転生とらぶる
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ガンダムW
1743話
影のゲートから出ると、既にそこは敵の基地。
エアリーズ3機がレジスタンスの基地を襲撃してきて始まった戦闘が終わってから、それこそまだ30分も経っていない。
だからこそ、基地の方ではまだ油断しているだろう。
出来れば夜に襲撃したかったんだが、今がまだ昼間だから、夜になるまでエアリーズ部隊からの連絡がなければ間違いなく怪しむだろう。
であれば、奇襲してもすぐに見つかるだろうが、まだ向こうが油断している今の内に基地を襲撃した方がいいと判断した。
ズイーグも多少何かを言いたそうだったが、結局は俺の言葉を受け入れた。
そんな訳で、現在俺達は一気に敵の基地の中に突入した訳だ。
「俺達はMS格納庫に向かう。お前達は基地の制圧を頼む」
「ああ、分かった。MSは任せた」
ズイーグはそう告げ、他のレジスタンス達を引き連れて基地の中に入っていく。
色々と戸惑いはあったようだが、それでも実際にこうして戦いが始まればすぐに動くというのは、レジスタンスらしいと言うべきか。
幸いにもこの基地はあくまでも辺境の基地だ。
それだけに人数も普通の基地に比べると少なく、MSの数もそこまでは多くない。
「行くぞ」
綾子と五飛に短く告げると、俺達は再び影を使った転移で一気に格納庫に姿を現す。
勿論格納庫の中に姿を現しはしたが、堂々と格納庫のど真ん中に姿を現した訳ではない。
俺達が姿を現したのは、格納庫の中でコンテナが並べられている場所。
そんなコンテナとコンテナの間にある場所だ。
当然のようにそんな場所は狭く、俺、綾子、五飛の3人でギリギリな訳で……もしレジスタンスが俺達と一緒にこっちに向かっていれば、間違いなく悲惨な目に遭っていただろう。
そうして顔を見合わせ、小さく頷くと何気ない顔をして格納庫の中を歩き始める。
堂々と歩いているからだろう。格納庫にいるトレーズ派の整備員は、不思議そうな表情を浮かべはするものの、こちらに向かって話し掛けてくる事はない。
……それでも興味深そうな視線を向けているのは、やはり綾子と五飛が原因だろう。
綾子は見ての通りとびきりの美人だし、五飛は外見だけを見ると子供でしかない。
そんな2人を引き連れているのが、俺な訳だ。
こんな目立つ面子で、注目を浴びない筈がなかった。
だが、逆に皆が注目しているからこそ誰が話し掛けるかといった事を整備員達がそれぞれ視線で探り合う。
そんなやり取りをしている中、俺は目当てのMS……マグアナックを見つけると、近付いていく。
そうすると、さすがに向こうも声を掛けない訳にはいかないのか、整備員の1人が俺に向かって話し掛けてくる。
「ちょ、おい。お前は一体……」
「ああ、気にするな。俺はちょっとした要人……みたいなものだ」
その言葉は、決して間違ってはいないだろう。
この世界でシャドウミラーというのは最強の戦力として有名だ。
連合軍の切り札という扱いにもなっている。
ましてや、異世界の国家だということが判明した以上、要人と表現するのは決して間違ってはいない筈だ。
……それを、この基地の連中が知ってるかどうかは別として。
いや、基地の上層部とかは何らかの情報を与えられていてもおかしくはないが、末端にまでは……どうだろうな。
そもそもの話、魔法があると言われてこの世界の人間が信じるかどうかと言われれば、正直微妙だろう。
実物を見ていない以上、表面的に頷いておくのはいい方で、下手をしたら本気で頭の心配すらされかねない。
「要人、ですか?」
自分を要人だと口にした為か、整備員の口調が先程とは異なり少し丁寧なものとなる。
俺はともかく、綾子のような美人や五飛のような子供がこうして格納庫にやってくるのだから、もしかして本当に要人だと考えてしまっても、おかしくはない。
ましてや、基地の中でもMSがある重要な格納庫にこうして堂々と入って来てるんだから、まさか俺達がレジスタンス――正確にはレジスタンスに協力してるだけだが――とは思わないのだろう。
オリファントも少し離れた場所にあるのを確認し……マグアナックの装甲に触れながら口を開く。
「これがマグアナックか。いい機体だな」
「え? ああ、そうですか? そうなんですよね。実は……え? あれ?」
説明している途中で、整備員の言葉が途切れる。
