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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1740話

 影のゲートから抜けた俺達の前に広がっているのは、一面の荒野だった。
 草原という程に草は生えておらず、地面が剥き出しになっている。
 一応これも砂漠だ。
 普通の人が砂漠と言われて思い描くような……それこそTVとかで見るサハラ砂漠とかのような映像は、砂漠と呼ばれているうちの数割程度だ。
 ……いやまぁ、それはあくまでも俺の知識であって、他の世界での話だから、もしかしたらこのW世界では砂漠=砂の砂漠という可能性もないではないが。
 事実、原作で出て来た中東はその殆どが砂の砂漠だったし。
 ともあれ、今俺達の目の前に広がっているのは荒野と呼ぶに相応しい光景だった。

「ここでいいのか?」
「ああ、アクセルがこちらの要望通りの場所に移動してくれたのであれば、ここで問題はない筈だ」

 トロワが周囲を見回しながらそう告げる。
 五飛が普段は冷静な表情を微かに顰めながら空の太陽を睨み付ける。
 俺は元々混沌精霊で暑さ……いや、熱さでも問題ないし、綾子も半サーヴァントだけあって普通の人間と比べればそっち方面に耐性はある。
 トロワは中東連合として活動していた事もあって、ある程度この暑さにも慣れているのだろう。
 そういう意味では、俺達と行動を共にしていた五飛は、空調の効いたコロニーやらピースミリオンやらを活動の場所としていただけに、慣れが少ないのは事実だ。
 それでも直接文句を口に出さない辺り、我慢強さという意味では問題ないと思うが。
 そうして俺と綾子で世間話をし、五飛やトロワに話を向けるも、短い返事だけという時間が数十分程続くと……やがてこちらに向かって走ってくる数台のジープ……軍用車を見つける。

「あれか?」
「……よく見えるな」

 俺の視線の先で見つけたという事は、あくまでも混沌精霊としての力で見つけたようなものだ。
 つまり、今のままではまだ他の連中には見つける事が出来ない。
 それでも数分が経てば綾子もそのジープを見つける事が出来、それから更に暫く経ってトロワと五飛の2人もジープを見つける事が出来た。
 そうしてやがて俺達の前に止まった4台のジープだったが、それに乗っている者達は不機嫌そうな視線をこっちに向ける。

「おい、トロワ。どういうつもりだ? お前達は補給物資を運んできてくれると、そう聞いていたんだがな」

 どうやらトロワの知り合いだったらしい男が、半ば睨み付けるような視線をこっちに向けてくる。
 だが、トロワはそんな視線を向けられても全く気にした様子もなく、頷くだけだ。

「そうだ」

 そんなトロワの態度が、男には気にくわなかったのだろう。
 懐から取り出した拳銃の銃口をトロワに向ける。

「分かってると思うが、俺達も遊びでやってるんじゃねえんだよ。トレーズ派の連中と渡り合う為に、命を張ってるんだ。なのに、トレーズ派が来たからってここから逃げ出した奴が、俺達をからかうなんて事をしたら……そう簡単に許せる筈もねえよな?」

 リーダー格の男の言葉に、他の男達もこちらに向けて拳銃やらマシンガンがやらの銃口を向けてくる。
 ……へぇ。

「トロワだけならまだしも、俺にまで銃口を向けるとか……覚悟は出来てるんだろうな? とある人物が言うには、撃ってもいいのは撃たれる覚悟がある者だけだ、だそうだぞ?」
「ああ? 何だよ、お前は。今、俺はトロワと話してるんだ。関係ない奴は引っ込んでてくれ」
「……なるほど」

 この男は、中東連合に所属はしていたものの、地位そのものはそこまで高くなかったのだろう。
 少なくても、シャドウミラーを率いている俺の顔を知らない程度には。

「ま、これも余興か」

 呟いた瞬間、俺の姿はトロワに銃口を向けている男のすぐ側にあり、その銃の銃身を掴んでいた。

「なっ!?」

 一瞬で俺が移動した事が、向こうには信じられなかったのだろう。
 驚愕の表情を俺に向けてくるが……

「残念だが、驚く場所は違うぞ。……ああ、一言忠告しておく。その銃はもう撃たない方がいいぞ。暴発して怪我をしたくなかったらな」
「何? ……何ぃっ!?」

 最初の疑問は、俺が何を言っているのか分からないといった事への言葉。
 だが、次の驚きの声は、自分の銃が見て分かる程に曲がっているのを見ての驚愕の声だった。
 自分が気が付かないうちに、それもそっと俺が触った程度で銃がこんな風に曲がるんだから、驚くのは当然か。
 金属で出来ている銃だからこそ出来た芸当だけどな。
 もしこれが最新の強化プラスチックとかを使って作られた銃なら、それこそ俺が曲げるよりも先にその力に耐えられず砕けてしまっただろう。
 男の仲間達も、いつの間にか使えなくされてしまった拳銃を見て、こっちをただ者ではないと判断したのか、揃ってこちらに銃口を向けてくる。

