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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1751話

 嘲笑する虐殺者。
 それは、少し神話に詳しい者であれば、すぐに何を示しているのかを理解するだろう。
 ましてや、トレーズであればそれに当たりを付けるのは難しい話ではない。

『嘲笑する虐殺者……? それは……』
「俺の事は既に色々と情報を入手してるんだろう? 例えば、バルジを奪ったのが俺だったり……エンデュミオンの鷹として、トレーズ派に協力していたのが俺だったり……って具合にな」
『……なるほど。やはりそういう事だったのか。では、マリーメイアを……私の娘を助けてくれたのは、やはり……』
「ああ、俺だ。デキム・バートンの方はともかく、マリーメイア・バートンの方はまだ小さくて、自分で判断出来るような年齢じゃなかったしな」

 原作でもマリーメイアはまだ子供だったのが、今はそれよりも1年前だ。
 そう考えれば、マリーメイアを殺すのは色々と忍びない。
 ましてや、俺も養子ではあっても子供を持つ身。
 ラピスとそう年齢が離れていないマリーメイアを、見捨てる事が出来る筈もない。

「さて、そんな訳で……お前の娘を助けたんだ。それを恩に着てくれるのなら、そのまま降伏してくれると嬉しいんだがな」
『ありがたい忠告だが……それは、出来ん』

 迷う様子もなく、トレーズはあっさりとそう告げる。
 向こうにとって、それは譲れない一線なのだろう。
 だが、だからといってこっちもそれをあっさりと許容出来る筈もない。

「父親を得たばかりの娘を、悲しませるつもりか?」
『そうしたくはないが……それでも、それが私の結末であれば、受け入れる必要があるだろう』

 ちっ、妙に頑固だな。
 ゼクスやノインはあっさりと負けを認めて降伏したのに。
 厄介だな。
 だが、このままトレーズを殺すという選択肢は、色々と悪手でしかない。
 だとすれば……戦闘力を失わせる必要があるか。

「そうか、ならお前をこれから戦闘不能にする。それなら負けを認めるな?」
『戦闘不能、か。……そうだな。これ以上戦えなくなるのであれば、こちらも負けを認めざるを得ないだろう』
「言ったな?」
『言ったとも』
「なら……すぐに戦いを終わらせてやるよ!」

 その言葉と共に、ツイン・ドライブ、エナジーウィングを使って、一気にトールギスⅡとの間合いを詰める。
 トレーズは持っていたドーバーガンを落とし、右手にビームサーベルを構えてこちらを待ち受けていた。
 それは、騎士道や貴族らしいエレガントな行動と言えるのだろう。
 だが、この場合それは半ば自殺行為に等しかった。
 T-LINKシステムを使って右前のヒュドラを操作し、その先端から伸びているビームサーベルを振るう。
 ビームライフル兼用のビームサーベルだけに、1つのヒュドラから伸びているビームサーベルは3本となる。
 おまけに、そのビームサーベルの出力はニーズヘッグの動力炉から直接エネルギーを貰っている為、威力はトールギスの物より強い。
 それが3本なのだから、トレーズにとってそれをどうにかするのは難しい。
 ……それでも、受け流すようにビームサーベルをやりすごした辺り、トレーズの操縦技術は一級品と言ってもいいのだろう。
 だが……

『……何?』

 驚愕の声を上げるトレーズ。
 当然だろう。ヒュドラの一撃を回避したと思った瞬間、手足と頭部を一瞬にして切断されたのだから。
 胴体だけが、そのまま地上に向かって落下していき……やがて地響きを立てて地面にぶつかる。
 それを見ていたトレーズ派の面々が、動揺でMSの操縦をしくじり、何人かがメギロートやバッタ、シャドウによって撃墜されたのは……トレーズ派としては当然の事だったのだろう。
 トレーズ派は、その名の通りトレーズというカリスマに惹かれて集まってきた者達の集団だ。それこそ、中にはレディ・アンのような狂信者と呼ぶべきトレーズ信者もいるのだが。
 ともあれ、トレーズ派の者にとってトレーズというのは色々な意味で自分達の精神的な主柱だ。
 ましてや、自分達ではどうにも出来なかったメギロートを相手に、何機も撃墜していた。
 そんなトレーズが、それこそ一瞬で俺によって手足と頭部を切断されたのだから、それこそ見ていた者にとっては信じられなかったのだろう。
 ……まぁ、シャドウミラーの技術の粋を結集して作られたニーズヘッグと、W世界の中でも性能は上の方でもウイングゼロやエピオンに及ばない程度の性能のトールギスⅡだ。
 戦えばどうなるかなんてのは、それこそ考えるまでもなく明らかだっただろう。
 ましてや、ニーズヘッグはT-LINKシステムにより俺の意志通りに動き、反応速度に追いつかないなんて事もない。
 だからこそ、右前のヒュドラの一撃を防いだと思った瞬間、左前のヒュドラの先端から伸びたビームサーベルで呆気なく手足と頭部を破壊されてしまったのだろう。
 もっとも、機体の性能云々以前にニーズヘッグは色々な意味で特殊なシステムを多く搭載している。
 それを初見で全て見破るなんて真似は、基本的にはまず不可能と考えてもいいだろう。
 落下していくトールギスⅡの胴体を、T-LINKシステムを使って生み出したグレイプニルの糸で確保する。

