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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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443部分:第三十六話 親父達、新たに加わるのことその一


第三十六話 親父達、新たに加わるのことその一

            第三十六話  親父達、新たに加わるのこと
 袁紹は匈奴達を平定し終えはした。しかしであった。
「まだここを去る訳にはいきませんわね」
「はい」
「今度は戦後処理を徹底させましょう」
 田豊と沮授がこう袁紹に話す。彼女達は今天幕の中にいる。
「この度の匈奴の侵攻、どうもおかしなことが多過ぎますし」
「ですから」
「そうですわね」
 袁紹も二人のその言葉に頷く。彼女は今主の座にいる。
「北匈奴もこれまで大人しかったというのに」
「それが急にです」
「しかもあれだけの大軍で」
 田豊と沮授は袁紹にまた話した。
「ですからここはです」
「侵攻が二度と起こらないようにです」
「戦後処理の徹底ですわね」
 袁紹も真剣な顔になっている。
「そうしますわよ」
「はい、それでは」
「今から」
 二人の軍師は主の言葉に頷いてだ。そうしてであった。
「まずは降った者達は我等の民としまして」
「その中の精強な者達は兵としましょう」
「ええ、そしてそのうえで」
 袁紹もここで言った。
「騎兵にするのがいいですわね」
「やはり匈奴の者は精強です」
「是非そうしましょう」
「騎兵の充実はいいことですわ」
 袁紹もこのことは喜んでいた。しかしであった。
「ただ」
「ただ?」
「といいますと」
「民にしてそれで元の民との軋轢は避けたいですわね」
 彼女が懸念しているのはこのことだった。
「それは注意しなければなりませんわね」
「はい、それについてもです」
「既に考えてあるます」
 二人は袁紹にすぐにこう答えた。
「彼等の村を用意してです」
「それも国境からできるだけ離れた場所に置きます」
 その村をだというのだ。
「そしてそこで鍬を持たせて畑を耕させます」
「それでどうでしょうか」
「そうですわね。悪くありませんわね」
 袁紹は二人のそのことばに頷いて答えた。
「ではそうなさい。いいですわね」
「はい、わかりました」
「それでは」
 二人もそれに頷いてだった。この話はこれで終わった。だがそれでも袁紹は動けなかった。戦後処理はこれで終わりではなかったからだ。
 今度は顔良と文醜にだ。問うのであった。
「斥候からの報告は」
「はい、敵軍はもういません」
「反乱を起こした奴は全員降りました」
 こう答える二人だった。
「北の方の部族は何処も落ち着いてますし」
「とりあえずは安心していいみたいですよ」
「今のところは、ですわね」
 袁紹はそれを聞いても楽観していなかった。そうしてだった。
 二人にだ。さらに言うのであった。
「それでその北の部族にですけれど」
「攻めますか?」
「まさか」
「いえ、それはしませんわ」
 攻めることは否定したのだった。
「ただ」
「といいますと」
「何をしますか?」
「誓約を誓わせるべきですわね」
 真剣な顔での言葉だった。
 
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