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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1726話

「馬鹿なっ! 連合軍の基地が既に3割陥落だと!? しかも現在戦闘中の基地も多い!? どうなっている! D-120コロニーの方でも戦闘中!?」

 HLVに戻ってきて、客室に向かった俺達を出迎えたのはそんなセプテムの怒声だった。
 真剣な表情を浮かべているのは、セプテムだけではない。
 中東連合のカトルにトロワ、サンクキングダムのヒイロとドーリアンといった面子も同様だ。
 まぁ、デルマイユの方はもう言葉も出ない状態のようだが。

「どうやら予想通りにトレーズが事態を動かしているらしいな」

 呟く俺の声が聞こえたのか、客室の中にいた者の多くがこちらに視線を向けてくる。
 セプテムのみは、少しでも情報を集めようと通信機の側にいたが。

「アクセル代表……戻ってきたという事は、HLVの外の敵は?」

 話し掛けてきたのは、カトル。
 育ちがいいせいなのか、何気にこういう時の判断力……いや、行動力はあるよな。

「ああ、全機撃破した。指示を出していた有人機も撃破したから、暫くこの辺は安全だろう。もっとも、時間が経てばまたそのうちロームフェラ財団から戦力が送られてくると思うが」
「トレーズゥッ!」

 俺の言葉でトレーズの様子を思い出したのか、デルマイユが憎悪を込めて叫ぶ。
 まぁ、血の繋がった肉親に裏切られたんだから仕方がないか。
 それでも親戚とかその辺の血の繋がりだったからいいようなものの、もし息子とか孫とかの直系ともなれば、デルマイユの脳の血管は切れてたんじゃないだろうが。
 そんな風に思いながら、俺は口を開く。

「落ち着け」

 その言葉と共に放たれたのは、影槍。
 デルマイユの眼前でピタリと止まっている影で出来た槍は、鋭利な切っ先を突き付ける事でデルマイユに死の恐怖を抱かせ、それにより落ち着かせる事に成功する。

「どうやら落ち着いたようだな」
「いや、お前が無理矢理落ち着かせたんだろ」

 デュオの突っ込みが聞こえてくるが、取りあえずそれはスルーして、再度口を開く。

「色々と細かい事情も話したいところなんだが、知っての通り現在はトレーズのオペレーション・サンライズによって地球圏全体が混乱している。だから端的に言うと、だ。俺と綾子、それとここにはいないけど凛はこことは別の世界、いわゆる異世界からやって来た存在だ。その証拠として、この世界には存在しない技術……魔法だったり、物干し竿と呼ばれる長刀を使ってビームをぶった切るなんて真似をして見せただろ?」
「……物干し竿? それは、もしかして伝説の剣豪コジロウ・ササキの持っていた刀の事か?」

 デルマイユの口から出た言葉は、俺にとっても完全に予想外だった。
 日本人であれば、物干し竿という名前を聞いて佐々木小次郎の名前に辿り着いてもおかしくはない。
 だが、欧州出身のデルマイユがその名前を知っているとは……
 王侯貴族? と鼻で笑っていた俺だが、何気に教養については認めなくてはならないらしい。
 周囲の者達も、デルマイユの言葉からあっさりと物干し竿についての話が出て来た事に驚いている。
 ……その物干し竿を使っている綾子ですら驚いているのだが、それがどれ程のものなのかは明白だろう。

「そうだ。綾子の持っている物干し竿は異世界で行われたとある魔術的な儀式によって過去の英霊を召喚して行わせる戦いで佐々木小次郎が召喚された時に俺が戦って勝った戦利品だ」

 聖杯戦争の名前とかは、一応出さない方がいいだろう。
 凛辺りに聞いてOKが出れば別だろうが。
 何だかんだと聖杯戦争という一面においては、俺は召喚された側、綾子は巻き込まれた側という事で、根っからの魔術師という意味では凛だけが正式な参加者なんだよな。
 まぁ、Fate世界に行けば衛宮とか桜とかいるけど。
 ともあれ、俺の言葉にその場にいた者達は視線を綾子の持っている物干し竿に向けていた。
 佐々木小次郎という名前を知らなくても、英霊という言葉から大体どのような存在かは予想出来たのだろう。
 じっと見られるのが居心地悪いのか、綾子が微かに身じろぎするのが見える。
 その美貌から注目されるのは珍しくない綾子だったが、その手の視線と今の視線は色々と違うのだろう。
 もっとも、それを理解出来たのは俺だからこそだろうが。
 ともあれ、周囲に漂っていた沈黙を破ったのはノベンタだった。