「さて、この状態でも聞こえているな? これで戦闘前に言った通り、トールギスⅡを無力化して確保した。……大人しく降伏してくれるな? この期に及んで、まだ降伏をしたくないなんて、エレガントじゃない真似はしないよな?」
『くく……そうだな。私の完敗だ。君に勝てるとは思っていなかったが、それでももう少し対抗出来るとは思っていたのだが……それがアクセル、君の本気か?』
「そうだな。……まぁ、本気と言えば本気か」

 正確には、ニーズヘッグを使う事でようやく本気を発揮出来るというのが正しいのだが、トレーズの言葉も決して間違ってはいないだろう。

「それより、降伏を認めるのなら早いところオープンチャンネルで降伏を宣言したらどうだ? お前が降伏を宣言するのが遅くなれば、その分だけトレーズ派の兵士は死んでいくぞ」
『分かった。……皆、聞いてくれたまえ。私はトレーズ・クシュリナーダ。トレーズ派を率いている者だ。残念だが私は我が友アクセルとの戦いに敗れてしまった。よって、ここに降伏を宣言する。皆、戦いを止めよ。既に戦いは終了したのだ。これ以上、無駄に命を落とす必要はない』

 その宣言が、戦場に響き渡る。
 そして、トレーズ派の兵士達はトレーズの言葉を受け入れ、戦闘を止めていく。
 普通であれば、降伏を認められないとして戦闘を続けるような奴がいてもいいようなものだが……こうして見る限りだと、全員が戦闘を停止しているように見える。
 勿論本当の意味で全員が納得している訳ではないのだろう。
 事実、アハトのような奴もいるんだろうから。
 ……そう言えば、レディ・アンはこの戦場にいたが、アハトはどこにもいないな。
 もしくは、俺が遭遇していないだけかもしれないが。
 ふと気になって背後を……先程レディ・アンが突っ込んでいった方を見ると、そこでは予想通りにレディ・アンがリーオーで地上に着地し、戦闘態勢を解除していた。
 にしても、結構な距離を引き離したと思ったんだが……いや、レディ・アンをスルーした後で結構トレーズと話していた事を考えれば、これくらいは不思議でも何でもないか。

「さて、取りあえずトレーズ。お前は連合軍に連れていくぞ。今回の件にどう落とし前を付けるのか、それを考える必要もあるしな」
『ああ、勿論だ。……レディ。皆を頼むよ』
『トレーズ様! ……分かりました』

 そんなやり取りが、トレーズの乗っているトールギスⅡを通じて聞こえてくる。
 トレーズ教の狂信者だけに、トレーズを連れていかせない! とか言って攻撃を仕掛けてくる可能性も考えていたんだが……そんな事がないようで何よりだ。
 もっとも、もし攻撃を挑んできてもリーオーの持っている武器程度ではニーズヘッグの持つ幾重ものバリアを突破は出来ないだろうし……そもそも、ニーズヘッグに当てる事すら難しいだろう。
 小型の機体だけに……ああ、でもW世界のMSというのは基本的に小柄なんだよな。 リーオーは一応ニーズヘッグよりは大きいが、それでもSEED世界のMSよりは小さい。
 ……KMFとか、エステバリスとかに比べると圧倒的に大きいんだが。
 もっとも、それでもニーズヘッグの全長が15m程度であるのを考えればリーオーよりも小さいのは確かだ。
 その上、動力炉が3つもあるのを考えると、小型で高性能、高機動というのを地でいってる感じだ。
 まぁ、現在の状況で下手に攻撃をした場合、それこそニーズヘッグが持っているトールギスⅡの胴体部分が被害を受ける可能性があるのだが。
 半ばトレーズを人質に取ってるような感じだな。

