恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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420部分:第三十四話 田豊、策を用いるのことその二
第三十四話 田豊、策を用いるのことその二
「麗羽様、おひさしゅうございます」
「お元気そうで何よりです」
張郃と高覧が袁紹の前に進み出て片膝を折ってきた。
「今はです」
「敵に対して方陣を組み守りに徹しています」
「わかりました。それで黒梅は」
「騎兵隊を率いて敵の霍乱にあたっています」
「神代の策で」
「わかりました」
二人の話をここまで聞いたうえで、であった。
「ではあの娘の騎兵隊を呼び戻しなさい」
「はい」
「わかりました」
張郃と高覧は袁紹のその言葉に応えた。そうしてだった。
すぐに麹義が戻って来た。そして彼女も袁紹と会った。
その場でだ。こう主に問うのであった。
「これからどうされるのですか?」
「では水華」
袁紹は彼女の問いに答えずにだ。まずは傍らにいる田豊に顔を向けた。そのうえでだ。彼女に対して問うのであった。
「その策は」
「はい、まずはです」
田豊はその問いに一礼してから述べた。
「それぞれの部族に流言蜚語を流してです」
「そうして?」
「そのうえでお互いに争わせます」
そうするというのである。
「そしてです」
「ええ、そして」
「彼等をお互いに争わせ弱ったところをです」
「攻める」
「そういうことか」
顔良と文醜はここまで聞いてわかった。
「それで匈奴を退けるのね」
「そういうことか」
「北匈奴の領土まではとても領有できません」
今度は沮授が話した。
「南匈奴の併合はまだできますが」
「確かに。北匈奴の地はさらに寒冷です」
審配もいた。
「長城からさらに離れたあの地はとても」
「それに他の部族は特に攻撃的ではありませんし」
田豊はさらに話す。
「今攻めてきている彼等を退けるだけでいいですから」
「わかりましたわ。それでは」
袁紹は頷いて田豊の策をよしとした。そうしてだった。
袁紹は守りを固めた。そうして田豊に任せた。
暫くするとだ。匈奴達の間で異変が起こった。
偵察隊を出していた顔良と文醜がだ。本陣にいる袁紹に告げてきた。
「麗羽様、匈奴の軍でです」
「動きがありました」
「お互いに争いだしましたのね」
袁紹は二人の話を聞いて述べた。
「そういうことですのね」
「はい、それぞれ攻撃し合っています」
「あたい達のことを放っておいて」
「成功ですわね」
袁紹はここでまた田豊を見た。
「水華の策が」
「はい、それでなのですが」
田豊は畏まってだ。主に対して話した。
「暫くこのまま争わせてです」
「そのうえで疲れきったところをですわね」
「攻めましょう。そうすれば楽に勝てます」
これが田豊の考えだった。
「では戦いの用意は」
「わかりましたわ。全軍戦闘態勢に入りなさい」
袁紹は全軍にあらためて告げた。
「そして機が来れば」
「はい、それでは」
「その時に」
五将が応えてだった。そのうえで用意をするのであった。
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