まぁ、一瞬前までそこにあったマグアナックが何の脈絡もなく消えてしまったのだ。
現実を理解出来なくてもおかしくはないだろう。
そうして数秒後には、周囲で俺達の様子を見ていた他の整備員も異変に声を上げ……だが、俺はそんな連中には構わず、そのまオリファントの方に向かう。
「お、おい! 今のは一体……」
何をした。
数秒前まで俺と話していた整備員はそう言おうとしたのだろう。
だが、それを最後まで言う前に、爆発音が基地の中に響く。
格納庫にいても聞こえる程の大きな爆発。
どうやらズイーグ達が見つかったのか何かして、本格的に動き始めたらしい。
「え? 爆発?」
俺に何かを聞くよりも前に、今の爆発の方が気になった整備員。
そんな整備員をその場に残し、オリファントに向かって走る。
……もっとも、精神コマンドの加速も、瞬動も使っていない、普通の速度でだが。
それでもW世界の人間……それもパイロットでも何でもない普通の整備員には、俺の姿を捉える事は出来なかったのだろう。
俺がオリファントに触れたのにすら気が付かないまま、周囲の様子に視線を向けていた。
そんな状況であっても、オリファントが消滅したのには気が付いたのか、近くにいた別の整備員は俺の方を見て驚愕の表情で叫ぶ。
「お前、一体何をしたんだぁっ!」
こうなってしまえば、既にこちらとしても大人しく事を運ぶ必要はない。
「綾子、五飛、やれ!」
そう叫びながら、整備員の鳩尾に拳を埋める。
一応殺さないように手加減はしているのだが、それでも無傷という訳にはいかないだろう。
もっとも、敵対しているトレーズ派に……正確にはそのトレーズ派に協力しているだろう元中東連合の奴をそこまで心配する必要はないんだろうが。
ともあれ、格納庫の中にいる整備員全てが意識を失うまでに擁した時間は、十数秒。
……言うまでもなく、無力化した相手が一番少なかったのは五飛だ。
まぁ、五飛は俺の瞬動や綾子のような半サーヴァントとしての身体能力のない、普通の人間だ。
機動力という一点で、俺達より大きく劣っているのは間違いない。
そう考えれば、この結果は当然だったのだろう。
「さて、取りあえず向こうも始めたようだし……こっちもなるべく早く事を済ませるぞ。騒動が起こった以上、MSを確保する為に残っている兵士がこっちに向かっているだろうし」
そう言いながら、俺は次々とMSに触れては空間倉庫に収納していく。
そもそもこの基地にはMS自体がそう多くはない。
……まぁ、別にこの付近に何か重要拠点があるとかでもないんだから、そう考えればMSがそう多くないというのは自然の結果だろうが。
とにかく、こちらとしては入手するMSが少ないので、手間が掛からずに済む。
マグアナック3機、オリファント2機、リーオー3機の合計8機、しっかりと空間倉庫に収納出来た。
エアリーズがなかったのは、それこそレジスタンスのアジトに攻めたので使ったんだろうし、トーラスがないのは……まぁ、トーラスは最新鋭MSだし、そう考えれば場末の基地に配備されていなくても仕方がない。
トラゴスは……まぁ、上位互換とも言えるオリファントがあるしな。
MDとかでもあれば話は別だったが、トレーズ派だしな。
……アハトとかレディ・アンとかは普通にMDを使ったりしてるけど。
ともあれ、こっちとしてはやるべき予定は既に済ませた以上、後はズイーグ達次第だな。
「アクセル」
短く告げる綾子の声。
それで、何が起きているのかは既に分かった。
こっちに近付いてくる複数の足音を聞けば、それがどのような意味を持っているのかを考えるのはそう難しい話ではない。
「さて、どうするか。このままここにやってくる奴を次々に倒していってもいいんだが」
「俺はどっちでもいい」
「あたしもアクセルに任せるよ」
五飛と綾子がそれぞれそう告げてくる。
そうだな、じゃあもう少しズイーグ達を手伝うとするか。
中東連合に……いや、トロワやカトルに対して貸しを作れる機会というのは、そう多くない。
もっとも、俺の場合はトレーズがオペレーション・サンライズを宣言した時に、トロワやカトル、それに中東連合の他の者達の命を救っている以上、今の時点で大きな貸しを作ってはいるんだが。
トロワは何気に義理堅い性格をしているし、カトルの方は基本的にはお人好しだ。
貸しを作っておいて、悪い事はないだろう。
「なら、もう少しここで頑張るか」