『アクセル』

 早速連合軍の陣地に向かおうかと考えていると、不意にトレーズからの通信が聞こえてくる。
 ……手足や頭部を失ったのに、よく通信とかの機能が生きてるな。
 そんな疑問を抱くが、トールギスは元々頑丈に出来ている機体だしな。
 接触通信の方が楽だろうと、グレイプニルの糸を外して手でトールギスの胴体を持ち上げる。

「何だ?」
『よければ今回の戦いが終わった後で、マリーメイアに……娘に会って貰えないだろうか?』
「そうだな、構わないぞ。ホワイトスターと繋がった以上、こっちも特に急ぐような事はなくなったし」
『そうか。……これから、私はそう簡単に会う事は出来なくなるだろうからな。そう考えれば、私としても助かる』

 そう思うのなら、最初からオペレーション・サンライズなんて馬鹿な真似をしなければよかったものを。
 元々連合軍に俺達シャドウミラーが加わっていた状況で、戦力的には圧倒的にこっちが有利だった。
 ましてや、連合軍はMDを戦力として用意していたのだから、有人機を主とするトレーズ派であってもどうにもならないというのは分かったいただろう。
 だが……それでも、こうして戦いを起こしたのは、本人が口にした通り戦いの悲惨さを世界中に見せつける為だった訳だ。
 ……もっとも、今回の戦いの映像は世界中に……いや、宇宙にも流れていた筈だ。
 当然メギロートに貪り喰われているかのようなトレーズ派の映像も流された筈であり、戦争の悲惨さを見せつけるという意味では立派に役割を果たしたと言えるだろう。
 ただ、今回の場合は戦争というよりは未知の存在に襲われたトレーズ派……という言い方の方が正しかもしれない。
 MS同士の戦いであればまだしも、トレーズ派のMSが襲われていたのはMSでも、ましてやMDでもなく……甲虫型のメギロートなのだから。
 他にも後半になればバッタも出て来た。
 一応人型のシャドウは出て来たが、それも数自体はどうしてもメギロートやバッタに比べれば少ない。
 外部武装追加ユニットのファブニールを装備していた機体がいなかったのは……恐らく、レモンがある程度こちらのW世界について考えたというのが大きかったのだろう。
 まぁ、ファブニールの場合はドラゴンをモチーフにした感じの機体なので、そういう意味ではエピオンを知ってるだけに多少はマシだったかもしれないが。
 ……何にせよ、このW世界にはMAがないというのが大きいよな。
 大抵のガンダムにはMAという存在がいるんだが、このW世界にそういうのはない。
 それだけに、人型ではないメギロートやバッタはどうしても目立つ。
 もっとも、人型ではないというのであればパイシーズやキャンサーも同様なんだと思うが。
 MAとMSがごっちゃになってる感じだな。
 そういう意味では、SEED世界と同じか?
 向こうでも何故かバクゥとかラゴゥとか、俺が知ってるガンダム系の世界であればMAと判断されてもおかしくない機体なのに、MSの扱いだしな。
 ともあれ、そんな風に考えながら連合軍の陣地に向かおうとすると、綾子のトールギスがこちらに近付いてきているのが見えた。

「どうしたんだ?」
『いや、一応護衛にね。……その心配はいらないと思うんだけど』
「分かった、じゃあ頼む」

 綾子の言葉通り、もし誰かがトレーズを取り返そうとして攻撃してきても、ニーズヘッグのバリアの内側にいるトールギスの胴体を奪う事はまず不可能だろう。
 だが、それでも様式美的に護衛の1人や2人いた方がいいだろう。

『トールギス……か』

 接触通信でトレーズが呟いている声が聞こえてきた。
 まぁ、色々と思うところがあるのだろう。
 トレーズにとっても、自分がⅡに乗っているんだし。
 そんな風に考えながら、連合軍の兵士によって武装解除されていくトレーズ派を眺めながら連合軍の本陣に向かい……到着したそこには、ヴァイスセイヴァーを始めとしてシャドウミラー幹部の機体が揃っているのに驚くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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