「止めねえかっ!」

 そんなレジスタンス達を一喝したのは、俺に拳銃を曲げられた男だった。
 向こうにしてみれば、まともに俺と戦っても勝ち目がないと判断したのだろう。
 そして男の言葉に、他のレジスタンス達は皆が黙り込む。
 へぇ……男の命令にはしっかりと従うように鍛えられてるんだな。
 こっちとしては少し驚いた。
 だがまぁ、余計な揉め事がなくなったようで何より。

「……悪いな。あんたみたいな強い奴は初めて見た。名前を聞いてもいいか?」
「アクセル・アルマー」
「アクセル? どこかで聞いたような覚えが……」

 思い出しそうで思い出せないといった様子の男を見て、トロワに視線を向ける。
 俺が動いたからか、それとも最初から本格的な戦闘にはならないと判断していたのか、ともあれトロワは今の状況でも特に動く様子を見せてはいなかった。
 それでも俺に視線を向けられれば、自分が動くのが手っ取り早いと判断したのだろう。
 俺の方を見ながら、口を開く。

「シャドウミラーを率いている男と言えば、聞き覚えがあるんじゃないか?」
「っ!? そうだ、シャドウミラーの! 何でそんな重要人物がここにいるんだ? もしかして、中東連合はトレーズ派を倒す為にシャドウミラーを雇ったのか? そう言えば、以前友好関係を結ぶ事が出来たって言ってたよな」

 矢継ぎ早にトロワに尋ねる男。
 俺達の……シャドウミラーの力がどれだけのもなのか、中東連合の人間なら知っていても当然だった。
 ましてや、目の前で俺に拳銃を……それも素手で破壊されたのを考えれば、こっちの実力を疑うといった真似はしないだろう。

「そうだな。雇ったのは間違いない。ただ、戦力ではなく物資の輸送を頼んだんだが」
「……は?」

 先程と同じく、何を言ってるんだこいつはといった視線をトロワに向ける男。
 その気持ちも分からないではない。
 俺という戦力は間違いなく強力な戦力だし、補給物資の輸送を頼んだと言ってもどこにもその補給物資はないのだから。

「お前、何を言ってるんだ?」
「……言っても信じられるとは思っていない。アクセル、頼めるか? 何か出してみてくれ」

 トロワの言葉に頷きを返す。
 俺が補給物資を運んできたと言っても、実際にそれを見なければ、とてもではないが信じる事は出来ないだろう。
 ……そもそも、魔法が存在しないこのW世界で魔法を信じろという方が無理があるんだが。
 ともあれ、このままでは話が進まないのは間違いないので、手っ取り早くこっちを信じさせる為に、大きめのコンテナを1つ取り出す。
 これで拳銃や銃弾を多少取り出したところで、何かの手品だったり、俺が隠し持っていただけだろうと言われれば、それまでだ。
 だが……このコンテナのように、とてもではないが隠し持てないような代物を堂々と見せつければ、向こうも手品だ、隠し持っていただけ、といった風に言う事も出来ない。

『おおおおおおおおおおおお』

 そして実際、どこからともなくいきなり現れたコンテナを見て、レジスタンスの男達は揃って驚愕の声を上げていた。
 トロワと話していた男も、それは同様だ。
 まさかいきなり目の前にコンテナが出てくるとは、思いも寄らなかったのだろう。
 ……W世界の人間なら当然か。

「なっ、え? お、おい? え? これは一体……何がどうなってるんだ?」

 コンテナを見ながら、しどろもどろになりながらトロワに尋ねる男。

「見ての通りだ、としか言えないな」
「まぁ、トロワの言葉だけで言えば分かりにくいんだろうが……そうだな、超能力とか魔法使いとか、お前達の好きなように判断してくれ」
「いや、超能力? 魔法? ……けど……」

