恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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462部分:第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその八
第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその八
「私達それがわかる方法を知りたいのに」
「勘でわかるなんて」
「恋の勘は当たる」
ここでも言う呂布だった。
「外れたことがない」
「その通りなのです」
また腕を組んで自信たっぷりに言う陳宮であった。
「恋殿の勘はまさに百発百中なのです。恋殿の弓の腕と同じなのです」
「そういえば呂布は弓の名手でもあったな」
「そのこと聞いてるのだ」
これは関羽と張飛だけでなく誰もが知っていた。
「しかし。勘がそこまで凄いとなると」
「若しかして軍師はいらないのだ?」
「そ、そんなことはないのです」
陳宮は張飛の今の言葉を必死に否定しようとする。
「ねねはちゃんと。呂布にとってかけがえのない」
「そう。ねねは大事」
ここで呂布も言った。
「恋の。家族」
「恋殿・・・・・・」
「かけがえのない家族」
こう言うのである。
「必要。離れられない」
「その通りなのです。だからこそねねは恋殿の為なら火の中水の中なのです」
「お互いに幸せなんですね」
劉備はそんな二人のやり取りを聞いてにこりと笑って述べた。
「呂布さんと陳宮さんは」
「幸せなのですか!?ねね達は」
「はい、お互いを信頼し合って大事に思えるのは幸せです」
まさにそうだというのである。
「ですから。御二人はとても幸せです」
「そう、恋は幸せ」
実際に言う呂布だった。
「ねねがいてくれて。幸せ」
「ねねもです」
そして陳宮もだった。
「呂布と御会いできて一緒にいられて。幸せなのです」
「その幸せ、永遠に続くといいですね」
劉備はここでもにこりをしている。
「御二人が」
「そうですね。それじゃあ」
「西瓜、買いましょう」
話が一段落したところでだ。孔明と鳳統が言ってきた。
「あちらのお店で」
「その黄色い西瓜を」
「恋も一緒に行く」
呂布はこう言うと席を立った。
「見分ける。その西瓜を買う」
「かたじけないな」
「では早速なのだ」
関羽と張飛が頷いてだった。一行は呂布が選んだその西瓜を買った。それ自体はすんなりと終わった。だがそれからであった。
店を出たところでだ。劉備が言うのだった。
「あっ、あれ」
「あれ?」
「はい、あのお店です」
こう呂布に答えながらさっきまでいた喫茶店の左手にある店を指差す。その店は土産ものを扱っている店だった。そこだったのだ。
「あのお店に行きませんか?」
「そうですね」
「何か面白いものがあるかも知れませんし」
孔明と鳳統がそのことに頷いた。
「行きましょう」
「二人で」
「よし、それなら」
「今から」
こうしてだった。一行はその土産ものの店に入った。その時だった。
関羽はふと呂布の方天画戟を見た。その刃の付け根にだった。
「待て、呂布」
「何?」
「前にあった犬の作りものはどうしたのだ?」
「赤兎のあれ?」
「ああ、あの犬の名前だったか」
関羽はこのことを思い出して頷いた。
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