「それで……アクセル達が異世界の存在だというのは分かった。いや、本当の意味で分かったのかどうかはまだ何とも言えないが、ともあれそういう事にしておいた方がいいというのは理解した。……っで、アクセル達は何をしにこの世界にやって来たのだ?」

 普段は温厚なノベンタだったが、今俺に向けてくる視線は鋭い。
 まぁ、異世界からの来訪者……下手をすれば侵略者になるかもしれないというのを聞けば、こうもなるか。
 未知の存在であるからこそ、俺達を怖がる。
 これは、特に珍しい事でもなんでもない。
 いや、寧ろ冷静な態度で応じている分、評価していもいいだろう。
 この辺り、年の功って奴か。
 ……まぁ、実際にそんなに深い理由があってこの世界にやって来た訳じゃないんだが。

「お前達にとっては幸運と言ってもいいのか、それとも不運と言ってもいいのか……別に俺達はこの世界に狙ってやって来た訳じゃない。俺は……ああ、そうだな。まずはここから言っておくべきだった。幸いここにはトレーズ以外のこの世界のお偉いさんが集まっているし」

 そこで言葉を止め、こちらに視線を向けている面々を一瞥する。
 デルマイユを始めとしたロームフェラ財団の面々までもが、今は黙って俺の話を聞いていた。
 そうして、誰もが俺の言葉を一言一句聞き逃さないようにしているのを確認してから、再び口を開く。

「俺の名前はもう知っているな? アクセル・アルマー。そして所属している……いや、率いている組織はシャドウミラー。だが、これは正確ではない。より正確には、俺が率いているのは傭兵ではなく……国家だ。シャドウミラーというのも、正確には傭兵団の名前ではなく国の名前だ」
『国っ!?』

 さすがに俺の率いているのが国だというのは、他の面々にも想像出来なかったのだろう。
 珍しく……それこそガンダムのパイロット、政治家、軍人……全ての者が声を揃えて驚く。

「そうだ。このW世界……ああ、取りあえず便宜上俺はこの世界をW世界と呼んでいるんだが、ともあれこのW世界ではまだ夢物語としか思われていない、平行世界、もしくは異世界。そんな感じで、無数の世界がある。そして世界と世界の隙間……次元の隙間とでも呼ぶべき場所に、シャドウミラーという国は存在している。そして、幾つもの平行世界との間に関係をもち、条約を提携し、その主導的な立場にある」
「つまり……シャドウミラーは幾つもの世界を支配下においていると?」

 そう尋ねてきたのは、ノベンタ。
 この中で一番始めに我に返ったのは、俺達との付き合いが長いというのもあるのだろう。

「そう見えるかもしれないし、実質的にそうなのかもしれないが……俺達は別にそこまで全てを支配している訳じゃないな。そもそも。俺達シャドウミラーの本拠地にして、首都と呼ぶべきホワイトスターという場所があるんだが、そのホワイトスターがなければ、異世界間貿易は行えない。そうである以上、シャドウミラーが自然と主導的な立場になるのは当然だろう?」

 実際には戦力という意味でも圧倒的なものがあるのだが、それもこれもホワイトスターという地理的有利があってこその話だ。
 事実、もしホワイトスターが存在しなければ異世界間貿易は行えなくなる。
 異世界間貿易というのは、それを行っている者達にとっては笑いが止まらなくなる程の利益をもたらすのだから。
 ……まぁ、おかげで同じ世界であっても異世界間貿易に参加している国としていない国――もしくは国に限らず集団や企業――の間では大きな格差が生じつつあるという話も聞く。

「異世界間貿易? それは……」

 金の臭いを嗅ぎ取ったのか、デルマイユが何かを言おうとするも、俺は手を出してそれを止める。

「その話は、このW世界にはまだ早い。……ともあれ、俺達シャドウミラーはその立地上から他の世界に転移する事によって友好関係を築く世界を増やしている」

 ……中には門世界のように、友好関係を結ぶのが難しい世界もあるのだが……ああ、でも結局帝国は滅ぼしてその後釜を任せた国とは友好関係を結べそうだったな。
 結局、門の異常で向こうの世界との接続は途切れたが。

