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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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438部分:第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその八


第三十五話 守矢、雪を止めんとするのことその八

「ただ。全然似ていないから」
「血のつながりはないのかも」
「それも。色々とあるみたいね」
 黄忠はこのことも察していた。
「どうやら」
「ええと、それじゃあ」
 劉備は少し考えてから述べた。
「あの、守矢さん」
「何だ」
「お団子とお茶、またどうですか?」
 こう彼に勧めたのである。
「雪さんも」
「私もですか」
「はい、立ったままお話するのもあれですし」 
 だからだというのである。
「御一緒に。座って」
「そうだな。話は長くなる」
「はい、それに」
 雪はここで劉備の顔を見た。そうして言うのだった。
「貴女は」
「私が?」
「どうやら貴女がですね」
「私がどうしたんですか?」
「この国を大きく変えられます」
 そうだというのである。
「その運命を担う方です」
「私がなんですか」
「とにかく。兄さん」
「ああ」
 劉備と少し話してからまた守矢に顔を向けた。
「私も話すことはあるわ」
「それならばだな」
「ええ、座って。お話しましょう」
「それならばな」
 こうしてだった。二人は団子と茶を食べながらそのうえで話を始めた。その時にだ。守矢はこう妹に対して話したのであった。
「感じ取っているな」
「ええ」
「刹那が来ている」
 こう妹に話していた。
「あの男もまた、だ」
「なら。私はまた」
「よせ」
 妹を止める言葉だった。
「私が御前を探していたのはだ」
「それを止める為に」
「御前は巫女だ。それはわかっている」
「それならどうして」
「それでもだ。御前は私の妹だ」
 言うのはこのことだった。
「妹がむざむざ命を犠牲にして喜ぶ兄がいるか」
「けれど私は」
「刹那は私が倒す」
 守矢は言った。
「四霊の力を使わずともだ」
「常世も」
「それも封じる」
 そうするというのである。
「私のこの力でだ」
「兄さん、まさか」
「私もまた力を得た」
 そうだというのである。
「黄龍の力をだ」
「父上のその御力を」
「この力があれば誰も犠牲にすることなく刹那を倒し常世を封じられる」
「だから私を」
「そうだ、今度は命を捨てるな」
 また告げた。
 
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