言いました。煎豆を食べつつ。
「絶対に」
「そんな筈ないし」
 ホワイティはお好み焼きの端を齧っています。
「神社に参拝されても」
「お伊勢さんとかに行かれてるね」
 ジップは先生と同じく焼きそばを食べています。
「けれど出店には」
「それじゃあ神社に行く楽しみがないんじゃ?」
「そうだね」
 オシツオサレツはたい焼きを二つの頭で食べています。
「そんなのだとね」
「出店に行かないと」
「そう思うと」
 老馬は回転焼きを食べつつ言うのでした。
「皇室の方々も大変ね」
「僕みたいに出来るのなんて」
 王子は焼き鳥、先生が差し出してくれたそれを食べつつ言うのでした。
「幸せかな」
「そうだね」
 実際にとです、先生は王子に答えました。
「日本の皇室の教育、王子のお国の王室の教育はそれぞれだけれど」
「日本の皇室と違って出店にも行けるのは」
「そしてそこの食べものを食べられるのはね」 
「幸せだね」
「そう思うよ」
「日本の皇室の方々はどの方も立派だけれど」
「やっぱり厳し過ぎるね」
 先生から見てもです。
「ちょっと歴史が違うし王室じゃなくて皇室でね」
「皇帝になるね」
「その意味でもどうしても厳しい教育になるけれど」 
 それでもというのです。
「王子にとってはね」
「僕の国の王室教育が合っているんだね」
「そう思うよ」
「うん、日本の皇室にいたら」
 とてもというのでした。
「僕は困っていただろうね」
「そうだろうね」
 こうしたことをお話してでした、皆でお祭りを楽しんでいました。そしてお祭りの中でふとでした。先生達のところにです。
 太田さんが来ました、太田さんは先生ににこにことして声をかけてきました。 
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