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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:南條 綾
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2部 P・T事件
1章 魔法少女登場
  傷ついたフェレット

 今日は先ほどの時間で将来の夢についての授業だった
そのことを屋上でお昼を食べながらお話していた。

「将来か~、アリサちゃんとすずかちゃんは、もう結構決まってるんだよね?」

「親が会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと跡を継がなきゃくらいだけど?」

「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいな~って思ってるけど」

「2人とも凄いな~」
「なのはどうなのよ?」

 俺は静かに聴いていた。
小学生のとき必ず出される質問だよな
そしてそのとおりに
うまく行った人は数少ないけれど

 なのはは何かを考えているみたいに少し黙っていた。

「このままいけば翠屋二代目よね?」
「うん。それも将来のビジョンの一つではあるんだけど。
やりたいことは何かあるような気がするんだけど、まだそれがなんなのかハッキリしないんだ。
私特技も取柄も特にないし…」

 それを聞いたアリサがいきなり立ちあがり、なのはを押し倒してからなのはにキャメルクラッチをした。
しかもアリサオリジナルっぽく
通常キャメルクラッチは、首に腕をかけるはずだが
アリサスペシャルは、口に手をかけてい~ってやっている

「なにがとりえがないのよこの馬鹿あんたのおかげですずかともなのはとも友達になれたんでしょうか」
 
 なのはのその際に放った自虐的な言葉が、気に召さなかったらしく、なのははアリサに頬を引っ張られながら言い訳していた。

 そしてすずかは目をおろおろして戸惑っているようだ

「そうよなのは、私はあの母の日に勇気をいただいたわ。
それに何度も背中を押してもらっている
とりえがない人間に私の背中を押せないわ」

 俺がなのはに言い切った。
アリサのお仕置きが終わって

「もう~ありさちゃんひどいよ~」

「でもなのはちゃん。あれはなのはちゃんも少し悪いと思うよ」

 すずかがなのはに話していた。

「相変わらず仲良し3人娘ね」

「「「4人 (だよ)」」」

 突っ込まれてしまった。

 そして放課後
俺は塾に通っていないが、3人の塾の分かれ道までいつも一緒に帰っている

「あ、こっちこっち! ここを通ると塾に行くのに近道なんだ」

「え、そうなの?」

「ちょっと道悪いけどね」

 アリサの言うとおり、道が舗装はされておらず、でこぼこしていたり、石ころが転がってもいた。
だが、アリサが先導をして、なのは達はアリサの後を付いて行く。
俺はその後ろをゆっくりと歩いていた。

[・・・・]

魔力感知

 そして、しばらく歩いていると、なのはが何かを探すようにきょろきょろと辺りを見回し始めた。

「どうしたの?」

「なのは?」

 なのはが突然きょろきょろしだしていたので
アリすずは首を傾げながら、
なのはへと声を掛けた。

 とらハにこんな話あったかな?
俺が死んでから新作が出来たとかなわけないなぁ
ちょっと変わった魔力反応だ。
絶対これ厄介ごとになる気がする

「ううん! なんでもない。気のせいだったみたい」

「大丈夫?」

 また魔力反応が起きた

[助けて]

「なのは?」

「今、何か聞こえなかった?」

「? 何か?」

 なのはの言葉にすずかは首を傾げる。

「――何か、声みたいな……」

「別に、聞こえないけど……?」

「聞こえなかったかな?」
 
[助けてっ!]

「やっぱり聞こえるこっち!」

 その声を聞き、
遂になのはは声がした方へと駆け出した。

「なのは!?」

「なのはちゃん!?」

 なのはの行き成りのダッシュに驚いたアリサとすずかが名前を叫ぶが、そのままなのはは木々が生い茂る中へと入っていった。
 
「なのはが心配だから追いかけよう」

 俺がそういうと

「そうね」

「ん、うん!」

 俺たち3人はなのはを追いかけた
少しすると、地面に座り込んでいるなのはの姿を確認した。

「はぁはぁ・・どうしたのよ、なのは!急に走り出してっ!」

「あっ、見て。……動物? 怪我してるみたい」

「う、うん。どうしよう?」

 すずかの言葉通り、
なのはが座り込んだ姿勢のまま、何かを抱えていた。

 ユーノ・スクライアか

「とりあえず、怪我の治療をするために病院に連れて行きましょう」

アリサが言い

「そ、そうだね!この近くに動物病院ってあったっけ?」

なのはが言い返して

「確か、槙原動物病院があったよ。私場所知ってるよ!」

「すずか案内して。急いで行こう」

「「うん!」」

 俺達は病院に到着すると、動物病院の院長である
槙原愛さんに事情を説明し、治療をお願いした。
ちなみに山の上にある女子寮の管理人もしている方だ
そして、フェレットの治療も終わり、
院長である愛から話を聞いているところであった。

「怪我はそんなに深くはないよ。
でもかなり衰弱しているから少しの間はここでお泊りかな」

「院長先生ありがとうございます!」

「「ありがとうございます!」」

 愛の言葉に三人は頭を下げながらお礼を言う。

「先生、お代はどういたしましょう」

 俺が聞くと

「牧原動物病院は野良の動物は無料で行っているから気にしなくても良いわ」

「先生、これってフェレットですよね? どこかのペットなんでしょうか?」

「フェレット、なのかな?私も見たことないわね、それにこの首輪に付いているのは宝石なのかな?」

そして、愛が首輪に付いている宝石に手を伸ばすと、フェレットが体を起こした。

「あ、起きた」

「あら?」

 すずかがフェレットが起きたことが嬉しかったのか、凄くうれしそうだ。

フェレットを囲んで話していると、そのフェレットが起き、
あたりを見回すとなのはの所で止まった。

「えっと…」

 なのははおそるおそる指を近づけた。
するとフェレットはなのはの指を舐めたが体力の限界からかまた気を失ってしまった。
 
「しばらく安静にしたほうがよさそうだから、とりあえず明日まで預かっておこうか?」

 愛がそう言うと、三人娘はうれしそうに

「「「はい! お願いしま~す!」」」

 声を合わせてお礼を言う。

「あ、やばっ!? 塾の時間!」

「あ、ほんとだ!」

「じゃあ、院長先生、すみません! また明日来ます!」

「フェレットか~アタシの家は無理かな~犬いるし」

「私も~猫がいるから……」

 塾に行く途中まで、
フェレットのことを話していた。

「私はここまでだねフェレットのことは明日ゆっくり考えよう。遅刻しないでね」

「「「またあした」」」 
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