転生とらぶる
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ガンダムW
1729話
転移フィールドの光の繭が消えた瞬間、ニーズヘッグの映像モニタに映し出されているのは宇宙空間だった。
そして宇宙空間の中には、純白の戦艦……ピースミリオンの姿もある。
幾つか被害を受けている様子は見られるが、幸いにして撃沈寸前といったような大きな被害ではない。
それでも、このままではいずれ撃沈されることになるのは間違いないだろうが。
……そう、ここに俺が、そして俺達がいなければな。
「聞こえているか。見ての通り、ここはもう宇宙だ。シャドウミラー各機はすぐに出撃してピースミリオンの護衛に回れ。サリィ、HLVはステルスを使って隠れていろ。……早く来ないと、全て俺が喰らいつくしてしまうぞ?」
自分でも分かるような獰猛な笑みを浮かべてそう告げると、通信を切る。
そしてツイン・ドライブ……テスラ・ドライブとT-LINKフライトシステムの両方とエナジーウィングを使いながら、久しぶりの機体に慣れるようにと軽く動かしながら戦場に向かって突っ込んでいく。
……さて、まずはMDの脅威をこちらに向ける必要があるか。
驚異的な存在と見なせば、優先撃破対象をニーズヘッグに変更するだろう。
つまり、それだけピースミリオンの安全が確保される訳だ。
「……この一撃で全滅してくれるなよ?」
高速で……それこそトールギスやウイングゼロでは到底追いつかない速度で戦場の端に到着すると、ヒュドラを戦場に向けてT-LINKシステムでそれぞれ狙いを付けていく。
精神コマンドは……MDの性能を考えれば、特に必要はないか。
機体の調子を見ながら、笑みを浮かべつつ……俺は口を開く。
「フルバーストだ! 全部持っていけ!」
叫ぶと同時に、T-LINKシステムによる機体制御が行われ、ニーズヘッグに装備されているほぼ全ての武器が、その凶暴さを剥き出しにする。
ヒュドラの先端についているビーム砲が合計18門、ランツェ・カノーネが2門、T.T.キャノン、メガ・バスターキャノン、ブラックホール・ランチャー。
ヒュドラ以外にも、腹部拡散ビーム砲、エナジーウィングが放たれ……更に、ニーズヘッグをニーズヘッグたらしめている特徴的な武装の一つ、ファントムまでもがヒュドラから放たれる。
特にファントムは、俺の意志のままに従いまるで狼が集団で獲物を狩るかのように……いや、それよりも尚狡猾な動きでMDに向かって突っ込んでいく。
MDも放たれた各種ビームを何とか回避しようとするが、それこそMDが普及する前に連合軍が火力を集中させていた時と比べても尚凶悪な攻撃に、回避すら出来ず次々に撃破されていく。
MDという存在は、このW世界では凶悪と言っていい程の力を持つ。
それこそガンダムのパイロットを含む一部の強者くらいしか、MDとまともに戦う事は出来ない筈だった。
だが……今目の前で広がっている光景は、誰にとってもMDというのが絶対的な存在ではないという事を現していただろう。
ファントムはビームソードを展開しながら真っ直ぐに突き進み、トーラスを貫く。
一応MDは敵の弾丸を回避出来るようにAIで制御されているのだが、それだって敵が持っている武器から射線を計算して回避しているにすぎない。
だが、ファントムには当然砲口のようなものはない。
ましてや、何かが近付いてくると反応して回避したとしても、ファントムは俺の念動力によってコントロールされているのだ。
回避した先に向かって突き進み、次々にトーラスの機体を貫き、宇宙に爆発の花を咲かせていく。
そうして一連の攻撃が終わった後……ピースミリオンを攻撃していたMD部隊の数はごっそりと減っていた。
……それでも、増えた撃墜数は3か。
だとすると、倒した指揮官機は全部で3となる。
これは、思ったよりも少ない。
いや、それとも思ったよりもMDの方が多いと言うべきか?
