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ドリトル先生と悩める画家

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第九幕その十一

「本当にね」
「それは事実だね」
「コタツって怖いよ」
「離れられないから」
「もうね」
「一旦入ったら」
「そう、そんなものだからね」
 実際にと言った先生でした、皆に対しても。
「怖いよ、コタツは」
「実際に今先生も出られてないしね」
「僕達も離れられないし」
「そのことからも思うけれど」
「コタツは魔力があるね」
「人を離さないものが」
「日本人はとんでもないものを作ったよ」 
 先生はこうまで言いました。
「冬のコタツはもうね」
「入ると離れられない」
「確かにとんでもないね」
「僕達も参るよ」
「こんな怖いものはないね」
「冬には最高だけれど最も怖い」
「それがコタツだよ」
 皆コタツから離れずに言います、いつも先生と一緒にいますが今はコタツからも離れられないでいるのです。
 それで皆こう言うのでした。
「何とか離れないといけなくても」
「辛いね」
「今回は離れられるかな」
「どうにかして」
「晩御飯まではいいよ」
 トミーは動物の皆に笑顔でお話しました。
「それまでは」
「あっ、ここにいていいんだ」
「コタツの中に」
「そうしていいんだ」
「晩御飯までは」
「うん、そうしてね」
 今も笑顔で言うトミーでした。
「皆先生と一緒にいてね」
「じゃあ僕もね」
「はい、先生もです」
「晩御飯まではここにいるよ」
「そうして飲まれるんですね」
「飲んでからもね」
 一升空けてもというのです。
「そうしているよ」
「そうですか」
「ただ。かなり飲んだから」
 それでというのです。
「おトイレが近いだろうね」
「熱燗でもですね」
「お酒を飲むとそうなるからね」
「どうしてもですね」
「その時はね」
「絶対に行かれて下さい」
 おトイレはとです、トミーも答えます。
「是非」
「そうさせてもらうね」
「足元大丈夫ですよね」
「言葉の調子は普通だね」
「至って」
「じゃあ大丈夫だよ」
 歩く方もというのです。 
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