恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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445部分:第三十六話 親父達、新たに加わるのことその三
第三十六話 親父達、新たに加わるのことその三
「その高句麗と接している幽州ですが」
「そういえば劉備殿達がいて」
「あの人達が」
蔡文姫と甄姫が言った。
「中々いい政をしておられますが」
「あの方々はどうされますか?」
「別にどうもしませんわ」
袁紹の劉備達への言葉はここでは素っ気無いものであった。
「劉備さん達があの場所にいるならそれで構いませんわ」
「いいんですか、それで」
「別に」
「そうですわ。構いませんわ」
また言う袁紹だった。
「幽州の牧になるのは私ですし。あの方々は言うならば豪族に過ぎませんし」
「半ば治外法権でも与えて協力してもらう」
「そういうことですわね」
「そうしますわ。むしろ」
袁紹はここでこんなことも言った。
「今は牧のいない徐州か益州の牧に推挙したい位ですわね」
「あっ、それはいいですね」
「確かに」
蔡文姫と甄姫は袁紹のその提案に賛成した。
「劉備殿の出世になり恩を売れますし」
「あの方々を体よく幽州から出せますし」
「それならですね」
「いいですね」
「まあその時でいいですわ」
袁紹はこのことは特に急いでいなかった。無論この時点で誰もその幽州に牧がいるとは考えていない。そんなことは想像だにしていない。
そしてだ。袁紹はここで話を変えてきた。
「それよりもです」
「はい」
「私達ですか」
「貴女達にもここに来てもらったのはです」
このことも話すのであった。
「おわかりですわね。この地をです」
「治める」
「そのことですね」
「政は貴女達と水華、それに恋花」
二人の軍師も見る。
「それに陳花に任せますわ」
「お任せを」
その黒い猫耳の少女も応えたのだった。
「北の三州と西方の連携にもなる場所です。しかと治めなさい」
「わかりました」
「それでは」
言われた者達はそれに頷いたのだった。これでこの話も終わった。
だが話はまだ続きだ。袁紹はまた話すのだった。
「それなのですけれど」
「はい、今度は」
「何のことですか?」
顔良と文醜が袁紹に問うた。
「何かありますか?まだ」
「もうないんじゃないんですか?」
「匈奴のところにしてよ」
袁紹は顔を曇らせながらその二人に語るのだった。
「何か一人の老人がいたそうですわね」
「あっ、何か聞いてます」
「そうした報告はありますね」
「明らかに匈奴の服ではない」
袁紹が言うのはこのことだった。
「そうした輩が」
「一体何者なのでしょうか」
「まあまた別の世界から来た奴でしょうね」
「老人?」
その言葉に反応したのは沙耶だった。そして言うのであった。
「というと」
「あれっ、沙耶さん」
「何か知ってるのか?」
「まさかと思うけれど朧かしら」
こう言うのだった。
「死んだ筈だからそれはないと思うけれど」
「朧!?」
「朧っていうと」
「誰なの、それは」
袁紹の家臣達が沙耶に口々に問う。
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