恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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340部分:第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその五
第二十八話 ミナ、一行に加わるのことその五
水色の軽やかなワンピースだ。ただそれを着ているだけでも関羽はいつもと違う服なので恥ずかしいのである。だがその恥じらいがさらに得点を高くさせていた。
そして劉備はだ。淡いピンクのチャイナドレスである。ただしガーターストッキングは緋色で髪の毛は団子にしている。これまた刺激的な姿である。
「凄く似合ってるわよ」
「そ、そうなのか」
「関羽さんって凄く奇麗だし」
確かに美貌も傑出している。
「それならこの歓声も間違いないわよ」
「それは劉備殿もではないのか?」
「私も?」
「そうだ、その姿では男が目を奪われない筈がない」
そのチャイナドレスの劉備を見ての言葉である。
「私も。目のやり場に困る」
「どうしてなの?」
「その、胸に脚が」
彼女のそうした部分を見てさらに顔を赤らめさせる関羽だった。
「あまりにも凄くてだ」
「そうなの?」
「翠や蒲公英も凄かったがそういうものを見てはだ」
「私ってそんなに凄いかな」
「女の私から見てもな」
こう劉備にまた言う。
「女を好きになる趣味はないのだが」
「私は関羽さん好きだけれど」
「何っ!?」
劉備の今の言葉にぎくりとした顔になる。
「劉備殿、まさかそれは」
「だって関羽さん友達じゃない」
劉備が劉備たる由縁の言葉だった。
「だからね」
「そうなのか。それでなのか」
「そうよ。だからなのよ」
「それならいいのだが」
こう言われてほっとする関羽だった。何はともあれこれで美を競う競技は終わった。と誰もが誤認してしまっていたのだった。
「待て、私はどうなる!」
「あれっ、誰だ?」
「まだいたのか?」
「誰なんだ、あれ」
観客達は慌てて出て来た公孫賛を見て目をしばたかせる。
「見たことないよな」
「劉備殿のところにいたのか?」
「そうじゃないのか?あれは」
「そうなのか」
「だから何故私はそうなんだ」
そしてだ。司会のドンファンとジェイフンも言ってきた。
「あのさ、悪いけれどさ」
「飛び入りは認められていないのですが」
「だから飛び入りではない!」
公孫賛はその二人にも言い返した。
「御主等は既に私を知っている筈だぞ」
「いや、だからさ」
「貴女はどなたでしょうか」
「公孫賛だ」
名前を告げた。
「名簿に書いてあるだろう、劉備の方にだ」
「あっ、本当だ」
「そういえばそうですね」
ここで二人もやっと頷いた。
「最後の一人誰かなって思ってたけれど」
「貴女だったんですか」
「何故こうまで忘れられるのだ?」
いつものことながら嫌になっていた。
「私はいつもいつも」
「まああんたも出るってことだよな」
「それではどうぞ」
二人はその公孫賛を舞台に出した。観客達の反応は。
「ふうん、そうかあ」
「あれって制服だよな」
「そうだよな」
「そこそこいいんじゃないのか?」
「なあ」
こんな反応だった。かなり薄い。見れば彼女の服は黒いハイソックスに黒いスカートと制服、白いブラウスである。それであった。
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