 とてもではないがそんな出鱈目は信じられない。
 そう言いたいのは分かるが、同時に目の前にコンテナがある以上、どうしようもないのは間違いのない事実だ。
 だからこそ、男は言葉に詰まっているのだろう。

「信じる信じないは好きにしてもいい。どうしても信じられないって言うのなら、俺はこのままここで帰っても構わないけどな」

 これは半ば冗談で告げた言葉だ。……まぁ、半ば冗談って事は、半ば本気って事でもあるんだが。
 ともあれ、そんな俺の言葉で我に返ったのか、男は慌てたように首を横に振る。

「いや、まさか。俺は勿論信じるさ。実際に目の前で見せて貰ったんだしな。それでも……その、まだ理解が追いついていないというのが、正直なところだ」
「だろうな」

 これは別に責める用件にはならない。
 魔法とか超能力なんてのは、それこそ物語の中にしか出てこないような代物なのだ。
 それを使えると言われて、はいそうですかと信じられるようなら、寧ろこっちが向こうを怪しむ必要すらある。

「見て分かっただろう。とにかく、補給物資は今のような状況でアクセルが持っている。それでどうする?」
「あー……その、俺達の基地に来てくれ。その倉庫に補給物資を入れて欲しい」
「分かった。……構わないか?」
「どうせなら、頷く前に聞いて欲しかったところだけどな」

 トロワにそう言葉を返しながら、それでも俺は頷きを返す。
 ……にしても、連合軍から渡されたのは、今目の前にあるようなコンテナが結構あったんだが……もし輸送機か何かでここに運んできていたら、こいつらどうやって持っていくつもりだったんだ?
 コンテナは、とてもではないがジープで運べるような代物ではない。
 考えられるとすれば、コンテナの中身をジープに移し替えて運ぶって事か。
 コンテナはここに捨てておいて。
 まぁ、コンテナのようなでかいのをアジトに持って帰っても、使い道に困るしな。
 設備があれば、溶かして金属として再利用とか出来そうだが……レジスタンスにそんな施設を期待するのは無謀だろう。
 盾代わりとしては……MSとかがいれば使えるか?
 いや、MSがいれば、寧ろコンテナの中に爆薬で満載して手榴弾とかそういう風に使うか。
 それとも、そこら中にある砂を入れて純粋に質量弾として使うとか?
 ……レジスタンスの場合、懐具合も考えると砂を中に入れて投擲した方がいいような気がするな。
 いや、この場合は周囲は荒野だし、土とか石か?

「おい、乗ってくれ! すぐに案内する。アジトの奴等、全員驚くぞ!」

 そう言われ、俺と綾子、五飛、トロワの4人はジープに乗る。
 すぐに発進したそのジープは、乗り心地という意味では最悪……とまではいかないが、それでも決して良好とは言えない有様だった。
 まぁ、レジスタンスで使われているジープなんだし、どうしたって安物になるのは当然か。
 寧ろ下手に高性能な軍用車を使っても、メンテとか部品の問題とかあるだろうし。
 そう考えれば、寧ろ安物でよかったのだろう。
 ジープに乗って、数時間。
 荒野から、多少なりとも植物が生えている場所に到着すると、そのまま谷の方に向かって下りていく。
 どうやら遙か昔には川か何かだったような、そんな谷。
 ……なるほど、考えたな。普通の平地にアジトを作ろうものなら、まず間違いなくトレーズ派に察知される。
 何しろトレーズ派の主力はトーラス。そのトーラスに取って代わられたといってもエアリーズもある。
 とてもではないが、レジスタンス程度の戦力で制空権を奪うなんて真似は出来ないだろう。
 そう考えれば、空から偵察しても見つかりにくい谷底というのはそれなりに有効な選択だろう。
 ……問題は、MSとかじゃなく車で移動する場合、かなり面倒になるという事だろうが。
 何しろ、上と繋がっている場所まで毎回移動する必要があるのだから。
 そうなれば、移動時間のロスというのはちょっと馬鹿に出来るようなものではない。
 まぁ、それを承知の上で、見つかるリスクを考えた上でのアジトの選択なんだろうが。
 ……それにしても砂漠でレジスタンスとなると、SEED世界を思い出すな。
 カガリと初遭遇したのも確かあそこだった。
 今頃、どうしてるんだろうな。
 一応ウズミの後継者としてその下で働いていた筈なんだが……まぁ、ホワイトスターに戻ったら、ちょっと顔を出してみるか。
 そんな風に考えつつ、俺達はレジスタンスのアジトに到着するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1345
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1371 
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