ともあれ、これでピースミリオンを襲っていたMDの数がごっそり減ったのは間違いのない事実だ。
「聞こえているな、ピースミリオン。こちらアクセル・アルマーだ。今の攻撃でMDの数は一気に減ったが、ピースミリオンの方は大丈夫か? それと、ヒルデの方はどうなっている?」
『……へ? え? あ……今の攻撃はアクセル代表ですか!? ウイングゼロのツインバスターライフルよりも圧倒的な攻撃でしたよ!? そもそも、その機体って一体何なんですか!』
思い切り混乱した様子でピースミリオンから通信が送られてくる。
「言っただろう? これからすぐに援軍に行くって。……詳しい話に関しては、また後でだ。とにかくさっきの質問に答えてくれ。ピースミリオンはまだ無事なんだな? それとヒルデも」
『あー……えっと、はい。大丈夫です。問題ありません』
混乱した様子から一転、どこか平坦な様子で返事がくる。
許容量を超えたのか?
まぁ、ここで面倒な事にならないというのは、俺にとっても楽でいいんだけど。
ともあれ、ピースミリオンを襲撃しているトレーズ派の部隊は一気にその数を減らした。
……にしても、今の一撃で撃破した機体はかなりの数になる筈だが、その中で有人機が3機だけとなると、やっぱりピースミリオンの襲撃を計画したのはトレーズじゃなくて、レディ・アンか?
もしくは……トレーズがMDを使うようになった?
その辺りはどうでもいいか。
とにかく、こちらとしてはピースミリオンの救援さえ出来ればいい。
トレーズ派に対する攻撃は、それこそ今回の一件が終わった後でしっかりとやればいいのだから。
「そうか。なら、綾子、デュオ、五飛も出撃してくるだろうから、そちらにも連絡をしておいてくれ。後、可能ならHLVの収容を頼む。HLVには地上で行われていた会議に参加していた連中の殆どが乗ってるからな」
『はぁ!? 何でそんな人達を連れてきたんですか!?』
俺の言葉に我に返ったのか、映像モニタの向こう側で通信の相手は怒鳴り声に近い声を上げる。
『放っておきなさい。アクセルのやる事に一々驚いていたら、どうしようもないわよ。……それよりアクセル。いきなりこの戦域に現れた上に、その機体を使ってるって事は……喋ったのね?』
話の途中で、俺と喋っていたブリッジクルーから凛に通信相手が変わる。
今の操作をしたのは凛なのか、それともブリッジクルーが気を利かせたのか。
どちらかと言えば後者の可能性が高いな。
ともあれ、言葉を濁してはいるが凛の言いたい事は分かる。
凛も聖杯戦争でニーズヘッグを見ているしな。
「ああ、大まかなところはな。……ただ、凛については言ってないから、その辺は心配いらない」
魔術についてどうするのかは、それこそ凛に一任した方がいいだろう。
俺が何か言うよりも、絶対にそっちの方がいい。
……後で凛に妙に責められたりしたくないというのもあるが。
『ふーん……ま、その辺は後で詳しく聞かせて貰うわ。とにかく、HLVをピースミリオンに収容すればいいのね?』
「ああ、頼む。デュオ達も出撃してるから、向こうにとってもピースミリオンを攻めるのは難しくなっている筈だ。そうである以上、こっちも攻撃に出ていい頃合いだ。……一応聞くけど、ヒルデの方は問題ないよな?」
『ええ、護衛に専念させてたから』
「そうか」
ビーム兵器が主兵装のトーラスを相手にするには、SEED世界の技術のラミネートアーマーを使えばいいんだけどな。
……何気に、シャドウミラーだとラミネートアーマー系の技術は殆ど発達してないのが痛い。
PS装甲の方が、寧ろ発達してるし。
何しろシャドウミラーの機体はテスラ・ドライブのEフィールドを始めとして各種バリアが豊富にある。
そのバリアを貫かれる心配というのは、まずしなくてもいいのでは? と思うくらいに。
また、そのバリアもいわゆる軽減系のバリアで、貫いた事により威力が落ちるというのは珍しくない。
そう考えると、艦体にダメージが向かう事は殆どない。
……それでいながら、何故PS装甲が発達しているのかと言えば、純粋に俺の機体のニーズヘッグを開発する為だった。
T-LINKフレームという新素材にはPS装甲の技術も必要だし。
そのおかげでVPS装甲の技術は殆ど発達していないのだが。
ともあれ、ホワイトスターに戻る事が出来たら、是非装甲にラミネート装甲を……いや、バリアが搭載されるから、別に気にする必要はないのか?
