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生徒会”執行部”と”捜査部”  ~舞い散る桜STKとの出会い~

作者:猫丸
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3、これが生徒会捜査部の変人たち




「ということでみんな集合したかなー?」

またも気を失った春が起きるのを待ってから、仕切り直しと中原会長がホワイトボードの前へ立ち一声あげる。

「会長ー」

「うん、ここでは会長じゃなくて部長ね、いばやん。でっなにかね?」

「コガジュン先輩がいないみたいですけど」

コガジュン先輩…? 誰だろ? 部屋の中には春と茨音さんと会長と小林先輩の四人。

「ヤツのことはいいのよん。どーせ誰かとチチクリあってるだけだから」

「チチクリッ!!?」

また顔が熱くなるのを感じた。顔が真っ赤になる春を楽しそうに/いやらしい顔でニヤニヤと会長が見てくる、のをニコニコ笑顔で見守る小林先輩たちを冷ややかな目でみる茨音さん。

「コホンッ」

ビクッ。茨音さんがわざと大きな咳をすると、会長は姿勢を正し

「じ、じゃあ…改めまして自己紹介のコーナー!」

イエーイ! パチパチ! と一人で叫んだり拍手したりして場を盛り上げようとし始めた…イタい。

「まずはボクから! 
 まあボクは有名人だからぁ? 今更名前なんて名乗らなくてもいい「じゃあ言わなくていいですよ。はい、次餡子姉「えぇぇーー!! うそです! ごめんなさいっ!」

わーわー言いながら、会長は何度も土下座を繰り返す。生で初めて見た…これが土下座! 春の心の奥底でなにかキラリと輝くものがあった。

「ゆるしてちよんまげ?」

「イラッ。いいから早くやってください会長」

「うん部長ね。ボクは部長の中原(なかはら)彩乃(あやの)二年生(ちねんせい)。さっきからそこのいばやんがボケてる、『会長』、現生徒会でもあるぞぃ」

「べつに…ボケてなんてませんよ」

「あやちゃ~ん、それは諷焔(ふんえん)学園の生徒だったらみんな知っていることだと思うわよ~」

「あっそうかそうだね! ボク有名人だしね!
 じゃあ~、あっそうだっ! ボクのおじぃはロシア人なんだぞぃ、この学園に入る前は世界中を旅してたんだぞぃ
 帰国ちぃ「帰国子女ですよ!」

「クォーターなのよね~」

「……へぇ」

見た目が日本人じゃないから、外人なのは知ってたけど…、ロシア人なんだ。あと帰国ちぃ……なんて間違おうとしてたんだろ?

「世界中を旅してたんですか?」

「うむ。(パピー)さんの仕事の都合でねんねー」

「……そうなんれすかぁ」

なんで一々変な語尾と変なポーズセットで会話するんだろう…。

「次は私ぃかしら? でももうやってしまったから」

「えぇ!! ヤッタ? 先走り……「会長は、もう喋らないでくださいっ!」

会長はぶーぶーと口をつきだし不満げに椅子に座り、生暖かい視線を春へと向ける。…どうゆうこと??

「んぅ~でももう一度言いましょうかしら~、私ぃは小林(こばやし)餡子(あこ)ここじゃ最年長の三年生よ~。
 家は和菓子屋なの、好きな物はもちろん和菓子、特につぶあんよ~」

「アンコって名前だけにねっ」

「そうね、せっかく餡子って名前を付けてもらったのだからあんこが好きじゃなかったらキャラが経たないわぁ~」

「いやっキャラって…。大和撫子の餡子姉が老舗和菓子店の娘さんで和菓子好きってのはキャラ立ってると思いますけど…」

「でしょ~?」

「あの…」

「なにかしら~?」

「受験勉強とか大丈夫なんれすか? 受験戦争が今大変だってニュースでやってまちたが…」

「「「………」」」

ず~~~~ん~~~~。
あれ?空気がなんか一気に重たくなったような…春以外全員何故か下を向き、ブツブツと何かを呟きナニを恐れ小刻みに震えている。
もしかして【受験勉強(これ)】はNGワードだった…??

「じゃ、じゃあ……次は私ですね!」

「イケイケーいばやん!」

「がんばれ~トモちゃん」

「もうっ自己紹介でなにを頑張るんっていうんですかっ!
 といっても、私も春とは同じクラスだからオリエンテーションのときにもうやったんだけどね」

え…いつの間にか茨音さんの中で春になっている…? いつの間にそんなに仲良くなったの? 私達…。

「でもまっ[郷に入っては郷に従え]という事で、一年茨木(いばらね)智子(ともこ)趣味は友達とおしゃべりとウィンドーショッピング」

「ウィンドーショッピングっつっても、ここド田舎だから畑と田んぼとおじぃとおばぁしかいないのに?」

「うぅ。実家に帰った時にするんです!」

「ここ…そんなにつまらないかしら……」

「ああっいやっそんなことは……ないことも……ないですかもです?」

茨音さんっ歯切れ悪すぎっ……。話の内容からして、中原会長と茨音さんは私と同じ地方出身者なのかな? 小林先輩は地元民? 地元愛強そう…。

「サイゴー、新入部員ちゃんどぞー!」

「あっ…はいれす…」

会長に言われたので春はとりあえず椅子から立ち上がって三人を見た…

希望の眼差しで見つめてくる中原会長、頬に片手を添えてニコニコと優しい笑顔で見守る小林先輩、小さくガッツポーズをして「頑張れ~」とエールを送ってくれる茨音さん
多分ここで気楽にならなきゃいけないと思って短く息を吸ってから私は言った。


「私は……風月(ふうげつ)です、よろしく…「えー! 待ってよー、自己紹介が主人公よりみんなのほうが長いの変じゃない? 変じゃなーい?」

「完全に会長が一番長いですよ」

ジロッと横目で会長を睨みつけながらツッコミをする茨音さんに少々ドキッしつつ、とりあえず椅子へ座りなおす。



                              続く
 
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