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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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371部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその三


第三十話 典韋、曹操に試されるのことその三

「それじゃあすぐに入るのだ」
「そうね。それじゃあね」
 劉備が頷いてであった。皆でその店に入る。そうして全員で一つの席に着いてそこからメニューを頼んでそのうえで全員で食べるのであった。
「おっ、これは」
「凄く美味しいのだ」
 まずは馬超と張飛が笑顔で言った。
「庶民的な味がいいよな」
「それでいてしっかりとした味付けなのだ」
「そうよね。凄く食べやすいし」  
 馬岱も笑顔である。
「どんどん食べられる感じよね」
「瑠々にも食べさせてあげたいわね」
 黄忠は母親の顔であった。
「それが残念だわ」
「ううむ、このメンマの味は」
 趙雲はここでもまずメンマを食べている。
「わからない者、味わえない者は不幸だ」
「はい、この麻婆豆腐もラーメンも蒸し餃子も」
 孔明は小柄だが結構な量を食べている。
「凄いですよ」
「朱里ちゃんの言う通りよね」
 劉備もどんどん食べている。彼女は今は炒飯を食べている。
「どれも凄く美味しいわ」
「ううむ。これ程までとはな」
 関羽も唸っている。
「私は料理ができないから余計に感じるところがある」
「関羽ちゃんはちょっとね」
「あれは一種の才能だから」
 神楽とミナは少し苦笑している。
「切るのは得意だけれど」
「調理は駄目なのね」
「残念だが私はそういうことは駄目なのだ」
 関羽は目を伏せて悲しい顔になった。
「どうしてもな」
「そういえば昔から武芸に学問だったよな」
「うむ」
 馬超の問いにも答える。
「その通りだ」
「そういえばあたしも家事したことないな」
「お姉様お料理作ったことあったっけ」
「ないんだよ、これは」
 こう従妹の問いにも答える。
「ちょっとな」
「そうよね。ないよね」
「家事全般駄目なんだよ。まずいよな、やっぱり」
「鈴々もなのだ」
 それは張飛もであった。
「家事はしたことないのだ」
「この面々で家事ができるのはおそらく紫苑だけだ」
 趙雲は静かに述べた。
「残念ながらだ」
「私とりあえず一通りできますけれど」
 劉備がここで自分を指差しながら話した。
「お料理も。一応は」
「あら、そうだったの」
「はい」
 神楽の問いにも答える。
「特に靴を作ったりお裁縫はです」
「靴を売って生きていたからなのね」
「はい、それで暮らしてきましたから」
 ミナにも答える。
「ですからそれは特にです」
「それでは今度から劉備殿も家事をしてくれるのか」
 趙雲がうっすらと笑って述べた。
「楽しみにしておくか」
「やらせてもらいますね」
 こんな話をしていたのだった。
 そうしてだ。そんな話をしているとだ。そこに鮮やかな青い髪を短くして上で髷を作っている女の子が来た。赤がかった鳶色の目をしていて顔立ちは幼いがとても可愛らしく明るいものである。小柄でエプロンをしている。エプロンの下には袖のない上着と黒いローライズの半ズボンが見える。
 
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