「そんな訳で、俺達シャドウミラーはこう言ってはなんだが、空間転移装置を半ばランダムで起動させて、今まで接触した事のない未知の世界を見つけていく訳だ」

 正確には未知の技術の収集という一面も強いのだが、異世界間貿易を含めて異世界間条約を結ぶ為の世界を増やしているというのも間違いのない事実だ。
 そういう意味では、このW世界はガンダニュウム合金という当たりがあったんだが……

「……アクセルは……いや、その前に国家の代表という以上は呼び捨てにするのは不味いかな?」
「そうだな、今はまだ正式に国交を結んでいる訳でもないんだし、その辺りは適当でいいさ。しっかりと国交を結ぶ事が出来たら、人前では相応の呼び方をしてくれればいい」
「ふむ、そうか。ではそうさせて貰おう。……では、改めて。アクセルが国家の代表という事は、当然そのシャドウミラーという国を率いている身なのだろう? その、こう言ってはなんだが、何故一国の代表ともあろう者がそんな危険な真似を? それこそ、部下や雇った相手に任せるといった真似はしないのか?」

 ノベンタの言葉に、よく言ったと周囲の者達が頷く。
 ……ヒイロまでもがノベンタの言葉に頷いているのを見ると、やはり普通の感覚では一国のトップが未知の世界に単独で転移していくというのは信じられない出来事なのだろう。
 特にこの場には各組織のトップや、それに近い位置にいる存在が集まっている以上、その考えは更に強いらしい。

「そうだな、普通ならノベンタの言葉通りだと思う。……けど、それでも俺がやるべき理由というのは幾つかある。まず、ホワイトスターとの間に転移装置を繋げていない状況では、世界と世界の間に時差が起きる時がある。……つまり、下手をすればこっちの世界で1年経っていても、ホワイトスターではまだ1日しか経っていないとか、その逆とかな。そうなると、普通の人間には友人、知人、家族、恋人……そのような者達と年齢が離れることになる……という理由は最初にあったな」
「……最初?」
「ああ。まぁ、その辺は後で機会があったらまた話すよ」

 シャドウミラーに所属すれば不老になれるという事を知れば、色々な意味で暴走する奴が出て来かねない。
 特にデルマイユなんかはそうだろう。
 今はロームフェラ財団の実権をトレーズに奪われているようなものだが、不老の事を知れば何をどうするのやら。
 ……少なくても、不老になるというのはシャドウミラーに所属する者限定の特典であり、そしてシャドウミラーにはデルマイユのような奴はいらない。

「そして俺がこんな事をやっている最大の理由は……俺個人としての強さからだ」

 は? と、意味が分からないと呟く連中に、改めて口を開く。

「転移した世界がどのような世界なのかというのは、それこそ実際に転移してみるまでは分からない。実際、転移した先では戦闘の真っ只中というのも普通にあったしな」

 おかげでブリッツと……何よりマリューという恋人を手に入れる事が出来たのだから、結果的には万々歳と言うべきなんだろうが。
 あんな場所に何も知らない相手を突っ込ませるような事をするのは、それこそ死んでこいと送り出すようなものだろう。

「その、言っている意味が……死ぬという意味では、アクセル代表も同じなのでは? いえ、寧ろ一国家の長ならば、それこそ真っ先にアクセル代表がそのような真似をしてはいけない人物のような気がするのですが」

 ドーリアンの言葉に、周囲の者達が頷く。
 俺の話を聞いている間に、次第に皆が我に返ってきているのが見て分かる。
 これはいい傾向なのか、悪い傾向なのか……いや、いい傾向と考えてもいいだろう。
 特にこのW世界との間に友好関係を結ぶのであれば、シャドウミラーという、俺が言うのも何だが非常識な存在に慣れて貰う必要があるのだから。

「そうだな、それは間違っていない。……いや、普通ならそれこそドーリアンが言う通りに正しいだろう。例え魔法という存在があったとしても、死ぬ時は死ぬんだし。けど……俺の場合は話が違う」

 一旦言葉を止め……その決定的な一言を口に出す。

「俺は不老で……それどころか半ば不老不死に近いと言っても過言ではないからな」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1360 
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