ドリトル先生と悩める画家
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第九幕その五
「あってそのそれぞれに豊かな自然があって」
「その自然を楽しむ」
「それが日本なんだね」
「日本人の楽しみの一つ」
「先生も同じく楽しんでいるんだね」
「そうなるね。いや日本酒はね」
お酒についてもお話するのでした。
「日本の季節によく合ってるよ」
「そうなんだね」
「日本の四季には日本酒」
「このお酒が合うんだね」
「何といっても」
「そうだよ。じゃあね」
それならというのです。
「まずは学問を楽しもう」
「講義もして」
「そうしてね」
こうお話してでした、先生は大雪の為あまり人のいない大学で講義もして学問にも励みました。そうしてでした。
お昼の食堂にいてもです、やはり人が少なくて言うのでした。
「本当にいつもの半分以下だね」
「人はね」
「もっと少ないかも」
「とにかく人が少なくて」
「静かだね」
「関西は何処でも賑やかだけれど」
この賑やかさも先生の好きなものです。
「流石にここまで少ないとね」
「静かだね」
「どうしても」
「寂しいものがあるね」
「どうしても」
「そうだね」
先生は秋刀魚を食べつつ皆に答えました、御飯とキャベツの千切りとスライスされたトマトにお味噌汁という組み合わせです。
「今はね」
「本当にそうだね」
「寒いしね」
「食堂も閑散だし」
「どうにもね」
「こうしたものだとわかっていても」
それでもというのです。
「寂しいものがあるね」
「そうだね、まあそのことは仕方ないとして」
「そのうえでだね」
「御飯を食べて」
「そうしてあったまろうね」
「うん、三時にはお茶を飲んで」
先生は大雪の時もティータイムは忘れません。
「お菓子も食べよう」
「そうそう、それは忘れないよね」
「先生は」
「何があっても」
「どんな時も」
「うん、お茶を飲まないとね」
そしてティーセットも楽しまないと、というのです。
「僕は駄目だからね」
「三時と十時にはね」
「十時のティーセットは一口ずつでね」
「ちょっと小腹足しで」
「そして三時はおやつ」
「そんな感じだよね」
「僕のおやつはそれだよ」
先生にとっておやつイコールティーセットなのです。そしてその三時のティーセットがなくてはどうしてもなのです。
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