「人が悪いな。いや、この場合は悪い人と言った方が正しいのか?」
小さく笑みを浮かべ、自分こそ人の悪い笑みを浮かべている綾子。
……まぁ、この基地の者達にしてみれば、MSがやってくれば自分達の勝利が決定づけられるのに、そのMSを取りに向かったパイロットがいつまで経っても戻ってこないという、色々な意味で地獄の時間を味わう事になるのだから、人が悪い……もしくは悪い人と呼ばれても仕方がないだろう。
「ま、この基地が襲撃を受けている以上、MSのような戦力は真っ先にどうにかされていると考えてもおかしくはない。その辺まで考えてるような奴がいれば、何らかの対策はしてくるだろうけどな。ああ、くれぐれも殺すなよ。レジスタンス達は生かして捕らえるのが希望らしい」
この辺り、多分カトルの影響なんだろうな……
中東連合で軍を任されていたのがカトルだけに、基本的に甘い対応が目立つ。
エアリーズのパイロットも、結局は生かされたままだし。
まぁ、最終的にはトレーズ派との取引に使うのだと言われれば、納得せざるを得ないのだが。
そんな風に考えている間に、やがて足音が格納庫のすぐ外で止まる。
そうして扉を開けると……
「敵だ! すぐにMSを出すから準備を頼……む?」
叫んでいた言葉が途中で絶句に変わったのは、格納庫の中で倒れている大勢の整備員を見たからか、それとも格納庫の中にMSが1機も存在していなかったからか。
ともあれ、どちらか……もしくはそれ以外にも何らかの理由で絶句したのは間違いない。
「綾子、五飛」
呟き、返事を待たず一気にMSパイロットと思しき連中に向かって近づき、拳を振るう。
俺に数秒遅れて綾子が到着し、同じく拳を振るってMSパイロットを気絶させていく。
そうして五飛が1人を気絶させた頃には、既にこの場で意識があるのは俺達だけとなっていた。
「一応今のうちに縛っておいた方がいいんだろうけどな。……そこまでする必要もないか」
こいつらが意識を取り戻しても、今の状態では何が出来る訳でもない。
ましてや、MSすら存在しないのだから。
そうして時間時間が経てば経つ程、基地の中で起きている戦闘は激しくなっていく。
それを眺める……いや、格納庫の中で聞きつつ、こちらとしても特にやるべき事はこれ以上ないので、何となく格納庫の中を見回っては、使えそうな物があれば空間倉庫に収納していく。
ただ、もしかしてこの基地ってズイーグ達がこれから使ったりするんじゃないか?
一瞬そんな事を思うが、良く考えれば、この基地を占拠して使おうものなら、すぐにトレーズ派が奪還部隊を送ってくるだろう。
トレーズ派は1つの勢力として、レジスタンスのような存在に侮られるような真似は絶対に許容出来ない筈だ。
もっとも、連合軍から見てもトレーズ派は対外的にはレジスタンスと同じような存在と位置づけられているんだけどな。
実体はかなり違うが。
何だかんだと、トレーズ派は連合軍や元ロームフェラ財団、それにOZといった者達の拠点をそれなりの数占拠している。
実際には十分に1つの勢力と呼ぶに相応しい。
……トレーズのカリスマ恐るべしだな。
レディ・アンのような存在が思う存分腕を振るっているのだろう。
個人的には、レディ・アンと関わり合いにはなりたくないんだが……何だかんだと有能なのは間違いないんだよな。
ゼクス辺りと内輪揉めでもしてくれれば、こちらとしても嬉しいんだが。
「あ、銃声が収まったな」
ふと、格納庫の外から聞こえてくる銃声が静かになっているのに気が付く。
勿論本当の意味で戦闘が終わったのかどうかも分からないし、ズイーグ達が勝ったのかも分からない。
その辺はこれからきちんと調べる必要がある。
……まぁ、ズイーグ達が勝ったのなら、格納庫に報告に来てもおかしくはないんだが。
そんな風に考えていると、こっちに向かって走ってくる足音に気が付く。
意識を失っているMSパイロット達と同じような感じだが……1人なのを考えると、多分レジスタンスの手の者で間違いないだろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1350
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1372
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