「なら、その辺りの情報をデュオの方に流してやれ」
『ふふっ、そうね』
それだけで俺が何を考えているのか理解したのだろう。面白そうな笑みを浮かべた凛はあっさりと頷きを返す。
「ま、とにかく積もる話も色々とあるけど……それも全てはこいつらを片付けてからだ」
『ええ』
短い会話はそれで終わり、それぞれがやるべき事を理解して通信が切れる。
それを見ながら、俺も次に狙うべき相手を探してT-LINKシステムで周囲の索敵を行う。
ああ……と、機体を動かしながら、俺の口からは悦楽に近い溜息が出るのを止められない。
トールギスやウイングゼロも、決して悪い機体ではない。
いや、このW世界の中だけで見れば共にトップクラスの性能を持っている。
ましてやウイングゼロにいたっては、トップクラスではなくトップの性能を持っていると言い切ってもいい。
だが……そう、だが。
それでもやはり、操縦をする際には俺の能力を全開にするような事は出来ない。
ゼロシステムを使えればあるいは……とそう思った事もなかったが、結局俺が乗っている状態でゼロシステムは発動しない事が判明している。
機体性能を限界以上まで引き出しても……それでも、俺の能力を完全に発揮は出来ないのだ。
それに比べると、このニーズヘッグはレモン達が持てる技術の粋を集めて、俺だけの為に作ってくれた機体だ。
それこそ、俺の能力を最大限まで引き出し、それでも尚余裕があるという……まさにオーパーツと呼ぶのに相応しい機体。
ニーズヘッグに乗っていると、機体が馴染むというか、機体と一体化しているような気さえしてくる。
ツイン・ドライブとエナジーウィングを使い、次第に速度を増していく。
そうして陣形に風穴を開けられたMD部隊の中に、ニーズヘッグは突入する。
MDとしてAI制御されているMDですら反応出来ない速度。
もしくは、先程のフルバーストで完全にAIの認識範囲を超えてどうしようもなくなっているのか。
ともあれ、MDの反応が鈍いのは間違いない。
T-LINKシステムを使ってファントムを自由自在に動かしながら、次々にMDを切り、切断し、貫き、撃ち……といった具合に破壊していく。
そうしながら、勿論ニーズヘッグの動きも疎かにはせず、トーラスの横を通り抜けざまにエナジーウィングの刃でその胴体を斬り裂いていく。
シャドウミラーで採用されているエナジーウィングは、基本的にブレイズ・ルミナスとしてバリアに使われるのが普通だ。……ああ、勿論刃状のエネルギーを飛ばす広域攻撃はデフォで備えているが。
だが、ニーズヘッグの場合は何種類もバリアを装備している関係上、バリアはこれ以上必要なかった。
いや、バリア以外に使い道がないのであればバリアにしたかもしれないが、残念ながらと言うべきかエナジーウィングはバリア以外にも使い道があった。
それが、翼の部分の外側をブレイズ・ルミナスによって刃状にした代物だ。
また、それだけではない。
ニーズヘッグをニーズヘッグたらしめている、多機能バインダーのヒュドラ。
合計6つのヒュドラの先端には、ビーム砲兼ビームサーベルがあり、T-LINKシステムにより俺の意志通り自由自在に動かす事が可能だった。
そうして振るわれる刃の嵐は、MDが何か行動をするよりも前に切断され、宇宙空間に爆発の花を幾つも咲かせていく。
ファントムとエナジーウィング、ヒュドラのビームサーベルでMDを攻撃しながら、ランツェ・カノーネを使って放たれたビームが離れた場所からこちらにトーラスカノンを撃ち込もうとしていたMD数機を纏めて貫き、撃破する。
また、T.T.キャノンから放たれたビームは、T-LINKシステムにより俺の意志通りに曲がり、宇宙空間に優美な弧を描きながらMDを撃破していく。
まさかビームが曲がるというのは、MDのAIにとっても完全に予想外の行動だったのだろう。
どうしようもない感じで、次々に撃破されていった。
少し離れた……いわゆる中距離にいるMDは、こちらもヒュドラに内蔵されているグレートグランドマスターキーにより生み出された炎に包まれ、爆散する。
こうして、次々に行われる破壊により、トレーズ派のMDは急激に消耗していき……最終的には綾子達の機体が戦いに参戦した事もあり、7……いや、8割程のMDが破壊されたところで、この場を撤退していく。
「大人しく逃がすと思うか?」
そんな撤退するトレーズ派に、土産代わりとしてメガ・バスターキャノンとブラックホール・ランチャーを撃ち込み……最終的にこの場から撤退する事に成功した機体は、ほんの数機のみとなるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1330
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1368
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